第30話 VS炎獅子

 炎獅子の正面に躍り出たキョウコ先生とユウキ。

 だが、その瞬間エンチャントで強化されたスピード強化を発動。

 左右に移動して襲い掛かる。

 そして、その瞬間に正面から殺到するのはイズミの魔法「《ライトニング・アロー》」


 無数の光の矢が炎獅子の正面から、右からキョウコ先生が、左からユウキが同時に襲い掛った。


 そして、炎獅子は……笑った。間違いないヤツは笑った。


「はぁーーー!!!」

 エンチャント効果で、虹色の光彩を纏ったユウキの斬撃が、炎獅子の頭部を、


「くらえっ!!!!」

 エンチャント効果で、虹色の光彩を纏ったキョウコ先生の拳が、炎獅子の胴体を。

 さらに無数の光の矢が、炎獅子の正面を覆いつくす……


 そして、炎獅子が吠えた。

 咆哮と共に、黒炎が爆発的な勢いが炎獅子の身体から全方向に放たれた。


「「「なっ!!!!!」」」


 咄嗟に盾で迫る炎から身を守るユウキ。

 一瞬で身体強化を纏い、後方に距離を取るキョウコ先生。

 無数の光の矢と黒炎の爆発が衝突、轟音と共に衝撃破が部屋を揺るがす。


「まだ、まだぁーーー!!!!」

 イズミは、杖を振り上げて叫ぶ。


「《ブリザード・ウェーブ》!!!!」

 詠唱と同時に炎獅子の足元を襲う!


「ガッ?!」

 炎獅子は慌てて、足元に広がる氷結の波から逃れるべく飛び上がる。


「残念だったな!」

 飛び上がった炎獅子を待ち受けていたのは、部屋の天井を足場に上空から強襲するキョウコ先生の気を纏った強烈な蹴り。それがついに炎獅子の頭部に炸裂!


「!!!!!グッ、ガァーーーーー」

 うなり声と共に炎獅子は地面に叩きつけられる。


「二人とも炎獅子を少し抑えて!特大魔法ぶちかまします!!」


「任せろっ!!!!剣技 《シャイニング・ブレード》」

 エンチャント効果で虹色の光彩を纏い、さらに黄金の輝きも加えた光の斬撃が地面に沈む炎獅子に迫る。


「グッ、ガルラァァァァーーーーー!!!!」

 炎獅子も倒れながらも、右腕に強烈な黒炎を纏った一撃で迎え撃つ。


 ドッ…………ガッガガガ!!


 光の斬撃と黒炎を纏った炎獅子の一撃が激突。お互いが弾け飛んだ。


「グッ!ガァーーーー」

 壁に吹き飛ぶユウキ。


(クッ、介入するか?……いや、まだやれるはずだ。)


「ミキ、ユイまだだぞ!」


「「!!」」

 2人とも介入寸前だったか……ここで介入はまだ早い。



「ガァーーーーー」

 炎獅子は右腕が弾け飛んだ。わずかにユウキのシャイニング・ブレードの威力が勝ったのだ。


「そら、余所見するな、もう一発だっ!」

 ここでキョウコ先生の気を纏った踵落としが、倒れた炎獅子の頭部に突き刺さる!


「ギッ!!!!!」

 炎獅子が地面にめり込む。


「今だ!やれっーーーー、イズミ!!!!」


「魔力充填完了、いきます!(これは詠唱破棄が、無理の古の賢者が作った大魔法……)」


「闇よりも尚暗きもの……全ての存在を押し潰す……暗黒よ、敵を穿て」


暗黒無空間ブラックホール


 その瞬間、音が消えた、光さえも消えた、全てが闇に包まれた。

 そして、黒い暗い闇よりも深い穴が炎獅子を包み込む。

 ?!……炎獅子の全てが……かき消えた。


 ……そして、闇は尚も広がる気配を見せる……


(!!!!!なっ、イズミ魔力枯渇で気絶してるのか!!!)



「!あれはヤバイ!!ミキ、ユイあれをかき消すぞ!!」

(このままだと全員のまれる!!!)


「あれを消滅させるイメージだ!光だ、光で塗りつぶすぞ!!!」


(その時、俺、ミキ、ユイが繋がった。これなら、イメージも共有できる)


 イメージするのは、ブラックホールの闇ですらも消し去るほどの


「「「つまり、これ!!!」」」


「「「太陽光ソーラー・レイ」」」


 俺、ミキ、ユイのイメージで放たれる光の柱が部屋の中央に顕現する。光は、闇を飲み込んだ。圧倒的な光のイメージで具現化した光の柱は、本来なら全てを逃さないはずのブラックホールすらも飲み込む。

 一切の音も存在しない、無音の中で光が闇を消し去った。


 そして、輝く光が部屋を満たす中……光の柱は、しばらく経ってから収まった。

 ブラックホールのあった部屋の中央には、本来なら破壊されないダンジョンの天井に穴が開き、床にも穴が開いている。そして、その穴には闇が広がってる。たぶんなんだろう。

 穴は徐々にだが、塞がろうとしている。基本的には、ダンジョンの壁や床が少し破損しても自動修復される。本来ならできないのだ。



 ―――――――――――――――



(さて、3人は無事だろうか?流石に疲れた。今日はここまでにしよう)


 ユウキは……気絶してる。

 キョウコ先生は……下着が見えたまま、大の字で気絶している。(黒か……)

 イズミは……立ったまま気絶している。おまけに不自然なくらいローブがめくれて下着が……(え?!肌色だと!!!!は、はいてないだとっ?!!!!)


 !!!!


 そして俺は……背後からの不意の一撃で気を失った。


 戦闘が終わり、この部屋でいま意識があるのは、ミキとユイの二名だけだった。


「疲れたわぁ~全魔力持っていかれたわぁ~タカにも見舞ったしホントに疲れたぁ~」


「わたしも女神魔法で疲れました。さらに、いまのでわたしもガス欠ですね~」



 炎獅子戦、決着!



 討伐数 29/100(魔石28/100)

 ※炎獅子の魔石は、ブラックホールで消滅。



 ―――――――――――――――

【読者の皆様へお願い】

 作品を読んで『面白い、面白くなりそう』と思われた方は、目次の下にあるレビューから★や作品フォロー頂けると嬉しいです!モチベーションアップに繋がります!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る