第4話 ホバーバイク
ステイン達の乗っているホバーバイクは魔法石を動力源としている。
ホバーバイクに乗っているのは、冒険者と軍隊に限られている。
一般人が手を出すには高額過ぎた。
冒険者の資格を取ると評価Dにクラス分けされるとともに中古のホバーバイクH-1(2000年製)が支給される。
パワーもスピードもいまいちだが、操縦のしやすさで定評がある。
冒険者の中で流行っているのはH-4という2018年製のホバーバイクである。
操縦のしやすさと、パワー、スピードが十分なレベルにあると言える。
現在、注文しても3か月待ちという状態である。
ステインのチームもマルコとラキがH-4に乗っており、それまでマルコとラキが乗っていたH-3がダッシュとカナにそれぞれおさがりで、渡されて乗っている。
H-3はH-4に比べるとスピードが落ちるが、2020年現在最冒険者たちの間で最も乗られているホバーバイクである。
これらの量産機とは全く別次元のものが、ステインのPN-1である。
ホバーバイク開発初期段階に試作機として作られたそれは魔法石が3つ乗っかっており、パワー・スピードともに現行機種を遥かに上回る。
ただ、事故が多かった。
まともに、真っすぐ走らせることすら困難で、ましてやモンスターと戦うことなど考えられる代物ではなかった。
現在PN-1に乗っている冒険者はステインのみであり、評価Sというギルド内に数名しかいないランクと相まって、他の冒険者たちからは特別視されている。
また、このような冒険者たちの乗るホバーバイクとは別に軍用ホバーバイクもあり、王国騎士団はF-3と呼ばれる2019年製のバイクに乗る。
F-3に関しては軍用ということもあり、性能、その他についてはあまり漏れてこないが、魔法石を2つ積んでいるホバーバイクで化け物のような性能らしい。
今回、ステイン・グレイのチームはPN-1が1台、H-4が1台、H-3が2台といった陣容でコンラッドの町へ向かっていた。
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