第20話 模擬戦をしてみよう!

 俺は、神官長から色々話を聞けたので、キョウコ先生の部屋に向かっている。


 正直、情報の整理が追い付かない。過去の俺か、女神様と話がしたい。まあ、流石に過去の俺からはメッセージ待ちだが、過去の俺とは会話ができるわけではない。つまりだ、女神様を解放して話ができる状態まではだろう。


 ―――――――――――――――


 コンコン……

「キョウコ先生ー、俺です。ミヤモトです」


「あぁ、開いてるから、入ってくれ」


「じゃ、お邪魔しますよっと」

 部屋には皆が揃っており、それぞれ寛いでいたようだ。


「お兄ちゃん、神官長と話は終わったの?」


「あぁ、聞きたいことは確認できたよ。とりあえずはこの国を信用して良さそうだよ」


「あら?タカはこの国をあまり信用してなかったの?」

 ミキは少し心配そうだ。


「ちょっと確認したいことあってな。また今度ちゃんと話すよ。ミキにも皆にもね」


「タカくん!タカくんが居ない間に皆で話あったんだけど、聞いてくれる?」

 はて?ヒカワさんが昨日と何か感じが違うような?なんだろ?

 お!そういえば俺のこと名前呼びになってる!俺もイズミと呼んじゃうか?


「そうそう、やっぱり結論は、皆で出したいからな!大事なことだしよ」

 ユウキからも何かやる気を感じる。何となく前向きさを感じるのはいいことだろう。

 決局はユウキだけがちゃんと勇者をやれそうだしな。


「もちろん、国からの提案を受けるか?ですよね」


「あぁ、ミヤモト。そうなんだ。結論としては、受ける前提で行動したいと思う」


「破格の待遇ですしね。でも……キョウコ先生」


「あぁ、分かってる。あたし達に要請したいと言う。対魔族の件だろう?」


「えぇ、そうです。でも良いのですか?魔族にしても、まだこの世界のことも知らない状態での結論で?」


「あぁ、ミヤモトがいない間にも話をしたのだがな、自由にこの世界を見て、そして判断して欲しいともゼファル王からも言われたよ。なので受ける前提で、少し冒険者でもやりながら、この国や世界について学ばせてもらおうと思っている」


「そうそう、私たち6人でパーティを組んで冒険者やりましょうよ!タカくん!!」


「まずは冒険者として、様々な依頼を受けてこの国知るのがいいかな?と俺も思うんだ」


 なるほど、冒険者か。6人で。それもいいかもな……


「ミキやユイもいいのか?」


「「うん。皆でいきましょうよ!」」

 朝、修羅場ってたけど、やはりこの2人は仲が良い。


「微笑ましい。この二人の笑顔でご飯10杯いけそうなくらいだ」


「タカくん、心の声漏れてるよ?」

 微笑ましい顔で俺に指摘してきた。


「ヒカワさん、いやイズミ。問題ない!あとイズミの笑顔でもご飯5杯イケルぞ!」


「「!」」

 ミキとユキの視線が氷点下になった。怖い……


 そしてイズミが照れながらクネクネしてる。どうした委員長!?キャラ変わってない??


「とりあえずタカ!冒険者をやるにしても俺達は実戦経験がないだろ?だからさ、模擬戦をしないか?城の人たちからも、修練場は自由に使っていいってさ」


 ……なるほど、模擬戦か。確かにまだ皆、自分の力を体感してないものな。

 冒険者になって、いきなり実戦よりも、その前に模擬戦の経験はアリだな。


「良し。昼食べたら、さっそくやろうか!模擬戦を」


「やったぜ!」


「うむ。あたしも力を試してみたいからな。ミヤモト相手なら思いっきりやっても、大丈夫だろうしな」


「イズミも頑張ります。将来は大賢者になるので」

 ん?やはり委員長のキャラが……


「ユイちゃん、私と模擬戦しようか?お互いに女神の加護があるし、丁度いいんじゃない?」


「はい。やりましょうミキちゃん。お兄ちゃんとの同衾を賭けて」


「なるほど。ユイちゃんには、が必要かしら?」


「フフフ……下剋上ですよ。ミキちゃん!」


 あそこに近づくのはやめよう。



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