第15話 それぞれの想い②

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 ちょっと長くなったので分割。

 たまに今後も他キャラ視点入れると思います。

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 side:イズミ・ヒカワ


 私は、部屋で今日の一日を振り返る。


 クラスメイトがおかしい。これに尽きる。特に宮本君が一番おかしいらしい。この国の王様がビビッていた。それは見事に。急に言葉使いも変わったし、明らかに持て余しているように思う。妹さんも彼の幼なじみの成神さんもおかしい。そもそも成神さんは、称号がだったんだけど。変な文字化けしてたけど。


 それに比べたら私は普通だ。


【称号】《賢者見習い》

【加護】《賢者の英知【見習い】》

【スキル】《賢者魔法》


 うん、いいのだ。私は悪目立ちしたくないので、このくらいで良い。でもね、十分に強いと思う。だって、ステータスを認識してから、自分で様々な魔法が使えるのが分かるのだ。詠唱破棄もできる。使い方が分かっているのだ。もしかして、私は……天才なのだろうか?

 でも、見習いは何かイヤだな。なんか、中途半端感があるのだ。基本的に中途半端は嫌いだ。良し!早く見習いを卒業しよう!


 しかし、異世界か……

 私は読書が好きなので、ジャンル問わず色々読む。ラノベも結構読む方なので、異世界モノも読んだりする。まさか、自分がその立場になるとは思わなかったけどね。

 でも、この世界なら少しは自分を出しても良いのだろうか?これまでは、いわゆる優等生を演じてきたきらいがある。イヤなわけではない。でも確かに演じていた部分はあるのだ。この世界なら、品行方正な委員長を卒業しても良いのではないか?そう考えている。


 良し!まずは明日から皆の呼び方を変えてみよう。つまらない私とはおさらばするぞ!イズミ!


 お母さん、お父さん、いずれ帰ってみせるよ。この世界で私は、いやイズミは、成り上がることにする。イズミは賢者らしい。つまりいずれ大賢者に至り、大魔法を極めるのだ。そうなればきっと転移だってできる。もしかしたら成神さん……いや、ミキちゃんのように女神にすらなれるかもしれない。ミキちゃん、タカトくんを盗ってしまったら、ゴメンなさい!!いまのうちに謝っておくわ。


 イズミの妄想は止まらない……もう、誰も彼女を止められないのだ。


 異世界に来て一番変貌を遂げるのは、イズミ・ヒカワかもしれない。



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 side:キョウコ・センゴク


 あたしは、部屋で今日の一日を振り返る。


 おかしい今日も普通通りの日常を過ごすはずだった。それがどうだ?異世界だと?おいおいっ。あたしは2〇歳超えの大人のオンナだぞ?間違ってるだろ?こうゆうのはさ、少年&少女じゃないのか?あたしみたいな成熟した大人のお姉さんが異世界っていいのか??いや、あたしのかわいい生徒たちだけが、異世界に転移するなんてことは許容はできない。だから、あたしごと転移っての結果的には良いのだが……


 しかし、やはりアレだよな?クソ理事長の手紙。アレが原因だよな?だってさ、薄っすらとだが、召喚された部屋の魔法陣とさ、手紙に書かれていた図形……いま思えばさ、同じだった気がするんだよ。


 アレが原因だと、あたしにも責任あるよな?クソッ、先に見ておけば良かった。他のクラスの連中は大丈夫だったのだろうか?気になるのは宮本の妹までが、こちらに一緒に来ていたことだ。つまり他の生徒や教師もあたしたちと違う場所に呼び出されてるとかないのか?


 うーん、モヤモヤする。考えても分からんから、余計にイライラする!イライラと言えばあたしのステータス、アレはなんだ?


【称号】《女王》

【加護】《女王の威光》

【スキル】《気功》《体術》


 女王はいい。あたしにピッタリだからな。これは味方に女性がいると私自身の能力向上効果があるらしい。しかし、気功か。いや、使い方は何となく分かるんだよ。このステータスを見た時に理解できた。自分が何が出来るのかを。ただ効果があたしの好きなアニメや漫画でよく使われる技を踏襲している。


 あたしはアニメやゲームが好きだ。休みの日はよく家で視てるし、ゲームもやる方だ。なんで、この国の連中が言っていたには、該当するんだろうさ。


 でも、嗜好が能力にも影響が出るのか?あたしの好きな作品やキャラの影響を受けている気がする。これはやばいな、あたしの能力がまさか、が元になったかもと知れたら、絶世の美女教師であるの威厳が……


 キョウコは夜通しで悶絶する……そして、部屋から少し威圧が漏れていたようで、通りがかりのメイドが震えていたのは別の話だ。



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 side:ハヤト・ワシミヤ


 ……許さない。僕をバカにする全ての奴等が。


 僕が最強だ、最強なんだ。最強じゃないと駄目なんだ。


 知ってるぞ、この世界には魔王がいて僕に倒して欲しんだろ?


 分かってるんだ。でも……


 おまえ達の好きにはならんぞ。僕は最強に至るんだ……


 でも俺を認めるヤツもいた。ヤツの言葉に乗った途端に……


 ほらな?だって俺、さっきより強くなってるじゃないか。ククク……このステータスの変化……やはり僕こそが選ばれし者なんだよ。



 ハヤト・ワシミヤは、この日姿を消した。


 部屋の前にいたはずの監視の兵も装備を残して、と姿を消していた。




 第1章 END


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