第14話 うわ、あいつ王子だったのかよ……
私は、スキルに感動しながら食べていると何やら入口付近が騒がしくなってきた。
「な?!何故我らが来る前に先に食事をしているのだ!」
王様だった。そりゃー怒るわな……まぁ、ここからは見えないから、どうなっているのかは、分からんけどね。
するとユウシがその答えを言う。
「宰相さんから聞いてませんか?」
「ぬ?あ、あれか!先程宰相から聞いた。いや、あれは無効だ!我らが居ない時にそんなもの勝手にやられてもダメだ!!」
「ですが、宰相は、自分から契約書を書いて渡してきたのだから、無効と言っても無理ですよ。」
「ちっ!往生際が悪い。まぁ、それは、食べ終わってからにしよう。おい、我らの分を……」
そう言って王様は、近くのメイドさんに言う。
私達が気にせずに食事をしていると、またもや王様が騒ぎ出す。
「何故勇者様方と違う料理なんだ?!」
あ~……これはめんどくさい事になりそうな予感。
その問にもユウシが答える。
「契約内容ちゃんと見ましたか?聞きましたか?僕達は、この世界の料理があまり美味しく感じないんです。なので僕らの中から料理をして皆に振舞ってくれてるんです。」
「な!?では、我らにも同じものを!」
「あ~……それは、聞いてみないと分かりませんね。如月さん!後3人分同じの出せる?」
え?なんで私に降ってくんの?え?え?
「ム、ムリだよ……魔力ほとんどなくなっちゃったから、今回復中だし……とにかくまた、使うのなんて、ムリ……」
「何で料理するのに魔力使うんだい?」
「材料を、魔力で出してるから……この世界に日本と、同じもの少ないんだよ。だから、全部私が用意したんだよ。」
まぁ、半分嘘。
全然魔力半分以上余ってまーす。魔力無くなっても、回復すぐ出来なくもありませーん。
何かで読んだんだけど、嘘をつく時には、少し本当のことを混ぜるといいんだって!
「なるほど……そういう事ですのでムリですね。」
「な、我の命令に逆らう気か?」
「そもそも、その気なら僕達この世界救わなくても別に良いんですよ?はっきり言って。だけど、助けを求めるから仕方なくって感じなのに……ねえ?皆!」
「「「「「「「「(コクコク)」」」」」」」」
まぁ、私は、自分の幸せに邪魔になるなら……だけどね。
「キサラギ……」(ボソッ)
ん?何か背筋がゾワワッって寒くなったよ?
私は、クラスメイトの隙間から王様達の方へ覗くと、さっきの変な男の子が居た。
え?あいつ何か偉そうなやつだな~とか思ってたけど、え?あいつ王子だったのかよ……
あっ!やば!目会っちゃった……あ、向こうめっちゃ笑ってる。
うわ……本気で今夜逃げよう。うん。そうしよう。
と言うか何故気付いた?やっぱり喋り方?しかも前髪あるのに何で目が合った?怖っ。
私は、改めて決意する。絶対にこの国から出ると。
「くっ、仕方ない……まぁ、取り敢えずは、この話明日にさせて頂こう。」
「分かりました。」
皆がご飯食べ終わって、メイドさんにお風呂に案内された。
「こちらが大浴場となっております。着替えとタオルは、こちらに。ここは、異性混浴ですので、お盛んにご注意してください。」
「「「「「は?」」」」」(嫌そう)By女子
「「「「「え?」」」」」(嬉しそう)By男子
言うだけ言ってすかさずメイドさんは、出ていった。
「どースル?勇志くんなら、別に私の事見ていいけど……他わね~ちよっと……」
「いや、流石に前をタオルで隠して、離れて入るしか無くない?」
「(やった~。如月さんの……見れる!しかも合理的に!)」Byユウシ
「 「 「 「「(やった~ぜ~!女子の裸……ムフフフフ) 」 」 」 」 」By男子
「「「「(キモイ)」」」」By女子
……私は、どうしよう。カツラ……取るか。もう、お風呂上がったら出るし。隠密かけとけばいいでしょ。
男子達は、ずくに服を脱いでタオルで大事な所を隠し、浴場に入って行った。
女子達は、嫌嫌ながらも服を脱ぎ前を隠して男子達よりも遅れて大勢で入ろうと、待っている。
「《隠密》」
私は、隠密をかけた。
私は、服を脱いで、カツラを取って、髪を下ろして前をタオルで一応隠す。
残念ながら毛が薄くて少ないため、大事な所が隠れてくれないのだ。
女子皆脱いだのを確認したら、浴場に入る。
「「「「「「おぉ~」」」」」」
男子達は、女子ガン見。女子もさりげなく男子の腹筋など見てる。
……大丈夫か?
「なぁなぁ、これってどうやって使うんだ?」
「これ、多分シャワーだよな?何処がスイッチだ?」
「ふむ、きっと魔力を流すと出てくるのだろう。」
……おや?懐かしの変な奴。だけど私も同じ考え。
だけど、上手く魔力通らなかったみたい。
めっちゃ落ち込んでる。
「皆、どうやって使うのか分からないから、この洗面器を使って浴槽から取ろう。」
「「それしかないか……」」
……おや?そっち使うんだ。まぁ良いや。私は、こっち使おーと。まぁ、使えなかったら洗う物でやるだけなんだけどね。
皆肩を並べて洗面器で頭を流してる中、私は、隅っこの方で、シャワーの様な奴を使う。
ふむ、これは指定されている場所に魔力を流すのでは無く、何処からでも魔力を流すタイプかもしれない。
厨房で、こう言うのと、指定されている場所に流すタイプがあったからね。だいたい分かるよ。
私は、手に持ったシャワーから魔力を流すと、暖かいお湯がシャワーの様に穴が空いていないため、ドバドバ出てくる。
頭を濡らして、スキル『洗う』で、いい匂いのシャンプーを出して、泡立てる。
シャクシャクシャクシャク
いい感じ。気持ちぃ。私は、魔力をまた通して洗い流す。
ふぃ~ さっぱり。
チラッ っとみんなの方を見ると、まだ私の事気付いていない。
どんだけ私に関心が無いんだよ。……まぁ良いけどね。
私は、コンディショナーをさっきのシャンプーと同じ匂いのする奴にする。
ヌリヌリ
流す。は~サラサラになった。
次、トリートメント。これも同じ匂い。
ヌリヌリ
流す。これだけで、日本にいた頃より髪質は、良くなっていると思う。
自分で好きな効果を持つ洗剤出せるのいいね。
後は、肌系か……あまり、顔の油は、取りすぎると良くないらしい。
(;-ω-)ウーン
よく分からないけど……そうだ!
(私の肌に合う控えめないい匂いのする洗顔料と、ボディーソープ出てこい。《洗う》)
おぉ~出てきた出てきた。
あ、どういう風に出てきたかと言うと、自分の好きな場所に何処からか、空中からいきなりター……って出てくるんだよね。今は手の平に出てくる。
……洗うか……
コシコシ
……流す。
ジャバァ
こんなもん……かな?
私は、チラッ っと皆の方を見ると、何やらキャイキャイ騒いでる。
まぁそのお陰で、バレてないけどね。
私は、静かに浴槽の隅っこに行ってお腹まで浸かった。
バレてないのめっちゃ気が楽……
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