第二話食堂にて前編

中野花恵

こいつとは中学からの仲だ

花恵は中学高校と約五年間クラス委員長をやっている

出された課題は全てこなしテストではいつも学年上位まるで絵に描いたような優等生

誰もが手本とする人物だ


「ちょっと!?話聞いてる?」

「え、あぁまぁ聞いてるよ」

「じゃあ私が言った事言える?」

「うぐっ?!」


まずい...話が聞いてなかったのがバレる...


「ほら!やっぱり聞いてないじゃない!!」

「すまん...悪かったって...」

「じゃあ今日の食堂代は山田君が出してね!」

「ちょっと待て!?俺今日あまり金持ってきてないぞ?!」

「知りません話を聞かなかった山田君が悪いんだからね!!」


ごもっともな意見だ...しかし何故急に中野は食堂に着いてこいとか言い出したんだ?

昼食にしては遅すぎるしまず俺以外を誘えばいいしおやつにしては早すぎる...そんな事を考える内に食堂に着いた

俺はりんごジュースを中野はカフェオレにしたお金が足りないか心配だったがギリギリ足りた

飲み物を受け取った俺と中野は食堂内の端の方の席に腰掛けた


「・・・今日山田君を呼び出したのはある事を言おうと思って呼び出したの...」


ある事?俺は一瞬...いや少しの間頭の中が真っ白になったがすぐに状況を把握した

俺にとってのある事は“あの事”しかない...!

俺は咄嗟に身構えた考えるより先に本能的にだった


「実は...私...」


俺は覚悟を決めるだが次に聞こえたのは中野の声ではなく音量MAXのイケメンボイスだった


「おう!山田お前も食堂に来てたんだな!」

「賢人?」


俺はその聞き覚えのあるボイスを知っていた

俺の数少ない友達にして親友の大丸賢人だった

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