第26話 指名依頼
ギルドマスターのラインハルト・ローゼンさん。愛称ラインさんから冒険者ギルドについて説明される。
纏めるとこんな感じだ。
・冒険者にはランクが存在し、一番下がFランクで、E、D、C、B、A、S、SS、SSSランクと上昇していく。規定の条件を満たすことで、ランクが上昇していくが、Sランク以上は特別なミッションをクリアする必要がある。ちなみにS以上は人外クラスの力があると認定されている。SSSランクはここ300年くらいは認定なしとのことだ。
・クエストには、それぞれ指定ランクが設定されており、自分のランクより1つ上まで受注可能。
・クエストに失敗すると、特別な理由がない限りは成功報酬の30%が罰金扱いになる。
・ランク上昇にはギルド内で定められたクエスト難度に応じた達成状況を加味して、昇格条件を満たした者が、昇格試験に合格することでランク上昇とする。
・パーティー編成時には、メンバーのランクで一番低い者に合わせたランクと見做される。
・冒険者は、特別な理由がない限りは、ギルドマスター権限により発令される特別ミッションには、参加する義務がある。(ギルド担当地域に危険が迫り、冒険者の力が必要になる場合など)
・冒険者はランクに応じてダンジョンへの入場権限があり、指定ランクを満たさないとダンジョンへの入場はできない。(キタ、キタ!ダンジョンだって、ダンジョン!)
その他にも細かい規則等はあるらしいが、当面知っておく必要があるのはこのぐらいか。
「まあ、何かあれば受付嬢にでも聞くと良い。そういえば紹介がまだか?皆の担当受付嬢を紹介しよう」
そこでラインさんの背後に控えていた美人受付嬢が進み出てきた。
「ご紹介が遅れました。私が、皆さまの担当をいたします《イルティリス王国支部ギルド》の受付をしております。ジュリエットと申します。どうぞ、よろしくお願いします」
「ジュリエットは優秀じゃぞ。おまけにワタシには及ばずとも美人じゃ。冒険者共を手玉にとるのもお手の物。使徒様や勇者(仮)も手玉に取られんようにな?」
「か、仮……か、仮……」
ユウキがショックを受けてる。
「ちょっとギルドマスター!失礼なこと言わないでくださいよ。手玉に取るなんて!
使徒様っ!誤解ですからね?私は身持ちが堅いだけなんです」
両手で俺の手を握り、上目遣い。こ、これは破壊力がある!
「は、はい。大丈夫ですよ……。これからよろしくお願いしますね(俺、デレデレである)」
(やれやれ、ミヤモトもずいぶんモテるな。ナルカミが睨んでいるのにそろそろ気づいてやれよ?)
(おかしいわね?日本では私が主導権を握っていたはずが……こちらに来てからなんなの?タカに女がホイホイ寄ってくるわね。イズミも何か怪しいし。ちょっとタカ!あんたがベタ惚れしてるの私でしょ⁈)
(タカトさん、やべえー。ハーレム王ルート入ってますね、これ。イズミもいよいよメンバー入り待ったなしですかっ!!)
(お兄ちゃん、やりますね。まあ、わたしは正妻ポジ取れたら、側室増えても許容しますよ。正妻で妹のわたしは余裕ある女なのです)
(くっ……タカがハーレム王にまっしぐらだ……。だ、だがラインさんは俺に惚れさせてみせるぜ!)
(クッフフフ…こやつら面白すぎじゃろ?使徒様の女性関係眺めてるだけで、退屈しなさそうじゃ。いっそワタシも参戦してやろうかのぉ〜)
「さて、ジュリエット、冒険者登録は済んだか?」
「はい。終わっております。皆様の身分証に冒険者登録のデータを加えてますので、冒険者としての活動が可能です。
タカト様、ミキ様、ユイ様はAランクスタート。キョウコ様、イズミ様、ユウキ様はCランクスタートでございます。
パーティーとして依頼を受ける際にはCランクパーティーとなりますので、Bランクの依頼までは受注可能です」
「ありがとうございました。では皆そろそろ依頼でも見に行くか?」
キョウコ先生が促す。
「おっと、ちょっと待ってくれ。実はな、指名依頼を受けて頂きたいのじゃ。依頼主はギルドマスターたるワタシだ」
「指名依頼ですか?」
「うむ。ダンジョンでの討伐依頼じゃ。どうじゃ?
冒険者としてのノウハウはまだまだ初心者だろうから、まずは討伐しつつ、ダンジョン探索の基礎を学べるぞ」
「あぁ、経験の足りないあたし達へわざわざ依頼を用意頂いたんですね?」
「半分正解じゃが、半分は戦闘力のあるパーティーに依頼したいのも本当じゃ。
依頼したいダンジョンは、ダンジョンとしては単純な構造なんじゃが、モンスターの強さは、そこそこでな?討伐メインなんで、皆の初クエストにはうってつけだと思うが、どうじゃ?」
「詳しく伺っても?」
「うむ。見てもらうのが早いじゃろ。ジュリエット」
「はい。こちらが依頼票でございます」
―――――――――――――――
・種類:指名依頼討伐クエスト
・場所:イルティリスダンジョン(Cランク階層)
・依頼内容:ダンジョンCランク階層1〜3回層モンスター100匹の討伐。討伐後モンスターの魔石100個を納品
・達成報酬:100万ゴル
・期間:受注から1週間
・依頼主:イルティリス王国支部ギルド ギルドマスター
―――――――――――――――
「なるほど。皆どうだ?」
「「「「「受けましょう!(賛成!)」」」」」
「皆も依存ないようなんで、喜んで受けさせて頂きます」
「おぉ。それは良かった。ダンジョンに慣れるうえでもここは手頃じゃ。たまに間引いておかないとダンジョン内にモンスターが溢れることになるでな。
ジュリエット、あとは任せた」
「はい。お任せください。
では、皆様ギルドの転移陣にご案内しますので、こちらに」
俺達は応接室を後にして、ジュリエットさんに付いて行く。
さあ、冒険者として初クエストの始まりだ!
―――――――――――――――
【読者の皆様へお願い】
作品を読んで『面白い、面白くなりそう』と思われた方は、目次の下にあるレビューから★や作品フォロー頂けると嬉しいです!モチベーションアップに繋がります!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます