第13話 闇の女神と夢の中で

「タカト……タカト……」


「ん……、あと10分……」


「いや、起きないで良いですよ?だって夢の中で話をしたいんだからね」


「ん?……あ、闇の女神の!」


「フフ、そうですよ。クロムですわ。お久しぶり……でもないですわね」


「あー前回はどうも。いやぁ、何か大変だったよ。いろいろとさ」


「見てましたわよ。あの大立ち回りもね」


「ちょうど良かったよ。聞きたいことがたくさんあるんだ。まず……」


「あー。お待ちになって。質問に答えるにはちょっと制限を受けてるので、いまは難しいわね。だから、2つくらいかしらね。かろうじて答えることができるのも」


「2つか……よし、まずは1つ目の質問だ。

光の女神と俺は何処で会ったんだ?何故俺は、既に光の女神の使徒なんだ?」


「うーん、際どいわね。2つ聞かれてるような感じあるけど、答えの返し方次第ではいけるか」


「では、答えるわ。光の女神とあなたはずっと一緒にいたでしょ?力を封じられた状態だけどね。あの子から認められてるからこそ、あなたはあの子の使徒としての力を持っているのよ」


「あーミキか。なるほどね」


「早っ!もうちょっと悩みなさいよ。え?誰??みたいにさ」


「いやぁ、ヒントあったしなぁ~あと、何かさ、繋がりみたいなもの?ずっと感じてたんだよ。で、ミキには言っても良いの?」


「まあ、言っても良いけど、本人分かんないわよ。封じられたままだもん。記憶も力もね」


「そうか。まあ、どのみち光と闇の女神の解放を優先しようと思ってたから、いずれ解決するだろう」


「あら?私の解放も優先してくれるのね?楽しみにしてるわ。

さあ、あと1つ聞いて良いわよ?」


「では、聞きたい。何故女神は封じられてるんだ?」


「おっ?割と重要なやつきたわね。うーん、これ話すにはちょっと制限きついので少しはしょるわ。

まず女神として封じられたのは、自分たちの意志よ。誰かに封じられたわけじゃない。自ら封じられる必要があった。この世界を守るためにね。そして、いまは解放をお願いしたいの。これにも事情があるんだけど、私とミキの封印が解放されたら話せると思うわ。

一応、封じられているけど、世界には私達の力が届いていない訳じゃないわ。

ちゃんと、それぞれが司る力は一定この世界でも感じられるはず。だから、信徒の子である女神教の皆も、私たちが消えたとは思ってないはずよ。稀にではあるけど神託も出すことあるしね」


「なるほど。了解した。じゃあ、予定通りに光と闇の女神解放を目指すよ」


「あら?簡単に信用していいの?」


「あぁ、問題ない。俺が女神を解放することで、仮に騙されていて、世界の破滅に手を貸していたとしても。俺は女神を信じている。俺の魂が女神を信じている。そしてこれは俺の意志だ。女神にそう思わされてるとかじゃない俺の意志だ。だから、俺は


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(ちょっとこれ以上、私を籠絡しないで頂戴よ。全く女神垂らしに磨きをかけて、困ったもんだわ。参ったわね、独り占めしたくなるわね。そんなことしたらだけど)


「さてと、そろそろ時間ね。次は私を解放してくれる時かしらね、会えるのも。

今回は無理して会いに来たからね」


「そうか。じゃあ次は解放してからだな。いろいろありがとう。助かったよ」


「ええ、またね。タカト。待ってるわ、あとミキのことよろしくね」



…さて、そろそろ起きる時間かな?


「あ、そうそう、最後に一言だけ。タカトがミキに告白できないのは、私たち女神姉妹ののせいだからね。女神姉妹全解放するまでは解けないから。そのつもりで!

(イライア(ミキ)だけに独り占めなんかさせないわよ)

じゃ、またねタカト!」


マジかよ、女神姉妹の呪いじゃんそれ。



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