第2章 いざダンジョンへ

第16話 修羅場

「ん……」


 もみもみ


「あっ……」


 もみもみ


「お兄ちゃん……ちょっと……あぁ」


 ん?なんだ?このは、


 なんだ?このは、


 俺は、寝てるのか?起きてるのか?


 そもそも、俺は誰だっけ??


「お兄ちゃん……そろそろ起きて♡」


 ドンドン!ドンドン!


「ちょっとぉータカーっ!!!いい加減起きなさいよっ!開けるわよ!」


 ガタッ……


 ミキが近づいて来てくる。

 うーん、このままだとまずい気がするが、眠い…頭が働かない……


「ちょっと、さっさと起きないよ!幼なじみイベントで、特別に起こしに来てあげたわよ!!ほらっ、さっさと起きろ!!寝坊助!!!」


 そして、布団がめくられた。修羅場の開幕である。


 ―――――――――――――――


 俺は土下座している。DOGEZAである。


 仕方ないではないか。だって相手はだし。


 俺、使徒だし。逆らえないし。


 俺を修羅場に落とした天使(妹)はニヤニヤしながら、ベッドの上に座りこちらを見ている。揺れながら、ご機嫌に鼻歌まで歌っている。マジ天使うちの妹!


「あんた、妹をベッドに連れ込んで正気?」


「いや、気づいたらユイがベッドに……」


「お兄ちゃん……わたしが一緒じゃイヤ?」


「そんな訳がない。いつでも大歓迎だ」


「やった!今日から同じ部屋で同棲しようね♡」


「よし、理解した。元凶はユイ!あなたね!」


「そうですよ?でも妹が兄と一緒に寝て問題あります?ミキちゃん??」


(やばい、超美少女ミキも怒るとみたいになるのか!!!)


「ちょっと、待って頂戴。ユイ、あなた性格変わってないかしら?」


「わたし、変わってないですよ?ただ、我慢するのをやめただけですよ?」


「OK、2人で話し合う必要がありそうね。ちょっと私の部屋に行きましょう。タカ!あなたはさっさと着替えて支度でもしてなさい。もうすぐお呼びがかかるでしょうから」


「わ、分かった」


「じゃあ、お兄ちゃんあとでね〜」



 うん、ハーレム主人公みたいなイベントだったが、部外者として見てる分にはいいが、体験するのは体に悪いな。さて、支度するか。


 朝食のあとにでも、今後について王から話しがあるだろう。


 だが、俺はこの時まだ知らなかった。

 鷲宮が行方不明になっており、大騒ぎになっていたことに。



―――――――――――――――

【補足】お互いの名前の呼び方が変更される経緯を説明します。

1.ステータス確認後に自分の力を前向きに捉えている

2.お互いに上記「1」を満たしている

3.お互いに認め合う間柄であること

以上を満たすと、日本語読み(漢字)から異世界ヴァナリー読みのカナ呼びに変わります。

「3」を満たさないので、タカトとハヤトはお互いを日本名で呼び合ってました。

ユウキ、イズミ、キョウコは1章の最後で「1」を満たします。

―――――――――――――――

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