第3話 理事長の手紙

「おらぁ!おまえ達、席に着け~」

 美しい声で粗野なセリフと共に教室に入って来たのは、担任の仙石響子せんごくきょうこ先生だ。

 腰まで伸びた少し茶色のかかった長い髪に、暴力的なスタイルを誇る超美人である。典型的な美人女教師である。もちろんエロい。だいぶエロい。


「ん?男子ども!あたしの胸をガン見とはいい度胸だな……?」

 超美人だけど、口調は粗野で少し、いやだいぶ荒いのが響子先生だ。


「男子たち……最低っ」

 氷点下の口調と蔑むような鋭い目線。眼鏡が光る美人女子高生の声が教室に響く。

 名を氷川泉水ひかわいずみ

 眼鏡の美人女子高生。つまり委員長である。長い髪をおさげにしており、スタイルも良い。そして何かあると眼鏡が光るのだ!キラリと。


「おらっ、あたしの胸をこれ以上見ると金取るぞ!

 静まれ!そろそろHRはじめるぞー」

 響子先生の一声でざわついていた教室も静まる。


「さてと、HRを始める前に理事長から手紙を預かっている。

 まあ、中身はあたしも知らないんだけどな、静かに聞けよー」


「ん……なんだ?

 読めんぞ、何だこの文字は???」

 響子先生が首を傾げながら手紙を見ている。


(?……なんだ?この胸騒ぎは)


「先生、その手紙光ってませんか?」

 氷川の一言と共に手紙が輝き、徐々に光が強くなっている。


(まずい!この光はまずい気がするぞ!)

 何故かは分からない。

 この光は!俺の何かが警鐘を鳴らしている。


 俺がやらないといけないこと

 1.あの光る手紙を先生から奪って破いてしまうこと

 2.さっさと逃げる

 3.光姫に告白する


(……ん、3だな)


「光姫っーーーー」

 俺は勢いよく立ち上がり隣に座る光姫に向けて


「?????」

 光姫がビックリした顔でこちらを見ている


「俺は、光姫がぁーーーーー」


 手紙から光が溢れ教室を包んでいく

 そして、光から一条の光が放たれ……


 俺の頭に直撃した。




 ……が、跳ね返した。

 俺の身体を瞬間的に覆った不思議な光が、あの手紙から放たれた強烈な光を跳ね返していた。

 イケ好かないイケメンの鷲宮隼人に。


「!!!!!」

光の中、驚愕に満ちた鷲宮の顔が見える。


 ……そして鷲宮を中心に光が爆発した。


「理事長!!!!いったい、何なんだこれはぁーーーーーーーーーー」

 響子先生の怒声が響き渡る中、光が弾けた。



 そして光が晴れたその教室から数名の生徒と教師が姿を消していた。そして、残された生徒達は意識を失っていた。

 この現象は、2-Cだけではなく、この学校『移封学園いほうがくえん』の一部でも同様の現象が確認されていた。

 そして、数人の生徒と教師の消息が途絶えたのだ。

 その中には、1-Aに所属する『宮本結衣みやもとゆい』の名もあった。

 いずれのクラスでもHR前にが読まれようとしていた事実があったが、事件後誰の記憶にも残ってはいなかった。


 忽然と生徒と教師数名が消えたはずなのに、



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