第40話機械科の実習=旋盤加工

 この当時の工業高校の旋盤は、所謂町の旋盤加工所の旋盤と大きく違った居たのは直結式で無い事だった。

 何列かに並んだ旋盤の上に、ぷーりーが付いた動力が走って居て、それと旋盤をベルトでつなぐ方式で、実際に加工するのは、汎用のネジで取り付けるツマミである。


 当然ながら長年素人の生徒が使って居る為、機械によってはぶれも有り癖も有って翌週に違う旋盤になっても調整が一苦労であり、時間もかかったものだ。


 三年生になって製図の時間には、このポンコツの旋盤を全部小さな部品まで解体して全てを図面化にして、再び復元したのである。


 勿論まだCADの無い時代で、全て専用の印画紙であるが、郊外に移転して自転車で通って居た為、汗で図面が汚れて汚いと先生に言われたのを今でも覚えている。


 それと、街の旋盤工場の宿泊所に、同級生が一人で住んで居たので、休みの時は仲間のたまり場となって、発売されたカップ麺やサッポロジャイアンツ等を楽しんだ記憶が有る。

 当然未成年では有ったが、昼は普通に仕事をしていて感覚は社会人だった。

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