第16話 悠志side
自由時間が終わって食堂に行くと、テーブルに豪華なステーキと、コーンポタージュ、ライスがあった。
はっきり言って、めっちゃくちゃ美味そう。
早く食べたいなー。待つのめんどくさいな~。
……そうだ!
「皆!僕達は、好きにもうしていいんだから、早く暖かいうちに食べちゃおうか!」
「「「「「さんせーい」」」」」
「も~勇志くんたら~、めっちゃいい案それ~」
出た、気持ち悪い女。
「はは、ありがとう。」
「「「「「「「いただきマース」」」」」」」
皆が食べ始める。
もぐもぐ え?何これ?ウッマ。
「おおっ!ウッマ!!ご飯も久々って感じる……」
「ははっ、それな」
「お肉美味し~」
「スープも濃厚!」
「「「美味し~」」」
はぁ~如月さんの手料理……身に染みる……
何やら入口付近が騒がしくなってきた。
「な?!何故我らが来る前に先に食事をしているのだ!」
王様だった。まぁ、そりゃーそうか。だが、如月さんの料理を冷ますなんて言う選択肢は、無い!
「宰相さんから聞いてませんか?」
「ぬ?あ、あれか!先程宰相から聞いた。いや、あれは無効だ!我らが居ない時にそんなもの勝手にやられてもダメだ!!」
はぁ?何言ってんだ?コイツ。
「ですが、宰相は、自分から契約書を書いて渡してきたのだから、無効と言っても無理ですよ。」
「ちっ!往生際が悪い。まぁ、それは、食べ終わってからにしよう。おい、我らの分を……」
そう言って王様は、近くのメイドさんに言う。
俺達が気にせずに食事をしていると、またもや王様が騒ぎ出す。
「何故勇者様方と違う料理なんだ?!」
は~面倒くさっ!俺は今如月さんの手料理を食べてんだよっ!邪魔すんな!
「契約内容ちゃんと見ましたか?聞きましたか?僕達は、この世界の料理があまり美味しく感じないんです。なので僕らの中から料理をして皆に振舞ってくれてるんです。」
「な!?では、我らにも同じものを!」
「あ~……それは、聞いてみないと分かりませんね。如月さん!後3人分同じの出せる?」
食べさす気は、全然ないけど一応な?
「ム、ムリだよ……魔力ほとんどなくなっちゃったから、今回復中だし……とにかくまた、使うのなんて、ムリ……」
魔力?
「何で料理するのに魔力使うんだい?」
「材料を、魔力で出してるから……この世界に日本と、同じもの少ないんだよ。だから、全部私が用意したんだよ。」
おぉ~如月さん凄い!
あんな余り物のスキルをこんな風に使えるなんて……
それにナイッス!出さなくていいね!これは。
「なるほど……そういう事ですのでムリですね。」
「な、我の命令に逆らう気か?」
「そもそも、その気なら僕達この世界救わなくても別に良いんですよ?はっきり言って。だけど、助けを求めるから仕方なくって感じなのに……ねえ?皆!」
「「「「「「「「(コクコク)」」」」」」」」
そもそも、如月さんがいる今、世界なんてどうでもいいんだけどねw。
「キサラギ……」(ボソッ)
あ”?今同類の気配したぞ?
……あの王様の後ろにいる、王子みたいなやつだな……如月さんを見てめっちゃ笑ってる。
「くっ、仕方ない……まぁ、取り敢えずは、この話明日にさせて頂こう。」
「分かりました。」
明日も食わせるわけねーだろっ!
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