第十三話 ★
一応宣言通り、残酷な描写あり。長くなるので、区切ります。今日はもう一話投稿します。
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狂気の歯車は音を立てて止まる。そう、ここが分岐点だからだ。運命に打ち勝てば動くことはない。しかし、負けてしまえばまた進み始める。元の速さよりもずっと早く。だから止めなければいけない。そう、止めなければ.....
【sideあいり】
赤く照らされた建物や道路。頭上を見上げれば暗く、地平の彼方を見ればまだほんの少し明るい。それは幻想的で、いつまでも見ていたいように錯覚するほど。
私はみんなで勉強会をした後、100円ショップに足を運んでいた。ノートを切らしてしまったためだ。別に休日に買えばいいと思った。だってめんどくさいんだもん。でも気がついてしまった。『あ、明日もある教科じゃん』ってね。だからこうして足を運んだわけ。
「んー、どれにしよっかな〜」
私は人差し指で順に触れながらどれにしようか考える。ピンクのノートも可愛くて捨てがたい。でも水色も綺麗だし。
「んー」
それから数秒、私は水色のノートを手に取ってレジに向かった。
★
外に出ると、辺りは一面暗くなっていた。そりゃ、そうだ。夏に近づいてるからといって、まだ夏ではないのだから。日が落ちるのもだんだん遅くはなってる。でもまだ真夏ほど日は長くない。
私は暗くなったから、少し早足で自宅へ帰ろうとする。
ピロリン♪
すると、ポケットに入ってあったスマホから通知を知らせる音が鳴り響く。
私はそれを確認するため、スマホを手に取る。
「?」
通知はメッセージアプリからだった。LinEと呼ばれるそのアプリは、全国でも飛躍的に使われているメッセージアプリである。昔まではメールのやり取りが一般的だったのに対し、現在はこのアプリを通じて連絡することが多い。なんせこのアプリは無料で通話できるのだから。私のようなピチピチの現役女子高生にはすごくピッタリなのだ。
話が逸れてしまったが、その通知には
『???が、写真を送信しました』と、表示されていた。
「えーっと、???さんって誰だろ。こんな人登録した覚えないんだけど」
私はその人の連絡画面を表示する。
「!?」
まず目に入ったのは写真。それもそのはず、そこには写真しか送られていなかったのだから。だが、その送られてきた写真が問題だった。それは思わず口を覆ってしまいたくなるような写真。
「これは、ひどい」
私の顔から表情が急激に失われていくのが自分でもわかる。
そこにはカバンの中に敷き詰められた人の遺体。そのままでは人はカバンの中に入れることはできない。じゃあどうするのか?そんなの簡単だ。小さくしてしまえばいい。そう、バラバラに。四肢は当然の如く切断され、人だとわかる程度に切り刻まれていた。カバンの中はそれはもう地獄だと言っても過言ではない。いや、地獄そのものがそこには映っていた。そして、バラバラの遺体の上には翠色の勾玉のストラップがちょこんと置かれていた。そのストラップにはものすごく見覚えがあった。
「これ、私が桜玖にあげたやつ...」
あれはいつだったか、結構前にお揃いで一緒に買ったストラップ。桜玖は大事そうに自分のカバンにつけていたのを覚えている。私も学校に持って行くカバンにつけた。これが何を意味するのか、私は最悪の事態を想像してしまった。この遺体は桜玖のもの?と。じっとしていられず、私はすぐに桜玖に電話をかける。
プルルルル
プルルルル
しかし、一向に出る気配はない。
「まさか、本当に桜玖が!?」
これが桜玖だったとしてもどうしようもない。だって居場所がわからないのだから。もしかしたらまだ学校にいるのかもしれない。でもそれは考えられない。だって私が帰ると言った時点で、他の数人も帰る支度をしていた覚えがあるからだ。それならみんな一緒に出てきているはず。
ピロリン♪
そこでまた???からメッセージ、いや、地図が送られてくる。一箇所だけ赤丸がつけられていた。ここからそう遠くない場所だ。
「行かなきゃ、自分の目で確かめなきゃ!」
私は全力でそこまで走って行く。風を切り、地面を強く踏みつける。息が切れても関係ない。
「桜玖が、いなくなるなんて、絶対、いや!」
私は自分を鼓舞する様に叫ぶ。
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