第23話 冒険者ギルドへ行こう!

 壮絶な模擬戦から数日が経った。あれからも模擬戦を重ねて、平和な国からきた俺達も、突然手にした力をある程度使えるようになっていた。模擬戦には、城の騎士団や魔法士団の皆さんも協力してくれたおかけで、練度も上がってきたのではないだろうか。


 また、模擬戦の合間には、城にある図書館も利用を許可されていたので、この世界のことをはじめ、この国の歴史、魔法や技術、文化の書物等を読みつつ、それぞれの知見を広めるべく時間を使っていた。


 城での訓練で新たな技や、残された古の魔法書により、いくつかの魔法も使えるようになったりした。

 俺達の称号や加護はまさにだ。使える条件を満たすと、頭で理解できるのだ。使い方を。


 それが過去に失われた技術や魔法であっても、何かしらの取っ掛かりがあれば、世界に残された知識を元に加護が復元し、習得ができるようなのだ。もちろん何でかんでもとはいかないが。

 例としては、過去にがあった。その魔法により甚大な被害があったとの記述、どのような効果があったか等を情報として得る。そうすると加護が、その禁呪の世界に残る記憶を探り、使頭に刻まれることになる。

 実際にイズミは古の賢者の作成したと言われる複数の魔法を、ユウキも過去の勇者が使用していた技を、キョウコ先生も過去の達人の技や体術等をいくつかマスターしている。


 ちなみに俺達、女神の加護を持つ三人も成長している。特に過去に用いられた技や魔法をはじめとして、実際に起こった事象を知ることで、この世界でのイメージを構築する力と言えば良いのか、事象再現力が上がったことを実感している。

 恐らく女神魔法で再現できる幅が各段に増えている。それが加護の力で自覚できているのだ。



 次にこの世界のことについてだ。

 意識していなかったが、距離や時間の単位、文化に日本文化が散見される。

 時間、暦、距離の単位はまんま日本式。そして国によって差はあるものの、トイレや風呂等も日本に近い。元々は国により、独自の単位が使われていたり貨幣価値もばらつきがあったらしいのだが、ある人物達により統一されていったらしいのだ。

 これは、遥か前に召喚された日本人達が広めた結果らしい。大抵の異世界ものに倣いこの世界でも日本人がらしい。そして、やはり時間の流れがおかしい。この文化を広めた人間は、昭和後期や平成の世代らしいのだ。つまり現代日本に近いものが、この世界では数百年前に広がっていたことになる。

 つまりだ。やはり前世の俺がこちらの世界で死んだのは、約300年前と言うのは事実なのかもしれない。まあ、その辺はいずれ分かるだろう。


 そして、訓練に読書や考察などしてる間にさらに数日が経過した……


 ―――――――――――――――


 俺達が召喚されてから、1週間が経過した。

 ついに、ついに、今日は異世界の定番イベントである冒険者ギルドへ俺達は来ている。

 実はこの日が、街デビューである。この1週間は、城だけでの生活で完結していたからだ。これは、この世界に慣れる為にとの、王からの配慮によるものだ。


 街の様子はまさに中世ヨーロッパのような街並みで、俺達からすると異世界ファンタジーの世界そのままと言える街並みだ。ミキやユイと買い物や街巡りなんかも楽しそうだ。

 今回は、案内の兵士さんのおかげで、道に迷うことなく冒険者ギルドまで到着できた。

 街の広さ的には、東京23区の一つの区くらいだろうか?歩くとそれなりではあるが、俺達の身体能力的には、さほど辛さはない。


「では、我々は一旦城へ戻ります。何かあれば巡回してる兵士にでもお気軽に申しつけください。街にいる兵士やギルド職員には、事前に城より皆様について通達がでております。皆様の身分証を提示されれば問題なく協力が得られますので、ご安心ください。」


「ありがとう。大変世話になった。夜には城に戻ります。」

 キョウコ先生が代表してお礼を言ってくれている。


「承知しました。では、我々はこの辺で」

 そして、案内役の兵士さんは城に帰っていった。


 さあ、いよいよ冒険者デビューだ!



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