第8話 クリスマスパーティー

12月24日。クリスマスイブ。


私達は『KAGETSU』の住人で一希さんの部屋に集まりパーティーをする。


琳夏さん以外のメンバーだ。


一希さんは、彼女にも一応、声を掛けたけど、どうやら彼氏とデートらしく断られたとの事。


テーブルの上には、一希さんの手料理が並んでいる。


「これ、全部手作りですか?」

「そうよぉ~」

「すごーい!」



私達はパーティーを始める。


その日の夜も更け、私以外のみんなはお酒飲んで寝ていた。


私は後片付けをし、自分の部屋に戻る事にした。





朝 ―――




「ヤバッ!バイト遅れるっ!」



私は準備をする。


自分の部屋を出るのと同時に、一希さんの部屋から瀏介さんが出てくる。




「おはようございます!」

「朝からうるさい奴だな……こっちは二日酔いだ……」

「元々弱いくせに飲み過ぎるあんたが悪いんじゃん!」

「なっ! ムカつく!」

「それじゃ私はバイトなんで!」



私は足早にそこから去り始める。



「全く!」



階段を駆け下りる。




「おはよう!唯那ちゃん」



自分の部屋から出て来たと思われる、十哉さんと遭遇。



「あっ!おはようございます!十哉さん!それじゃ」

「慌ててるけどどうかした?」

「バイト遅れそう!」

「送るよ!車乗って!」

「すみません!助かります!」



私は十哉さんの車に乗り、バイト先迄送って貰い遅刻が免れた。



「ありがとうございます!」

「いいえ。それじゃ」

「はい」



私達は別れた。





そこへ ――――




「おはよう!唯那ちゃん」

「あっ!おはよう!」



バイト先の、

鍋河 朝美(なべかわ あさみ)ちゃん。18歳。



「今の彼氏?」

「えっ?違うよ!同じアパートの住人の人だよ」

「そうなんだ。カッコイイ人だね」

「あー、確かに!カッコイイし背も高い。モデルしてるって、同じアパートの住人の人に聞いた」

「へぇー」




そこへ ――――



「あれ?今日はクリスマスなのに、美女二人は彼氏とデートじゃないの?」




バイト先の先輩。


久竜 尚哉(くりゅう なおや)さん。21歳。



「デートなら、ここにはいませんよ」と、私。

「それもそうだね」

「そうですよ」

「それじゃ、今日1日宜しく!」

「はい」と、私達。



「ねえ、晶ちゃん」

「何?」

「尚哉さん、彼女いたりするのかな?」

「えっ? どうかな?」

「私……気になるんだ。でも好きに近いかも」

「そうなんだね」

「うん」




そして、1日のバイトが終わり。



「ねえ、二人とも何か予定ある?」

「いいえ」

「特に」

「じゃあ、出掛けない?」


「えっ?」と、私達。


「良かったらで良いんだけど」


「行きます!」と、朝美ちゃん。


「晶ちゃんは?」と、尚哉さんが尋ねた。


「私は……」


「晶ちゃん、行こうよ」




朝美ちゃんが誘ってきた。




「クリスマスの日に私達はバイトしてたんだよ。頑張った御褒美に出掛けるのもありだよ」

「その通り!」




私達、3人は出掛ける事にした。



行った先は、ボーリングだ。

盛り上がり楽しむ私達。





そして別れ際 ――――



「今日はありがとうございました」と、私。

「俺が誘ったんだし。でも、本当送らなくて大丈夫?」


「はい、大丈夫です」

「でも、何かあったら」

「尚哉さん、優しいんですね。寄りたい所もあるので。それじゃ、お疲れ様です」




私は帰る事にした。




「本当に平気かな?」

「本当、優しいんですね。もしかして尚哉さん…晶ちゃんに気があるんですか?」

「えっ?いや、そういう訳じゃないけど、夜道だから大丈夫かな?と思って…」

「そうですよね」


「取り合えず帰ろうか?」

「はい……あの…」

「ん?」

「尚哉さんって彼女……いたりするんですか?」

「彼女?いないよ」


「そうなんですね」

「朝美ちゃんは?彼氏いないの?」

「彼氏いたら、ここにはいないですよ。晶ちゃんと言ってたじゃないですか?」


「じゃあ、俺、恋人候補して良いかな?」

「えっ?」

「俺、好きなんだ! 朝美ちゃんの事」

「えっ!?」



私はふと振り返ると、二人がキスをしている所を目撃した。


相思相愛だったのかな?


そんな事を思いつつも私は見て見ぬ振りをし帰る事にした。



「ハッピーメリークリスマス!」




















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