第20話 私達の宝物



そして、ユウト達は、小屋へ戻ると、

サーシャ達の部屋へと入ると、

レオが、真剣な顔をして話す。


レオ「ユウト、君に、話して、おくことがある」


ーーーーーう、うん。


レオ「ベル、手紙を……」


ーーーーはい……。


ユウトは、ベルから手紙を、受け取ると、

手紙の中身を、確認する。


ーーーーーーーーーーーー


サーシャ、ベルこれから書くことは

辛い事実です……

貴方達、2人は、本当は、

私達、夫婦の子供ではありません

でも、血は繋がってなくても

貴方達は、本当に、私達の宝物です。


サーシャ、ベル、

貴方達の、本当の両親は、

この国の王、リューネ王と、レイン王女です。


何故、貴方達が、私達の元で

暮らす事になったかは、

私達が、お城でお仕えさせて

頂いていた、時の事です。


ーーーーー


城の一室、外では雨が降り、雷が鳴り響き、

2人の、赤ちゃんの泣き声が響く。


ーーーーオギャーオギャー。


レイン「よ、良かった…無事、産まれて……」


ユリ「はい!元気な双子の女の子です!!」


レインは、赤ん坊を見ると、頬を触り涙を流す。


レイン「ユリ、いきなりですが、

    お願いがあります……」


ユリ「はい!どうしたんですかレイン様?」


レイン「ユリ、私は、あの人が

    高笑いをして、話しているのを、

    聞いてしまったの……

    あの人は、子供達を、政治の道具に、

    使うつもりなの、どうか、この子達を、

    連れて逃げて貰えませんか?」


ユリ「そんな……この子達を、そんな事に……」


レイン「どうか、このお願いを、

    聞き届けては、貰えませんか?」


レインの頼みを聞くと、ユリは頷き、

手を握り、答える。


ユリ「分かりました、レイン様

   この子達を、命に代えても、

   お守り致します」


レインは、ユリの言葉を聞くと、涙を流す。


レイン「ありがとう、ユリ……」


そして、レインは、外に立つ、

護衛の騎士に、呼びかける。


ーーーーーシン、外にいるわね?


シン「はい!レイン様」


呼びかけに答えると、鎧を纏った騎士が、

扉を開き中へと入る。


レイン「シン、しっかりと、

    ユリと、子供達を守るのよ」


シン「はっ、命に代えても、お守り致します」


レイン「シン、貴方達が、外へ出て、

    しばらくしたら、私は、悲鳴を上げます、

    悲鳴を聞いて、来る騎士達に、

    フードを被った、3人組に

    子供達が、拐われたと伝えます、

    どうかその間に、無事に、

    逃げ延びて下さい…」


シン「分かりました、レイン様、

   必ずや逃げ延び、ユリと、子供達を

   守り抜いて見せます!」


レイン「ありがとう、ユリ、シン、

    2人とも、幸せになって下さいね」



そう言われると、ユリとシンは、

見つめ合い頬を赤らめる。


シン「はい!ありがとうございます!

     それでは、レイン様」


レイン「どうか、貴方達の無事を、祈ります」


シンは、扉開くと、様子を伺い、外へと向かう。


ーーーーーーーーーーー


手紙を、読み終えると、

ユウトは、涙を流し、ベルに、手紙を返す。


ベル「ユウト、貴方の力を、貸して頂けますか?」


ユウト「ベル、当たり前さ!

   必ず、君を守り、サーシャを取り戻す!!」


ジオ「ユウト様、私は、何処までも

     お供いたします!!」


シィーロ「お兄ちゃん、私もついて行くよ!!」


レオ「皆んな………」


ベルは、ユウト達の言葉を聞くと、

涙を流し、手で何度も何度も拭う。


ーーー皆んな、ありがとう…。


ーーーーーーーーーーーー


その頃、サーシャは、

騎士に連れられ、王国へと向かっていた。


貴族「やったぞぉぉぉ!!あははは

   まさか、まさかこんなにも早く

   見つかるとは、リューネ王も、

   お喜びになる」


ーーーーーーあはははははは。


貴族は、喜びのあまり、高笑いしていた。


サーシャ「うるさいわね、

       少し黙って、歩けないのかしら?」


貴族「なぁ、何だとぉぉぉぉぉぉ!!

   き、貴様ぁぁ〜〜、この私に、

   言っているのかぁぁぁーー?」


サーシャ「あんた意外に、そんな、

     気持ち悪い笑い方する人

     他にもいるのかしら?」


貴族「な、何だとぉぉぉぉぉぉ!!

   き、貴様ァァァァ、

   ゆ、許さぬゾォーー!!」


貴族は、顔を真っ赤にし、手を振り上げる。


騎士「お、お待ち下さいダリア様!!

   そ、その様な事を、してしまっては

   リューネ王が、お怒りになられます」


ダリア「そ、そうだな、まぁ良い、今日は、

    気分が良い、今日のところは、

    水に流そうではないか」


ーーーーーフゥハァハハハァァァァ。


サーシャが、騎士に近づくと、お礼を言う。


サーシャ「はぁ〜、どうもありがと、

     危うくあの男に、

     叩かれる所だったわ…」


騎士「い、いえ、とんでもございません、

   マイヤ様に、何かあっては

   リューネ王も、お怒りになられます」


サーシャ「そうよね〜、道具に、何かあったら、

     王様は、困りますもんね〜」


騎士「そ、その様な事は、ありません

   リューネ王は、アイレ様と、マイヤ様を

   本当に、心配されていました」


サーシャ「そうでしょうね、あいつの本性は、

     貴族と、ごく一部の、騎士しか、

     知らないでしょうね……」


騎士「いえ、本当に、リューネ王は、

     マイヤ様と、アイレ様を……」


サーシャ「はいはい、分かったわ、

     そういえば、貴方の名前を、

     聞いてなかったわね」


騎士「は、はい!私は、

     ミスト=ライエットと言います」


サーシャ「ミストね、宜しく」


そして、一行は、階段を登り終わり、

扉の前へと着く。



ダリア「さぁ〜て、着いたゾォ〜〜」


嬉しそうに、ダリアは、玉座の扉を開く。


ダリア「陛下、ただいま戻りました!!」



王「おぉ〜戻ったか!

  マイヤよ、心配したぞ、

  よくぞ、よくぞ戻った、

  さぁ、お前達、下がって良いぞ、

  マイヤと、積もる話が、あるからなぁ〜」


ーーーーーーはっ!


返事をすると、貴族、騎士達は、

玉座の間から出て行き、扉が閉まる。


王「さぁ、マイヤよ、

  アイレの居場所を、教えて貰おうかぁ!!」

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