第22話企業のきっかけ
ある日メーカーの場内外注の隣で働いていた職人さんが、突然私のアパートに来て土日だけでよいので、手伝って貰えないかと言った。
その頃は高校で一緒にバレーボールをやっていた後輩が、会社を辞めたと言ったので、だったら俺の部屋に住んで仕事を一緒にしようと言って誘っていたのだ。
土曜日に言われた場所まで二人で行き、仕事の図面や道具などの説明を受けて仕事に入ったが、ここの場内外注は前のメーカーと違い、道具類は全て外注に貸し出す仕組みだが、製缶の外注の外社内にも同じような仕事をする班が3組あったのだ。
メーカーと言うよりは大きな鉄工所なのだったが、そんなことを二週間も続けたら当の誘った品人が三週目からピタッと来なくなって、連絡も取れない状態だった。
会社の方も困り果てて、私に貴方が会社と契約してやってくれと言うが、資金が無くては従業員も雇えないので来週返事すると言った。
資金と言っても今は後輩一人いるので、先ずはこれでしばらくやってみよう、それと酒田時代に無理やり入れられた生命保険を解約すれば30万円位にはなるはずだったので、それを元手にしばらく頑張ってみようと思った。
酒田時代から工場長を任されていたので仕事には自信もあって、早速近くに引っ越しをして実籾とも別れたのだ。
任された仕事は港のあたりで杭を打つ懸垂型リーダーや造船所などの大きな天井クレーンが多かったが、三年間は順調に行って、その間に結婚もして長男も生まれた。
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