第3話 新しい住人

それから1ヶ月が過ぎ ―――5月



「今日から下の階に来た、麻倉 十哉(あさくら とおや)と言います」



≪カッコイイ…背高い…≫



「冬月 晶です」

「あのー…おいくつですか?女性に年齢聞くのもと失礼かと思ったんですけど…」

「いいえ、大丈夫です。18です」

「じゃあ、俺と2つ違うんですね」


「と言うことは、20歳(はたち)?」

「はい。宜しくお願いします」

「こちらこそ」





――― 次の日 ―――



「ヤバッ!遅刻っ!」



私は部屋中を走り回るように、ドタドタ、バタバタと準備をする。




その時だ。



部屋のドアがノックされる。



「は、はい。どうぞ~」



カチャ

ドアを開く。




「晶ちゃ~ん、朝からうるさいんだけど~?」


「一希さーん。すみませーん。寝坊しちゃって!今、急いでてごめんなさーーい!」


「もうっ!」



私は準備をし学校に向かっていると ―――



プップッ……


車のクラクションが鳴った。


私の横に止まると助手席のドアが開いた。




「一希さんっ!」

「ほら、乗って!早く!」

「すみません!」



車に乗る私。



「飛ばすわよ~!」




そして学校迄、送って貰った。



「すみません、ありがとうございます!」

「いいえ~。行ってらっしゃ~い♪」




私は足早に入って行った。




「全く!困ったちゃんね!」




そこへ ―――



コンコン


車窓の窓がノックされる。


「君、スピード違反!」

「あら~?お巡りさん!ごめんなさぁ~い♪妹が遅刻しそうだったので無我夢中で飛ばしちゃった~♪何とかならなぁ~い?」


「理由は、どうであれ、スピード違反だから」

「ええ~、じゃあ、この後ドライブしません?」

「勤務中なので」

「そう言わず助手席に乗りませんかぁ~?」

「結構です」




その日の夜。



「あら~?晶ちゃんどうしたのぉ~?」

「すみません!今日は朝から騒々しくしたあげく学校迄送って頂いて」

「良いわよ。お巡りさんに怒られちゃったけど…それが聞いて~♪」


「何ですか?」

「お巡りさん、イケメンだったんだけどドライブ誘ったら断られちゃったの~」

「そうだったんですね」

「そうなの!私の恋、数秒で花散っちゃった~。それじゃ、これ頂きま~す♪」

「はい、どうぞ」




そして私達は別れた。




次の日。



「じゃあねー、瀏ちゃん」

「またな」



二人は別れ、大屋さんと目が合う。



「相変わらずなんですね」

「晶も仲間入りするか?」

「結構です!つーか勝手に人の名前を呼び捨てにしないで下さい!」

「減るもんじゃねーだろう?」


「ふんっ!」

「可愛くねー! それじゃ男出来ねーぞ!」

「あなたには関係ないでしょう?失礼します!」




それから1ヶ月が過ぎ、また一人住人が増えた。



右鬼 琳夏(ゆうき りんか) さん。20歳。


美人な人だ。


ある日、大屋さんと右鬼さんのツーショットを見掛けた。



「二人は、そういう関係?それともただの体の関係?」



真実はどうであれ、二人が一緒にいたという事は確かだから。

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