第15話 伊藤先生の怒り

「君、1時間目以降ずっとそんな顔をしているね!」


伊藤先生は僕の顔を覗き込む。

僕は目の前に伊藤先生の顔がきて驚く。


「わぁ、なんですか急に!キスでもするつもりですか!!」

「しないよ!さすがに君が女装してるからって男にキスなんかするわけないじゃないか!!」


伊藤先生先生はいつもの優しい感じではなく、今日はめずらしく怒っている。

どうしてだ?

僕は伊藤先生が何に怒っているのかわからなかった。


「やっぱり、そんなによかったのかい?くぅーうらやましい!」


なんのことを言っているのかわからなかった。


「いったい、なんのことを言ってるんですか?」

「本気でいってるのかい?僕が言っているのは1時間目の水泳の授業のことだよ!」


伊藤先生にいわれて思い出す。

僕は真城さんとの会話ですっかり当初の目的を忘れていたことを思い出した。


「あっ!すっかり女子高生の水着を見るのを忘れていたーー!」


僕は自分がおかした過ちを後悔した。

その姿をみていた伊藤先生は『本当に忘れてたのか』と驚いていた。


「いったい、何をしてたんだ君は?」

先生は僕を心配してか、聞いてくれた。

「じつは……」

僕は真城さんと話をしていたことを話した。


「そうだったのか…それでもうらやましいことには変わりないが」


先生は真剣に僕の話を聞いてくれていたが、それと同時に真剣にうらやましがっていた。

ほんといい先生だよ。


そう、こうしていると昼休みの終わりのチャイムが鳴る。

それと同時に今日の先生との昼食時間も終わりを告げた。

伊藤先生の怒りはおさまっていたが、僕はショックで少し落ち込んでいた。




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バカな男子高校生が女子校に入学しました! 晴樹 @iaritelikke

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