第7話 鋭い委員長

「どうかしたか?氷川さん」

委員長に聞き返す。


「宮本君、何か急に雰囲気が変わった気がしたのだけど。何か落ち着いたような気配が変わった?ような感じがして、何かあった?」

眼鏡をキラっとさせる委員長鋭い!


(……記憶が戻ったことで、確かに少し落ち着いたのは事実だが……)


「いや、落ち着いたというよりは、考え事していたというか?」


「そう?何だろう?……宮本君から何というか、

 不思議な雰囲気?気配?……うーん、上手い言葉が見つからないんだけど。とにかく、何か変わった?」

さらに眼鏡を光らせながら、ズズっと近づいてくる委員長。氷川さんもスタイルいいなぁ……


「いや、ちょっと自分では分からないけどな。

 そういえば氷川さんは大丈夫?

 急にこんなことになったけど、思ったより落ち着いてるようだね?」


「あぁ、何か夢かと思ったら、どうも現実みたいだし……もう異世界転移なんだと認めるしかないと思ってね。

 これからのことを考えて行動しようと切り替えたのよ」

胸の下で腕を組み、スタイルの良い胸が強調される。


「すごいわね、なかなかそう簡単には受け入れられない状況なんだけどね」

 ここで光姫が会話に加わる。何だ?ちょっと委員長を牽制してるのか、光姫まで胸の下に腕を組み胸を強調してくる。俺は目を離せない!


「俺は少し楽しみでもある。

 異世界転移なら俺達にもなんかあるかもなぁ」

 祐樹も落ち着いてきたようだ。意外と切り替え早いなこいつ


「皆さん、受け入れるの早すぎでしょ?

 わたしは、お兄ちゃんと光姫ちゃんがいるから、何とか落ち着いてきたとこだけど。

 でも、わたしもあるのかな?それはちょっと楽しみかも!」

 天使(妹)もさっきまで不安そうだったが、少し落ち着いたようだな。


「おまえ達はずいぶん図太いなぁ~

 じゃあ、大人のあたしもしっかりしないとな。

 とりあえず理事長は戻ったら、ブチ殺すの確定だ。これ、アイツの手紙のせいだろ?絶対に」

 響子先生も大丈夫そうだな。

 しかし、この先生近くで見るとエロいよなぁ…


(!!!!光姫と結衣から殺気が!!)


「おいっ、鷲宮!おまえは大丈夫か?

 さっきからニヤニヤしてるようだが、おまえも宮本達の側に来たらどうだ?」


「……」

 響子先生に話しかけられても、鷲宮は反応ないな


「……まあ、良いか。どうせこの後には分かるんだろしな」


(なんか気持ち悪い笑顔で何か言ってるな、鷲宮は)


「俺は考えてたんだ。さっきのファリスだったか?

 あの神官のセリフの意味をな」


「「「「「「?」」」」」」

 鷲宮の言葉に、俺達全員の顔に?が浮かぶ


「分からんか?だからお前たちではないのだ。

 俺が選ばれたということさ。

 まあ、すぐに分かるさ、そろそろ俺達はまた呼ばれるんだろう?あいつらに」


 コンコンコン

 扉を叩く音が聞こえる。


「失礼します。

 勇者候補の皆さん、王と神官長がお呼びです。

 皆さんの才能を『鑑定水晶かんていすいしょう』で確認したいとのことです。

 私たちについてきてください」


 神官長の部下と思われる神官衣を着た2人が、俺達を迎えに来てくれたようだ。


「クッククク……」

 鷲宮が薄く笑っている。気色悪いイケメンだな、まったく



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