第30話甥達の未来
ある時実家の甥が高校を辞めてしまったと言う情報が入った。
私は結構業も忙しく、人手も必要だったことから千葉に呼んで手伝いをさせて一人前に育てようと千葉に呼んだ。
予想以上に覚えが早く、一現場を任せても良いくらいまで僅か2年半で育ったので一人手元をつけて仕事を任せると、発注元の評判も良く助かったものだ。
然しある日とんでもない事が起きた!
当時名義こそ変更していなかったが、甥は私の内の前に一軒家が空いていたので其処を購入し住まわせ居たのだったが、ある日突然行方が不明になった。
心当たりを散々探したが見つからない。
ところが1週間にもなろうとしたある日玄関が突然空いた。
それまで何度も玄関を開けようとしたが、鍵が閉まって居て開かなかったのだが、私の子供たちも年中甥のところで遊んでいたので、何気なく飛び屋を空けたら開いたと言う。
二階で寝ていたと言うのですぐに行ってみると、顔もこけて尋常では無かった。
話すこともままならない状態で、すぐ病院に連れて行ってみて貰ったら、強度の衰退状態なので、しばらく入院が必要で、しばらくリハビリも必要と分かった。
後で思ったのだが、三日目位で玄関が空かなかったら、長い梯子を用意して二階の窓から寝室を除くなり、入って家中を探してみればこんな大事にはならなかったのだ。
玄関のかぎが閉まっていただけで、家の中には居ないと判断したのは何故だったのだろう。
それは彼が中学時代から放浪癖があったし、いろいろな事情から急に仕事がいやになって逃げだしたと私も回りの人も思い込んでしまったのだった。
その為に彼の運動神経は未だに回復せず、良い腕を持った職人としての人生をフイにしてしまったので、私としても未だに悔いが残っている。
然し実家に帰って今では足の不自由な母を助けるだけではなく、兄が海外などの出張などでも、」兄の代わりとなって家計やその他の用事を一手に引き受けてやっていて皆に頼られる存在になって居るので、幾分か心が救われる思いである。
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