第7話 悠志side

……は?神?何を言っているのだろうか?


スキル?称号?あ、これは最近よく聞くライトノベルのやつでは無いかな?


そっからは、皆スキルや、称号を好き勝手に選んでいってる。


おぉう、ちゃんと後のことも考えないとか、頭大丈夫か?


僕は、ちらっと神様の方へ向くとクラスで虐められている如月奈々葉と、話していた。


……あ、神様如月さんに頭下げた。しかもそれをしれっと見てる如月さん。……神様急に元気になった。それもしれっと見てる如月さん。


あ、神様如月さんの頭撫でた。それを……しれっとでは無く、嬉しそうにほぉを染めている。


何者なんだ?如月さん。


僕の中で如月さんは、いつも前髪を下ろしていて、顔が全く見えなくて、いつも虐められているし、暗い性格でいつもぶかぶかの服を着ているクラスメイトっていう感じだ。


僕もある程度選んで、如月さんだけに残ったスキルは……


はっきり言って、クズスキルしか無かった。


このスキルで戦うとか、無理だろ。


周りを見るとニヤニヤしてる、やたらと僕に付きまとうクラスメイト。


はぁ、大丈夫なのか?


そして僕達は、王城と思わしき所に転移した。


王様と思わしき人と、宰相と、思わしき人の説明を聞き、部屋に案内される。


転移された場所から部屋まで3キロ位あった。


めっちゃ疲れてると、また理不尽な理由で如月さんが虐められていた。


可哀想に。


そっからは、部屋で軽く仮眠を取った。とっても疲れたからね。


ベルがなって僕は、起きた。


知らない壁。


……あ、異世界転移したんだった。


のそのそとベットから出て、部屋を出る。


部屋を出ると、皆はもう集まっていた。


「ごめんごめん。遅れた~」


「もぉ~、遅いよ~。これ以上遅かったら部屋に入っちゃう所だったよ~」


「あ、はは、は、やめてね?」


こっわ、え?女子怖っ


そして僕達は、食堂に案内された。


食堂に入ると、物凄いご馳走が広がっているが、全くいい匂いがしない。


どうしたのだろうか。


まぁ、とりあえず食べてみるか。


と言うか、昼からこの量って思いな。


ズシャッモシャッ


「グボッ」


危ない危ない。


吹き出す所だった。


え?パン不味くね?材料ちゃんと混ざってなかったよ?って言うか、硬いよ?スルーしていたけど、そう言う物もあるって思ったけど、ゴムみたいだよ?しかも味しない。


はぁ~温かいスープを~


ズズっ


ブッフッ!


ゴッホッホッ


え?スープ飲んだらこい塩味。ちょっと吹き出した。しかも咳き込む。そして、具材…皮剥けてない、火通してない。


はっきり言おう。

まじぃ


「あーー!!もう!!不味くて食べらんない!!もっとろくなの出せよ!」


「「「そうだ!そうだ!そうだ!そうだ!」」」


「え?」


何急に叫んでるんだよ?びっくりさせんなよ。でも気持ちは、分かる。まじぃ


「……そう言えば雑草。お前料理スキル持っていたよな?」


キモ女子が如月さんに言う。


「そうだ!雑草に作ってもらえばいいんだ!」


「雑草は、家事だけは、ずば抜けて上手かったから、」


「料理も上手いはず!!」


今のは、僕だ。如月さんは、料理が美味しいことで少しだけ有名だからな。あの見た目とは、裏腹だ。


「え?え?」


パニックってるな。


そんな騒ぎを聞いた王城の人達が集まってきた。


「な、何の騒ぎですか!」


あ、さっきの人だ……


「勇者様方!どうなされたのですか?!」


僕は、話し掛けられたので皆の代表として話す。


「どうしたもこうしたも聞いてくださいよ!」


僕は、皆の代表として話す。


「この世界の料理は、こんなにも不味いんですか?!

僕らはこんな不味い料理食べたことありません!

スープは、野菜は火を通ってないし、こい塩味。肉はゴムのように固くて、これも塩コショウの濃い味。ロールパンは、何かパンでは、無い音してますよ!

どうか、この如月さんを厨房に立たせては下さいませんか?」



そう言って僕は、如月さんの背中を押す。


如月さんは、やめてやめてって頭を降ってる。


……体重……軽いな……それにいい匂いが……


……何考えてるんだ?今はそれよりも……


「では、いちど今出されているものを食べさせていただいても?」


「あぁ、どうぞ!」


宰相は、近くの料理にフォークを持って食べる。


もぐもぐ


「美味しいでは、ありませんか」


「ということは、皆!この世界の料理は、絶望的だという事が決定した!」


「「「「えーーーー」」」」


最悪だ……


「ふむ、そのキサラギ様という者は、料理が出来るのですか?」


「ええ。僕らの世界では誰しもが料理をしていて、如月さんが僕達の中で1番料理が上手いんです。」


「では、そのキサラギ様が不味い料理を私に出したら、勇者様方は、この国に一生使えると誓えますか?」


「いいでしょう。誓いますよ。その代わり如月さんの料理が不味かったら一生作らせない、レシピを教えない。も追加です。」


「では、そうと決まったら契約書にサインを」


そう言って懐から羽根ペンとインクを出し、紙にサラサラと書いていく。


「どうぞ。」


サラサラ


僕は渡された紙に名前を書いて如月さんに渡す。


「契約は、完了です。」


「では、1時間後、ここで料理を出して、おきますね?」


「分かりました。」


すると、宰相さんは、食堂の端にいるメイドさんに何か頼んで、何か書類のようなものを持ってきて貰っていた。


「え?え?え……」


「さて皆、この世界で作れそうな料理と言ったら?」


「プリン?」


「いや、砂糖手に入んないだろ。」


「は?何様?こっちアイデア出して上げてるんだけど?」


いや、言い方よ。


「うっ、ごめんごめん。」


「まぁまぁ。じゃあシチューは?」


「ルー無くね?」


「牛乳と、バターと、小麦粉があれば……野菜、あるみたい、だし。」


「おお~じゃあそれで行こう!」


「まぁ悠志君が良いなら良いけど?」


「シチューだったらご飯欲しくなるな。」


「いや、ムリだろ。」


「そっか~残念」


「軽っ!!」


「え~♡ユウシ君は~軽い方がいーよ♡」


「そ、そうなのかな?」


「うん♡うん♡」


キモっ。

『うん』の後に♡とか付けんなよ。全然可愛くねーから。


「とりあえず、厨房に行ってみるね?」


「そ、そうだね。如月さん何か手伝える事あったら言ってね。」


「そんなことないわよね~?悠志君に雑用なんてさせないわよね?雑草が雑用やるのが普通なの。www」


「う、うん。」


そう言って如月さんは厨房に向かった。


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