第5話 恋人同士

それから数か月過ぎ速渡君とは出掛ける事が当たり前となっていた。



ある日の別れ際 ――――



「唯那ちゃん」

「何?」

「俺とマジで付き合って欲しい!」



ドキン



「えっ?」

「俺…唯那ちゃんが好きなんだ!」



ドキッ



「えっ? 速渡君」

「俺達にゆっくりっていう言葉は恥ずかしいけど、一人の男として見てほしいから。恋愛として考えてもらえば……」


「速渡君……」

「君に触れる事出来るのは恋人同士じゃないと無理な事もあるから」



私は速渡君の両頬を包み込むように触れるとキスをした。



「私も…好きだよ…速渡の事」

「唯那…」




私達はもう一度キスを交わす。


そして、私達は恋人として付き合う事になった。


私達は付き合う事となり、何度もデートを重ねる。





ある日のデートの日。




「ねえ、速渡」

「何?」

「付き合って、どれくらいで体の関係って持つんだろう?」


「えっ!?」



少し顔を赤くする速渡君の表情が伺えた。



「うわっ!速渡、顔赤いよ」

「…いや…それは…」



顔をそらす速渡。




「…ごめん…ストレート過ぎたよね…」

「人それぞれだから焦らなくても良いんじゃないかな?女の子は特に勇気いるだろうし」




もう一歩の勇気がなくて



だけど―――



彼と1つになりたいと思っていた


後悔しないと思ったから



私から彼に伝えるべき?



でも―――



そんな事を


彼に伝えたら応えてくれる?




「…速渡は…このままで良いの?」



私は足を止めた。



「えっ?」



速渡も足を止める。




「私達…恋人同士なのに…キスだけなんて…」

「…唯那…」

「…ごめん…」



「………………」



私は歩きだし、速渡の横を横切る。


グイッと手を掴み引き止めると速渡は人混みから外れると路地裏に連れて行く。



「速……」



キスをされる。



「キスだけなんて物足りない位、唯那の事は好きだよ。唯那ともっと愛し合いたいっていつも思う。でも…そんな簡単なものじゃないって俺は思うから」


「…速渡…じゃあ…抱いて…」

「えっ? 唯那…」


「私も速渡の事好きだし…1つになりたいって思ってる。だけど勇気なくて…でもいずれ越えなきゃいけないなら……」


「唯那…」

「お願い…速渡…」

「分かった…じゃあ俺ん家おいで」

「…うん…」



私達は、街から帰る事にし速渡の家に行く事にした。



初めてあがる男の子の家。


ドキドキとする中、落ち着かない。




「はい、コーヒーでもどうぞ」

「あ、うん…ありがとう」

「唯那、家に来たからと言って絶対って訳じゃないから」

「…うん…」


「唯那の気持ち十分分かったから今日じゃなくても時間はあるんだし。無理して関係持とうなんて考えなくて良いから」


「ありがとう…速渡…」



私達は色々と話をしていた。





夕方 ――――




「唯那…そろそろ帰る?」


「…うん…そうする…頑張ってみようと思ったけど、今日は初めて家に来た事で緊張しすぎて…ごめん……」


「謝らなくても良いよ」

「だけど……速渡の家に連れて来てもらったのに……」

「唯那、焦らなくて良いから」



「………………」




私は自分が腹立だしかった


悔しくて仕方がなくて…………





私は下にうつ向く。



「唯那」



グイッと抱き寄せる速渡。




「良いんだよ、唯那。ゆっくりで良いから。二人で頑張ろう!」


「…速渡……うん…ごめん……」




頭をポンポンとするとキスをされた。


私は途中迄、送ってもらい、キスをして別れた。
















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