第8話小学4年以上4

 ここでは5年生になって楽しみにやった事を書いてみよう。

 秋になって雪が降り始める頃だけの楽しみが有った。

 何かというと野兎の罠を仕掛けるのだが、30センチ以上も積もってからでは行き返りがが大変なので、わずかな期間限定だった。

 湧水が有ってそこに野兎が寄って来るのを、わずかな足跡で確認できたが、他の人は知らないし、他人の足跡も無いので自分だけの穴場だった。

 狐が歩いて足跡が有った日は、兎は警戒して出歩かないし足跡は皆無状態だったが、兎の足跡は特徴が有るのですぐ分かる。

 湧水の周辺には水草など有るので兎が寄ってくるのだろうと思うが、手順を説明すると通りそうな場所の少し太めの木の枝を切って、その枝に兎の体が通る位の丸く針金で罠を仕掛けると、そこを飛び跳ねながら通る兎の胴が閉まって枝を引きずるが、周りが藪なので余り動けないし、逆に生えたままの木だと針金が切れてしまうのだ。

 ある時は15センチも雪が降った日に、確かこの辺と雪を掘って見たら、兎が凍ってカチカチ状態だったが、こうなると血抜きをして無いので食べても美味しくは無いのだ。

 こんな事は珍しく、普通は人の足音で逃げようと暴れだすが、持って行った棒で一撃だがその場で血抜きして籠に入れて、新たに罠を仕掛けて帰るが,ひと秋で3羽は捕れた物だったが、冬の貴重な蛋白源となった。

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