第14話 それぞれの想い
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登場人物同士の呼び方がいつの間にか一部カナ表記です。
これはステータス確認後以降より一部の人間関係でこうなっています。
誤字ではなく意図的でございます。
日本にいる時から変更ない人もいますけど。
※本日20時に分割した15話を追加投稿します。
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side:ミキ・ナルカミ
タカと鷲宮の闘いのあと、私たちは食事と入浴を済ませて、各自に割り当てられた部屋で寛いでいる。今日1日あったことを思い返す。はっきり言ってやばい。これは映画か?いやどちらかと言うと漫画かアニメ、ゲームのような展開だ。
正直、一人なら耐えられなかっただろう。大切な幼なじみのタカト。そして妹のような存在のユイ。この二人がいたから耐えられた。そして、何故か不安もなかった。
あと、ステータスを見て驚いた。そして納得が言った気がした。
【称号】《**女神(封印)》
もう、何となく分かる。ステータスを見た瞬間に理解してしまった。私はたぶん女神の関係者だ。そして何故かタカと深い絆があるのを感じる。まあ、タカは私の旦那になるので絆があって当たり前なのだが。
この称号の最大の特徴は、やはり《女神魔法》だろう。これは明らかに通常の魔法とは別物だ。ちなみにスキルの《奇跡(封印)》は、女神の解放によって使えるようになるらしい。楽しみだ。
【加護】《女神の姉妹愛》
効果的にはタカの加護と似たようなものらしい。
しかし、この加護の名前に納得がいく。この世界に来てから私にはいないはずの姉妹がいる。そう感じるのだ。私は一人っ子である。あぁ、義理の妹ならいるけどね、ユイちゃんだ。なのに私には本当の姉妹がこの世界にいる。その感覚がはっきり分かるのだ。あぁ、きっと他の女神が姉妹なのかしら?どうせそうなのでしょう。
そして、確信がある。姉妹もタカを狙っている。つまり
さて、疲れたし今日はもう休もう。不安はない。この先に何が起こってもタカにユイがいる。私は一人ではないのだから。
あぁ、でも日本にいる両親にはまた会いたいなぁ。
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side:ユイ・ミヤモト
今は自分に用意された部屋のベッドで寝転んでいる。わたしはお兄ちゃんと同じ部屋でいいと言ったのだが、頑なに一人部屋にされていた。許すまじこの国の大臣!
最初は不安だった。それはそうだ。召喚?イミフだっての。教室で突然先生の手に持つ手紙のようなものが光輝いた。そして何故か私に向かって光が伸びてきたのだ。そしてわたしは光に包まれて、気を失った。
気づけば異世界だ。なんなの?しかもクラスでこの場にいるのはわたしだけ。まあ、それはいい。お兄ちゃんと一緒だし、ミキちゃんもいる。ママとついでにパパともう会えないかもしれないと考えると、少し落ち着かない気分になるが、お兄ちゃんとミキちゃんがわたしにはいる。
しかし、お兄ちゃんに借りたラノベみたいな展開だ。
【称号】《女神の巫女》
【加護】《女神の友情》
このステータスとやらを見た時になんぞこれ?と思った。だって《女神の巫女》って。加護は《女神の友情》?私は女神様の関係者ですか?でも、ミキちゃんのステータスを見て分かった。あぁ、ミキちゃん女神なのか?もしかしてそれでこの称号と加護?
ちなみに巫女の力は、スキルの《神降し(封印)》これだろう。女神様が解放されると使い方が分かるらしい。でも、既に使える《女神魔法》は、わたし向きと言えよう。イメージを魔法として具現化とかムネアツである!
加護に関しては、お兄ちゃんの加護と同じような効果らしい。つまり加護の効果は、あまり変わらないけど、それぞれの関係性で名称が異なるんだろう。
そして、お兄ちゃんだ。《女神の使徒》に《女神の寵愛》。これも何?と思った。そして、お兄ちゃんの称号を見たこの国の人たちが、震え上がる様を見た。普通、ミキちゃんの女神の方がヤバくない?と思ったが、ヤバいのは使徒らしい。さすがはお兄ちゃん。わたしのお兄ちゃんパないね!
だけど、使徒より気になるのが加護の寵愛だ。ミキちゃんは大好きだ。でもお兄ちゃんを渡すとは一言も言っていない。ここは異世界だ。ぶっちゃけ血の繋がった兄妹でもアリではないか?わたしは召喚された時から考えていた。ここは日本ではないのだ。神がわたしにチャンスを与えたのだ。
さて、疲れたし今日はもう休もう。不安はない。この先に何が起こってもお兄ちゃんとミキちゃんがいる。わたしは一人ではないのだから。
あぁ、でも日本にいるママにはまた会いたいなぁ。
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side:ユウキ・スドウ
【称号】《勇者見習い》
【加護】《勇者の力【見習い】》
部屋で寛ぎながら、自分のステータスのことを考える。見習いか……つまり力をつければ見習いは取れるのだろう。俺が勇者見習いで、鷲宮は勇者か。でも正直本当にそうか?と考えている。
思い出すのは、召喚のきっかけになった。あの教室のできごと。響子先生の持つ手紙から伸びた光が、タカに伸びたあの光景。タカは何かの力であの光を弾いたように見えた。そして、その光を受けたのが鷲宮。あの光に当たったことで、鷲宮は勇者になったのではないか?俺はそう考えている。
あの光は、何かしらの潜在能力を異世界で開花させるきっかけではないか?そしてあの光が異世界召喚に繋がる道しるべになったのではないか?俺は考えている。もう確認のしようがないが……
少なくとも鷲宮は勇者に相応しくない。俺はそう考えているのだ。だから俺は力をつけて見習いを脱却しようと思うのだ。実は俺も異世界ものライトノベルが大好物である。親友のタカもラノベ好きなので、よく二人して話をしていたものだ。
せっかく異世界に来たのだ。俺もチヤホヤされたいではないか。親友が《女神の使徒》という王様もビビるような称号を持っている。俺も親友に負けないよう力をつけてこの異世界で何かやりたい。
さすがにもう野球はもうできないだろう。ならば野球への情熱は全て勇者道に切り替えて全力投球だ!
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