テオドラ
第19話 王の野望
〜7年後〜
テオドラ国、玉座の間で、玉座に座る、王が
貴族に激怒していた。
王「まだ見つからんのか!!
もうそろそろ、道具として、
使える歳に、なるというのに、
貴様らは、今まで、一体何をしていた!!!」
リューネ王は、激怒し、玉座を叩く。
ーーーーーーーーバンッ。
貴族「も、申し訳ありません、
で、ですが、リューネ王」
ーーーーーなんだ?
貴族「陛下と、同じ瞳……片方が、青、
もう片方が、緑色で、金髪の双子の娘、
特徴の娘を、いくら探しても、
一致する娘が、居ないのです」
リューネ王「貴様は誰に、物を言っているか、
分かっていないようだな」
貴族の言葉に苛立ち、王は、風のゲートを開き
片目が、光を放つ。
貴族「ひぇっ、も、申し訳ありません
リ、リューネ王、お、お待ち下さい〜!」
風が渦を巻き、風の渦を、
貴族目掛けて放つ。
ーーーーーぎゃゃゃゃゃ。
貴族は、渦に飲まれ、
吹き飛ぶと、壁に激突し意識を失う。
ーーーーーーうっ。
そして、王は立ち上がり、
他の貴族達に、言い放つ。
リューネ王「貴様らも、
こうはなりたく無いだろ?」
ーーーーーーひぇぇ。
怯える貴族達に、王は、笑みを浮かべる。
貴族「も、申し訳ありません、
直ぐにでも探して参ります」
王は、ゲートを閉じ、玉座に座る。
王「一つでも、特徴が一致する
女を連れて来い、この私が直々に、
見定める」
ーーーーーーはい!!
王「分かったら、
さっさと、探して来ぬかぁっ!!!」
貴族「は、はいっ!!!」
貴族達は、一斉に走り出し外へと向かう。
王「おい、貴様も、
分かっているんだろうな、
拾ってやった恩を、忘れるなよ」
ーーーはい、はい、分かりましたよ。
そう言うと、柱の影に立っていた男は、
手を、プラプラと振りながら、
扉を出て行くのだった。
ーーーーーはぁ。
その男の様子を見た、
王は頭を抱え、ため息をつく。
王「全く、アイツだけは、何を考えているか
読めん男だ……」
そうしていると、扉が開く。
ーーー父上、ただいま戻りました。
煌びやかな服を着た、男女が
王の前に立つ。
王「ミリア、コルト
お前達も、準備をしておけ、
そろそろ、この国の為に、
お前達の、全てを捧げてもらう」
男女は、敬意を示す様に、
頭を下げ、返事をする。
ーーーーーーハッ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その頃、成長したユウトと、レオは、
小屋から少し離れた場所で、
木刀を片手に模擬戦をしていたのだった。
レオは、ゲートを開き、大きな炎の球体を、
ユウトに向けて放つ。
ーーーーはぁっ!!
ユウトは、水のゲートを開くと、
瞳の色が変わり、唱える。
ーーーーガァルウェイブ。
ユウトの周りに水の渦ができ、
形を変えて、龍の姿に変わると、
炎の球体に向けて飛びかかる。
ユウト「ノア、お願い」
水の龍が、炎を飲み込むと同時に、
湯気が、辺り一面に広がり、
視界が真っ白になる。
ーーーーーもしかして!!?
レオ「そう、これを狙ってたんだ!!」
レオが、背後から、木刀を振りかぶるが、
ユウトは、風のゲートを開くと、唱える。
ーーーークッ、テンペストォ!!
後方から風を出し、前方へと飛ぶと、
周りの湯気を吹き飛ばす。
レオ「後、少しだったんだけどな……」
ユウト「いや、一つしか魔法を
使えてなかったら、
確実に負けてたよ!」
風になびく髪の毛を押さえながら、
1人の女性が、
ユウトと、レオに近づき、呼びかける。
「全くあんたたちは、毎日こんな事
ばっかりして!早く出かけるわよ!!」
ユウト「ごめんごめん、
サーシャ、そろそろ行こうか」
サーシャ「ええ、でも今日は、
レノさんの所で、修行じゃなくて
良かったの?」
ユウト「うん、レノさんなんだけど、
最近、忙しいみたいなんだ」
レオ「それと、もうお前達に
教える事は、ね〜よって、
後は、お前達で、高め合えってさ」
サーシャ「ふ〜ん、そうなんだ、それより!!
皆んな小屋で待ってるから、
早く行くわよ!!」
サーシャが、小屋の方を指さすと、
ベル達が、手を振り、呼びかける。
ーーーーーユウト様〜〜〜。
ーーユウトお兄ちゃん、レオお兄ちゃん早くー。
ーーユウトー、レオー、お姉ちゃん!!
その様子を見た、ユウトとレオは、手をふり返す。
ユウト「そうだね、そろそろ行こうか」
ーーーーええ。
そう言うと、3人は、小屋の方へと歩き出すと、
ジオとシィーロが、ユウト目掛けて走り出し、
ユウトに飛び付き、顔をスリスリと擦り付ける。
ーーーーユウト様ぁぁ。
ーーーユウトお兄ちゃんん〜。
ユウト「ふ、2人とも!!」
その時、レオがサーシャに近づき、耳元で囁く。
レオ「サーシャも、あれぐらい
積極的じゃないと、ユウトは、
気付かないよ〜〜」
ーーーーーな、なにがよ!!
サーシャはそう言うと、ユウトを、睨みつける。
ーーーーーう〜〜〜。
ユウト「ど、どうしたの!?」
サーシャ「別にッ!!何でもないわ!!」
サーシャは、背を向け先に歩いて行ってしまう。
ユウト「サ、サーシャ?」
レオ「ほら、2人とも離れて、
そろそろ街に、行こうか」
ーーーーーはぁーい。
ユウト「サーシャ、どうしたんだろう……?」
レオ「さぁ〜ね、便秘なのかもね〜」
ーーーーレ、レオ……。
レオ「やっぱり走ってる?」
ーーーーうん……。
レオ「結構離れてるのに、何で
聞こえたんだろう?」
ユウト「レオ……もう言わない方が良いよ……」
レオ「ユウト、こういう冗談も、必要なんーー」
物凄い剣幕で、走って来たサーシャが、
レオに飛び蹴りを喰らわす。
ーーーーーーブフォッ!!
レオは、吹き飛び、転がっていく。
ユウト「あぁ……レ、レオ…………」
サーシャ「ふん!!ユウト早く行くわよ!!」
ユウト「う、うん……」
レオ「イテテ………」
ユウトは、レオの方を見る、すると、
レオは、グッドサインをユウトに送ると、
それを見た、サーシャは、持っていた、
鞄を、レオ目掛けて投げる。
ーーーーーゴスッ。
鞄は、レオの頭に当たり、レオは
再び倒れるのだった。
ーーーーあうッ。
ユウト「サ、サーシャ!!
今、ゴ、ゴスッて、ゴスッていったよ」
サーシャ「フンッ、良いの!!懲りないレオが
悪いんだから!!
良いから早く行くわよ!!」
ユウト「そ、そうだけど……」
そう言うと、サーシャは、
ユウトの手を引き歩き出す。
ユウト「ジオ、シィーロ、ベル!!
レオをお願い〜!!」
ーーーーーは〜い!!
ベル「はい!後から追いつきます!」
そして、サーシャと、ユウトは
先に、街へと向かうのだった。
ーーーーーーーーーーーーー
ユウト達が、
街に着くと、貴族が騎士を引き連れ、
住民を集め、人だかりが出来ていた
ーーーー何かしら?
ユウト「いっぱい人が集まってるね……」
貴族「よく聞け!!!
これから言う特徴が、
一つでも、一致する者は、一緒に、
城まで来てもらう!!
逆らった者は、反逆の意思がある者とし、
地下牢に投獄する!!!」
ーーーーーーー
貴族「それでは、これから特徴をあげていく!!
まずは歳が、15〜16歳ぐらいの女である
瞳の片方が青色、もう片方が緑色である
髪色が金色である、これら特徴が、
一つでも当てはまる者は
この騎士の元へ、集まってくれ、そして、
騎士の指示に従い、王の元まで
一緒に、同行してもらう!!」
ざわつく、人だかりの後ろに、
サーシャは、不安になる。
サーシャ「一体、何があったのかしら?」
ユウト「周りの人達の、話を聞いてみる?」
ーーーーーええ……。
そして、人だかりの後ろにいる、住民達の、
話している所へ、ユウト達が、近づく。
「こんなに人を集めて、一体
何があったんだい?」
「どうやら昔、拐われた、王の双子の娘を、
探しているみたいだな」
「アイレ様とマイヤ様かい?」
「多分そうだろうな、ずっと
探されていたみたいだしな」
「そういえば、そんな事があったね、
早く見つかると良いんだけどね〜」
住民の話を聞いた、
サーシャが、震え、怯えた顔をする。
ーーーーーーーそ、そんな………。
ユウト「どうしたのサーシャ?」
サーシャ「ユウト、お願い、私を、隠して……」
そう言うと、サーシャは、
ユウトの胸に寄りかかると、ユウトは、
サーシャを隠す様に抱きしめる。
ーーーーーー大丈夫?
サーシャ「ええ……このまま
帰り道に向かって歩いて…」
ーーーーーーうん。
歩いていると、
サーシャの手が震えているのに気づき、
安心させようと、
ユウトは、サーシャの手を握りしめる、
サーシャは、ユウトの手を強く握り返す。
ーーーーーー
街から、離れようとするユウト達に、
近くの騎士が、動きに気が付き、呼び止める。
騎士「おい、そこのお前達、何処へ行く気だ?」
呼び止められると、サーシャは、涙を流し、
ゲートを開き、片目の瞳の色が、緑色に、変わる。
ーーーーごめんなさいユウト、ベルを守って。
ユウト「サーシャ?」
ユウトは、サーシャの体を強く抱きしめる。
サーシャ「ありがとうユウト、
貴方の、その優しさが、本当に……」
“イル…テンペスト“
サーシャが、唱えると、風が辺りを包む。
騎士「おいッ、アイツらを捕らえろぉぉ」
そして、サーシャは、
風を放ち、ユウトを吹き飛ばす。
ーーーーーー大好きよ。
ユウト「サーシャーーー!!!」
小屋の方へ、吹き飛ばされたユウトは、
風のゲートを開き、宙に浮かぶ。
ーーーーーーーサーシャ!!!!
その時、街に向かって歩いていた、
レオ達が、突風で飛ばされて来た、
ユウトに気付くと、手を振り、呼びかける。
レオ「ユウト〜〜」
ジオ「ユウト様〜〜」
ベル「ユウト〜〜」
シィーロ「ユウトお兄ちゃん〜〜」
ーーーー皆んな!!
ユウトは、レオ達の元へと飛び、
街での事を説明する。
レオ「何だって!!?
ベル、小屋へ戻って、この街を、
出る準備をしよう」
ーーーーは、はい………。
ユウト「レオ!!僕は、
サーシャを、助けに行く!!」
飛び去ろうとするユウトを、レオは、
手を掴み、引き止める。
レオ「ユウト!!待つんだ!!
たった1人で、
国を相手にする事になるんだ!!」
ユウト「レオ!離して!!
それでも僕は、サーシャを!!」
その時だった、ユウトの頬が叩かれる。
ーーーーーーパァン。
レオ「ジ、ジオさん!?」
ジオ「お許し下さい、ユウト様……」
ーーーーーうん。
ジオ「この無礼、どの様な罰でも、
お受けいたします」
ユウト「ごめん、ジオ……
僕が、悪いんだ、落ち着いたよ、
ありがとう……」
ジオ「いえ、出過ぎた真似をしました……」
レオ「それより、急いで、小屋へ戻ろう、
ユウト、ベル、風の魔法で
皆んなを、運んで貰えるかな?」
ユウト「うん………」
ベル「はい………」
2人は、風のゲートを開き
ベルが、唱え瞳が輝く
“イルテンペスト“
ユウト達は、宙に浮かぶと、
小屋へと向かうのだった。
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