第21話 模擬戦①女神魔法
さて、やって来たのは昨日に続き、城の地下にある修練場。
模擬戦の組み合わせとしては、俺VSキョウコ先生&イズミ&ユウキの1対3だ。そのあとに。ミキVSユイの女神の加護持ち同士での模擬戦となった。
模擬戦の話を聞きつけた城の兵士やメイドさん達が見学に来ていた。
なので、やや騒がしい雰囲気だ。
「さて、はじめますか?準備は?」
「「「問題ない(です)」」」
修練場の舞台に上がる俺達4人。さあ、3人の力を見せてもらおうかな。
ルールは、基本何でもアリとなった。ただし舞台から落ちたら脱落。あと、気を失ったり途中棄権でも脱落だ。当然ながら殺傷行為は禁止だ。
お互いに構えをとる。俺は昨日に続き木刀を。ユウキは木刀と木製の盾を。イズミは魔法使い用の杖を借りている。キョウコ先生はなんと、剣闘士用の装備なのか両手にグローブ状の装備をつけていた。
「では、一応審判役として、近衛兵士長の私めが立ち合います。……はじめっ!」
キョウコ先生の姿がかき消えた!
(いきなり身体強化か?凄いな……)
ビキッ!!!ビッ……
ん?足元から……冷気?
「クッ!!!」
俺も身体強化でその場を離れる。
魔力の波動が広がり、その直後に足元から大量の氷の波が広がる。
「……《ブリザード・ウェーブ》」
静かにイズミがつぶやく。
魔法行使前に効果が出始めていた?マジか!
ここで躱した先に先回りしていたキョウコ先生からの強烈な蹴りが俺を襲う!
「おっと!危ない」
「まだ、まだぁー!」
キョウコ先生の拳が俺に迫る。まるでボクサーのラッシュの如き拳の嵐だ。
しかし、それも躱す!躱す!!
……キタか?
キョウコ先生の影に潜み、機を伺っていたユウキも身体強化を使っている。そして、俺がキョウコ先生の攻撃を躱したところへ、強烈な振り降ろしの一撃!
だけど、俺には当たらない。それも躱す!
女神の使徒の身体強化は違うのだ。神気により相手の動きを捉える分、相手の動き出しの瞬間には動きも場所もほぼ捉えている!
その後のキョウコ先生の蹴りとユウキの斬撃の連携も悉く躱す!
「……《スピード・エンチャント》」
ん!?キョウコ先生とユウキの速さが上がった!?
(なんだ?イズミか!補助魔法も使えるのか!)
だが、まだだ。俺の方が早いっ!!!
「《ライトニング・アロー》」
詠唱と共に無数の光が出現する。
イズミの魔法か!
いくつもの光の矢が俺に迫る!
「今だ!くらえ!!ミヤモト!!!」
「っ!!!!」
一瞬動きが鈍く……何だ?キョウコ先生のスキルか?威圧されたような感覚が俺を襲う。
クッ!目の前にイズミの魔法が!
シッ!
神気を纏った木刀で一閃。魔法を斬り飛ばす。
「「もらった!!」」
当然、高速思考で俺の認識は、倍速以上に引き上げられている。さらに神気でも皆の動きは捉えていた。
しかし、それでも、これは躱せないっ!!!
「「えっ!?」」
ミキとユイの驚きの声が耳に入る。
キョウコ先生の上段蹴りを神気を纏った木刀で、ユウキの背後からの一撃を左手に纏まった神気の盾で受け止めた。これは躱せなかった!!
「「まだだ!」」
キョウコ先生は、上段蹴りの体制から飛び上がり、ユウキは剣を捨て、両手で構えた盾による押し込みで俺を抑え込む。俗に言うシールドバッシュか!
「これでどうだ!」
キョウコ先生は飛び上がり様に回転。強烈な回し蹴りを俺に見舞う。
蹴りにモヤのようなものが見える。ん?神気!!!いや違う!これは気か!
(ついでに大人パンツが見える。)
※キョウコ先生はいまチャイナ服のような恰好です。
「イズミを忘れては駄目よ?タカくん♡」
え?盾で俺を抑え込むユウキの背後にイズミが……
「《ライトニング・アロー》」
超至近距離からの高速魔法か!でも、その場所だとユウキも……
「ユウキくん、あなたの死は無駄にしない」
「え!?」
ユウキは驚愕している。
正面からキョウコ先生の蹴り、背後からはいくつものイズミの光の矢が迫る。これは俺に届く!!!
……背後から俺を抑えるユウキ。そしてユウキの背後から迫るイズミの魔法、正面から襲い掛かるキョウコ先生の蹴り。これを抑えるイメージは防御じゃない。全範囲の広域超速攻撃だ!
イメージは、こうだ……
「女神魔法
俺の言葉により、イメージは事象としてこの世界の現実になる。
その瞬間、俺を中心に爆発的な暴風が吹き荒れる。女神魔法、嵐が発動。俺以外の全てが一瞬で吹き飛ばされた。
暴風が治まった舞台の場に残ったのは俺だけ。キョウコ先生、イズミ、ユウキは全員が舞台の場外に吹き飛んでいる。
そして、ユウキはイズミの魔法が後頭部に直撃。煙を吹いていた……
勝者:タカト・ミヤモト
―――――――――――――――
【読者の皆様へお願い】
作品を読んで『面白い、面白くなりそう』と思われた方は、目次の下にあるレビューから★や作品フォロー頂けると嬉しいです!モチベーションアップに繋がります!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます