第26話東電新潟原発

 前話とも関連有るが、私が新潟原発の護岸工事で初めて行った時のことを、忘れないうちにここに記するとしよう。

 とにかく当時は人も通わぬ荒れ地で、柏崎市から辛うじて工事用の車が通れる程度の道が有っただけだった。

 護岸工事と言っても、敷地内と海との地下水の流れを遮断する、地下30メートルの深さから地上までの壁の設置工事で有った。元受けが確か大林組で、施工会社がライト工業。

 私は以前からケリーバーによるバケットや貯水タンクの上に簡単に組み立て可能な小屋等の製作図を描いていた関係で、現場出張したが、1月の猛吹雪で有った。

 帰りは長岡に一泊しようと思っても、その年から始まった共通一次試験で、どこの旅館も一杯でやむなく、まだ古い栗子トンネルを何とか抜けてきたのを鮮明に思い出す。

 そこでは勿論水道などは無く、砂山に大きな穴を掘り、所謂絞り水でセメントの水にしていたので、塩分が多く骨材に入れた鉄筋や、コンクリート自体ももろくなって

すでに遮断壁の役目にはなって居ないかも知れない。

 ましてや今や地震脈の真上である事までわかっているし、その辺の事をしっかり検証してもらいたいのと、他の原発誘致に至った不正な金銭の流れも、この辺でしっかり公正な立場から検証する必要があるだろう。

 私自身の持論であるが、人間が原子の功罪を完全にコントロール出来るようにならない内は、功の部分だけを利用してはならないと考えて居る。

 どうしてもやりたいのなら、国会議事堂の真下に建設し、地方に押し付けるのはやめてもらいたいし、未だに残留物の無害化も出来てないのに、利用は早いのだ。

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