第24話 冒険者ギルド

ついに、ついに念願の冒険者ギルドだ。

やはり異世界での冒険者デビューに憧れてしまうのは仕方ないだろう。


皆も珍しそうに冒険者ギルド内をキョロキョロしている。


冒険者ギルド内は、受付カウンターと、恐らくは依頼が書かれているであろう依頼板がある。受付とは別のカウンターもあるが、素材買取でもしてるのか、何人かの冒険者達の姿が見える。


いまは割と早い時間帯である。これは俺達の城での生活を支えてくれているメイド長(元冒険者)より、「いい依頼は朝から取り合いになるので、早い時間に行くのが良い。」とのアドバイスに従ってのものだ。

とりあえず今日は、冒険者登録と難度低めの討伐系クエストを達成しておきたいところだ。

俺達の冒険者ランクは最初から優遇されているが、強くても冒険者としては素人である。低難度の依頼をいくつか受けて、冒険者としての経験を積んでおきたいところである。


「ねえ、ミキちゃん。酒場もあるよ!こんな早くからお酒呑んでるね、これは絡まれるテンプレあるんじゃない?」


「ねえ、何でそんなにテンション高いの?ユイちゃん」


「いやぁ〜テンション上がるでしょ?冒険者ギルドですよ!」


「イズミも絡まれたら、どうしましょう!!おいっ、そこの姉ちゃん、ちょっと酌でもしろよ。そして、そのまま夜の接待もとか……アワワワワ」


「ちょっとイズミ帰ってきなさい?」


「はぁ……おまえ達、今日は遊びに来たんじゃないぞ?絡まれたら、シバキ倒せばいいんだよ。あたしに任せてきなさい」


「そうそう、俺達の冒険者デビューだ。浮かれてないで早く行こうぜ。早く受付嬢さんに会いたい」


「ユウキの言う通りだ。俺も早く受付嬢さんに会いたい。早く行こう」


ジー……

……女性陣の視線が氷点下だ。受付嬢にドキドキする浪漫はやはり女性陣には分からないか。


引率者ポジションのキョウコ先生が、受付に並んでるので、俺達も集まる。

いくつか受付カウンターはあるが、何処も冒険者が依頼票を持って並んでいる。早く冒険者登録を済ませて依頼を受けたいものだ。

そして待つこと10分ほどか、ついに俺達の順番がまわってきた。


「お待たせしました。依頼の受付でよろしいですか?」

ギルドの受付嬢。やはり綺麗だ。物語の中だけの迷信ではなく、文句なしの美人受付嬢だ。この受付嬢だけではなく、どのカウンターにいる受付嬢も若く美しい人揃いだ。テンションである。


「あ、あのそんなに見つめられると困るのですが……」


「すみません。見惚れてしまいました」


「フフフ、素直な方ですね。ありがとうございます。では、さっそくですが、ご用件をお伺いしますね」


女性陣の視線が氷点下だ。ミキとユイが揃って俺の足を踏んでいる。やめてください……


「あぁ、失礼した。まずは冒険者登録がしたい。城からの連絡があったと思うが、あたし達はこのような者なのだが……」

キョウコ先生が身分証を提示する。皆も続いて身分証を提示していく。


「冒険者登録ですね?はい。確認させて頂きますね」

受付嬢さんが、身分証をカウンター内にあるタブレットみたいな物に近づけると、タブレットに情報が投影されたようだ。


……地球のタブレットみたいだが、あれも魔道具なんだな。


「!?」

息を飲む受付嬢さん。


「……は、はい。承っております。はい。皆様には別室でご説明をさせて頂きます。では、ご案内しますので、こちらまでお願いします」


別室に通される俺達。応接室のような部屋に通されたが、ずいぶんと丁寧な扱いのようだ。


「少々お待ち頂けますか?皆様に関しては、ギルドマスターよりがございます」


「はい。大丈夫です。お手数をおかけします」


……数分ほど時間が経った。


コンコン…

「失礼するよ」


部屋に入って来たのは、受付嬢と…輝くような金髪に白磁のようなシミ一つない肌に、細身ながらメリハリのあるスタイルの美女。いや絶世の美女。さらに特徴的な少し尖がり気味の耳を持つ、ファンタジー世界の超有名種族にして美女、美男子揃いがテンプレとされる。かの有名過ぎる種族。あのの美女が登場したのだった。



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