第3話 ステイン・グレイのチーム


 コンラッドの町から5キロルほど離れた丘陵に冒険者が集まっていた。



 ステイン・グレイのチームだ。


 リーダーのステイン・グレイは30歳の男性で身長185㎝、ダークグレーの髪に無精ひげが印象的だ。


 サブリーダーのマルコは今回、ギルドとの連絡調整で王都に残っている。


 「ステイン、そろそろ突っ込んでもいいのじゃなくて?」


 「ああ、そうだなラキ」


 「オークの群れとか害獣でしかないわ」ラキはそう吐き捨てるように言った。


 ラキは19歳の女性で、すでにギルドからA評価を得ている。


 ギルドからA評価を得られるのは冒険者全体の3パーセントほどしかいない。相当なやり手である。


 「もう少し、様子を見てもいいんじゃないかな?」


 「え?何言っているの?ダッシュ」


 そう呼ばれて18歳のダッシュは小さくなった。


 「カナも、少し慎重に行ったほうがいいと思う、オークが50匹っていうのはちょっと普通の数じゃないよ」


 「カナまで?そんなんだから、あなたたちいつまで経ってもB評価なんじゃないの?」


 「まあまあ、ラキ、この子たちの考えも一理ある」


 「ステイン!」


 「ただ、日々被害は広がっている、それに、今日までに片づけると早期達成ボーナスが入るそうだ」


 「ステイン・・・ほんとにお金に目がないのね」


 「チームのみんなを食わせてやらないといかんのでな」


 「俺とラキが突っ込む、その後にダッシュとカナが着いてきてくれ」


 『了解』



 命令と共に、ステインのホバーバイクが始動する。


 高く、空中に浮くと、コンラッド方面へ向かう。


 ステインのバイクを追うように、ラキ、ダッシュ、カナのホバーバイクも後を追った。

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