煮る料理
ょっとゼータク、ひとりすき焼き
じゃ、さっそくお料理始めよっか。まずはねー、すき焼き! ひとりでやるすき焼きって、なんかちょっとゼータク感あるでしょ? お肉ひとり占めできちゃうのって、わくわくしちゃうでしょ? 実際ゼータクだよ! 使うお肉はねー、お腹回り、できれば横腹のところがいいね。赤身と脂身のバランスがちょーどいいから! ここのブロックを牛刀でうすーくスライスして、食べたいだけスライスすればいいよ。
作り方はねー、ものすごーく簡単! まずは長ねぎを斜めに切って、すき焼き鍋、なかったら小さなフライパンでもいいよ! そこに入れて焼き付けるの。お腹回りの脂身を小さくカットして、鍋の上で焼いて脂をしっかり出してから、長ねぎを鍋底に敷き詰めて焼いてくよ。んー……いいにおいがしてきたね! あ、長ねぎはね、太いのを一本使ってね。少ないとなーんか物足りないって感じになっちゃうから。
長ねぎが焼けてぴかーっと光沢がでて、焼き目もいい感じについたら、そこへお肉を半分ぐらいばさーってひろげてのせちゃう。そんで、砂糖をパパッと肉の上にふりかけて、醤油とお酒をいれて全体がぐつぐつしてきたらオッケー! お肉とねぎに卵をつけて食べちゃおう! すき焼きってねぎもたくさん食べられるから体にいいんだよねー。食べてるうちにお肉とねぎが少なくなってきちゃったら、お豆腐、白たきに追加のお肉をくわえて煮込んで第二ラウンドだー!
すき焼き
材料(1人分)
横腹の薄切り肉 300g
お腹の脂身 適量
長ねぎ 1本
白たき 1袋
焼き豆腐 1/2丁
〔調味料〕
砂糖 大さじ2
醤油 大さじ2
日本酒 大さじ5
卵 1個
作り方
① 長ねぎは斜めに1cm幅に切る。白滝は洗って食べやすい大きさに切る。焼き豆腐は4等分に切る。
② 鍋に脂身をいれ、脂が鍋底全体になじんだら、長ねぎを加え、強火で焼き付ける。長ねぎの香りが立ち、焼き目がついたら平らにならし、肉を広げながら乗せる。肉の色が変わらないうちに砂糖をふりかける。
③ 醤油、日本酒を加える。火が通った肉から長ねぎと一緒に卵をつけて食べる。途中で、白たき、焼き豆腐、追加の肉を加えて中火で煮ながら食べる。汁が少なくなってきたら追加で醤油、日本酒を加える。
心臓まるごと、クール・ブレゼ(心臓の蒸し煮)
子供の心臓ってちっちゃいよねー。こんなにちっちゃいとハツ刺しじゃ物足りない。焼くとさらにちぢんじゃう。じゃ、どーすればいーのって思うでしょ? 答えは簡単! 蒸し煮にしちゃえばいーの! まず、冷蔵庫から心臓を出して常温に戻してね。これをやるとやらないとじゃ、味がガラリと変わっちゃうから不思議だよねー。冷たい心臓って、煮ても味が染みないんだもん。で、その間にひき肉、ひき肉はお腹の下側のお肉を使ってね! 脂身が多めで詰め物にぴったりだから! それと玉ねぎ、セロリ、パセリにニンジンのみじん切りをオリーブオイルをひいたフライパンでじゃっじゃっと炒めて塩コショウ。ひき肉は全部を炒めないで、3分の1は生のまま残しておいてね。炒めたのは別のボウルに移して粗熱をとる。ここで心臓に取り掛かるよ! まず、心臓を縦に割くんだけど、完全に真っ二つにならないように注意してね。ペティナイフを使うとやりやすいかなー。んで、ていねいに冷水で洗って中のぬめりが取れたらオッケー。炒めたのと生のを混ぜあわせて、心臓に詰めて、タコ糸でぎゅぎゅっと縛っちゃおう! そしたら、お鍋にブイヨンをいれて、塩コショウをパパッとやって、心臓をいれたら弱火でゆっくり2時間……なーんて、待ってられないよねー。ブイヨンを心臓にひとさじまわしかけて、ラップにくるんで1分チンしてからお鍋にいれて、弱めの中火で20分煮込んだらオッケー! 手抜きだけど、このやり方、フランスのお友達に教えてもらったから一応本式だと思うよ!
クール・ブレゼ(心臓の蒸し煮)
材料(1人分)
子供の心臓 1個
下腹部のひき肉 50g
玉ねぎ 1/4個
セロリ 1/4本
ニンジン 1/4本
パセリ(生) 1本
〔調味料〕
チキンブイヨン 1カップ
オリーブオイル 大さじ1
塩コショウ 適量
作り方
① 心臓はあらかじめ冷蔵庫から出しておき、常温に戻す。玉ねぎ、セロリ、ニンジン、パセリをみじん切りにする。
② フライパンにオリーブオイルをひき、みじん切りにした野菜、ひき肉の2/3を中火で炒める。ひき肉に火が通ったらボウルに移し、粗熱をとる。
③ 心臓にペティナイフで切り込みをいれ、冷水で中をていねいに洗う。粗熱のとれた②と生のひき肉を混ぜ合わせ、心臓に詰めてタコ糸で縛る。
④ ③にブイヨンをスプーンひとさじ回しかけ、ラップで包み、600Wのレンジで1分加熱する。鍋に加熱した③、ブイヨン、塩コショウを加え、弱めの中火で20分煮込む
林ちゃんのハヤシライス
今回のお料理で一番作りたかったのはハヤシライスなんだよねー。実はお肉にした子の名前がなんと林ちゃん! あの家で撤収してる時にランドセルを見たら名前が書いてあってねー。これは絶対にハヤシライスにしなきゃって思ったわけよ。林ちゃんのハヤシライスなんてめったに食べられないよ! イヒヒ!
作るのは、ハッシュドビーフ的ハヤシライスじゃなくて、あっさりした洋食のハヤシライス。玉ねぎ、お肉、ウスターソースとケチャップ、トマトジュースに固形のブイヨンだけで作れちゃう。お肉はねー、腿のお肉を薄く削ぎ落としたのを使うよ。脂身が少ない部位を使うとおいしく作れるよ! まずは、玉ねぎを縦二つに切って、薄い輪切りにしていくよ。こーやって切ると、煮込んだ時にとろーっとしておいしいからね。サラダ油をひいた鍋でざーっと炒めて、表面が少し透き通ったら指の甲でちょんと触ってアチッって感じだったらオッケー。お肉を入れて、ざざっと炒める。肉の色がちょっとかわったなーってなったら、小麦粉を入れて底をすくうようにかき混ぜて全体になじませる。そしたら一回火を止めて、水をじゃーっと入れる。こうするとダマになってた小麦粉がキレーに溶けてくれるよ! そしたらもう一回火をつけて、固形ブイヨン、ケチャップ、ウスターソース、トマトジュース、あとは醤油をほんのちょっぴり入れてコトコト30分煮込めば完成! 作ってすぐに食べてもいいけど、一晩寝かすと、もっとおいしいよ! らっきょうがあればさらにオイシイね!
ハヤシライス(林ちゃん入り)
材料(2人分)
玉ねぎ 1個
腿肉削ぎ落とし 200g
〔調味料〕
サラダ油 大さじ1
小麦粉 大さじ2
水 1カップ
ケチャップ 大さじ2
固形ブイヨン 1個
トマトジュース 1カップ
醤油 小さじ1
作り方
① 玉ねぎを縦二つに切って、繊維を断ち切るように1cm幅に切る。腿肉の削ぎ落しは食べやすい長さに切る。鍋にサラダ油をひき、強めの中火で玉ねぎの表面が透き通るようになるまで炒める。
② 肉を加え、色が少し変わるまで炒める。小麦粉をふりかけて、全体をかき混ぜてなじませる。弱めの中火に火を落として2~3分炒めて、小麦粉がダマになったら火を止めて水を加える。
③ 再び火を付けて、Aを加えて中火で20~30分煮込む。仕上げに醤油を加えて完成。ご飯を皿に盛り、上からハヤシをかけ、あればらっきょうも乗せる。
野菜たっぷり罪悪感ナシ! 白モツのトマト煮
モツって日持ちしないのになーんでモツって言うんだろーね? ただーし、それは生のままで放置しておいた場合の話。ちゃーんと下茹でしておけば、冷凍で1か月から3か月は持つよ! 下茹では簡単! 白モツ……胃に大腸、小腸、それとコブクロ! これを全部ぶつ切りにしてー、たっぷりの塩で揉んで、大きな鍋にたっぷりの水を張って沸かして、沸騰したらモツを入れて20分茹でたら笊にあげて、冷水でじゃぶじゃぶっと洗ったらオッケー! まだちょっとクサいなーって感じだったら、もう一回! 後はタッパーに小分けして冷凍してね。それと、モツを料理する時にぜったいに必要なのが野菜! いっしょに煮込むと、野菜の甘味がモツに染みこんで、たまんない味になるよ。トマト、キャベツ、セロリ、エシャロットに玉ねぎ、にんにく、あとは……大根! えーって顔しない! お肉ばっかりじゃ体に良くないでしょ。まずは、鍋にモツと水を入れて茹でている間に、トマト、キャベツ、大根は一口サイズ、あとの野菜はみじん切り、エシャロットと玉ねぎは香りが立つまで弱火でじっくり炒めてね。モツがやわらかくなってたら、野菜を全部とタイム、ローリエ、オレガノを入れて、塩コショウで味を調えながら鍋に蓋して弱火で1時間煮込んでね。そしたら、大きなバスタオル2枚で鍋を包んじゃう! 3時間ぐらい放置して、タオルを外して粗熱が取れてたら、食べられるけど、さらに一晩寝かすともっとおいしくなるよ! もんのすごい量が作れちゃうけど、冷凍保存すれば大丈夫!
白モツのトマト煮
材料(2人分)
白モツ(下茹で)400g
セロリ 1本
キャベツ 1/2玉
エシャロット 1個
玉ねぎ 1個
トマト 4個
大根 1/2本
水 3カップ
〔調味料〕
タイム(生) 4枝
ローリエ 2枚
オレガノ 大さじ1
オリーブオイル 大さじ1
塩コショウ 適量
作り方
① 大きな鍋に水を入れ沸騰させる。白モツを加え、やわらかくなるまで弱火で30分煮込む。その間にキャベツ、トマト、大根を一口サイズに切り、セロリ、エシャロット、玉ねぎはみじん切りにする。エシャロット、玉ねぎはオリーブオイルをひいたフライパンで香りが立つまで弱火で炒める。
② 鍋に野菜をすべて加え、塩コショウで味を調えながら、弱火で1時間煮込む。
③ 火を止め、大きめのバスタオル2枚で鍋を包み、3時間放置する。そのまま一晩寝かせても良い。
脳(セルヴェル)のレモンあえ
脳みそって食べたことあるよって人、あんまりいないと思うんだよねー。ほら、クール―病とかそういうのあるしねー。でもね、脳みそって一度食べると、もー病みつきなの! トロトロのふわふわでうひょーって感じの味でね……お腹すいてきちゃった。ちゃちゃっと作っちゃおう! まずは脳みそを一口サイズにカットしていくよ。使うのは大脳と小脳部分だねー。脳幹は固いからミンチの具に使うのがグー。カットした脳みそはぬるま湯で洗って、うす皮と血管をとって、お酢を加えた冷水に1時間ひたして血ぬきをしてね。これをやっておくと生臭さがしっかりとれるよ! その間に、ショウガをすりおろして、生のセージとタイムをきざんでおくよ。そしたら鍋に水をはって、固形ブイヨンを加えてひと煮立ちさせてね。血ぬきがすんだら、ブイヨンに脳みそ、ショウガ、セージ、タイムを入れて30分中火で茹でてね!
さーて、煮えたかなー。脳みそを一切れ取りだして、菜箸の先っぽを突きさして抜く。そのまま先っぽを手の甲にあてて熱かったらオッケー! 笊にあげて水気を切って、ボウルに移して、レモン汁、きざんだ生バジル、塩、あらびきの黒コショウ、溶かしバターを加えてまぜて、全体になじませたら完成! そのまま食べてもいいし、薄切りのバケットに乗せてパクリと食べてもいいよ! 白ワインとの相性バツグンで、めっちゃ進むよ!
脳(セルヴェル)のレモンあえ
材料(2人分)
脳みそ 1個
水 3カップ
酢 大さじ4
水 4カップ
〔調味料〕
固形ブイヨン 1個
ショウガ 15g
タイム(生) 1枝
セージ(生) 1枝
レモン汁 中さじ1
バジル(生) 1枝
バター 大さじ1
塩 適量
黒コショウ 適量
(あらびき)
作り方
① 脳みその大脳と小脳部分をを一口サイズにカットする。ぬるま湯で洗い、うす皮と血管を取り除く。Aをボウルに入れ、脳みそを1時間ひたす。
② ショウガをすりおろし、タイム、セージを細かくきざむ。
③ 鍋に水をはり、固形ブイヨンを加え、ひと煮立ちさせる。脳みそと②を鍋に加え、中火で30分茹でるその間に、バジルをきざみ、バターを湯煎で溶かしておく。
番のゴチソウ! ブイヨンスープ
アタシはブイヨンスープがだーいすきでね。アタシが作る料理で、一番のゴチソウだって胸張って宣言できるね! 肉じゃないのって思うかも知れないけど、こればっかりはゆずれないよ。その子からとったスープを飲むってことは、その子を知るってことだからね。アタシはお肉にする子とあんまりというか、ぜーんぜんお話しないの。話してるヒマがあったら、さっさと〆て解体したいからねー。だから、その子がどういう人生を送ってきたのか分かんないの! けどね、スープにすればその子のことが分かっちゃう。スープってのはね、命そのものって言っていいよね。お肉になる前のその子が何を食べて、どうやって生活していたのか、その子の生きた証が味に出るの! 煙草の香りがしたり、フライドポテトの香りがしたり、酔っ払いを煮込むとすっごく芳醇なスープがとれたりするね! で、作り方なんだけど、ものすごーく簡単。使うのは細かく砕いた背骨やあばら骨、指とかアキレス腱周りの固いスジを鍋にいれて、たっぷりの水と玉ねぎ、セロリ、ニンジン、パセリ、それに塩と粒コショウを加えて強火でガーッと煮ていくよ! 湧いたらアクをとって、弱火にして30~40分煮込んで、味見をしてうひょーって感じに味が出てたらオッケー! きれいな布かキッチンペーパーを中にしいたザルでスープを濾したら完成! たくさん作って、冷凍庫で凍らせて、だしキューブにしたりしておくと便利だよ!
子供のブイヨンスープ
材料
子供の骨 300g(背骨、あばら骨)
子供のくず肉 100g(指、アキレス腱等)
玉ねぎ 1個
セロリ 1本
ニンジン 1本
水 4カップ
〔調味料〕
パセリ(生) 1枝
黒粒コショウ 6粒
塩 適量
作り方
① 骨は細かく砕き、肉は包丁で細かく叩く。玉ねぎは4つ割り、セロリとニンジンは3cm程の角切りにする。パセリは細かくきざむ。
② 鍋に①、水、黒粒コショウを加え、強火で沸騰するまで煮る。
③ 沸騰したら弱火にして、アクを取りながら塩で味を調え、30~40分ほど煮込む。
④ ボウルに清潔な布もしくはキッチンペーパーをしいたザルを乗せ、③を流し込み濾す。
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