第29話 君は僕を救う 貴方は私を救う



 


ユウトが、覚ますと、サーシャに、膝枕をされて

横たわっていた。



「サーシャ!!」


ーーーーーーーふぇっっ………。


サーシャは、ユウトが目を覚ました事にではなく

目を覚まし、自分の名前を叫びながら、

目を覚ました事に驚き、頬を赤らめる。



レオ「良かったね、

   サーシャ、一番に呼ばれて♪」


レオは、ニンマリと笑い、サーシャを、茶化す。


サーシャ「う、うるさいわねっ!!」


レオ「はいはい、邪魔者は、退散するよ〜〜」


そう言うと、レオは、皆んなを連れて、

扉の外へと出て行く。


ーーーーーーユウトお兄ちゃん〜。


ーーーーーーユウトさまぁ〜〜。


レオが、ジオとシィーロを連れて行き、

扉を閉める。



レオ「はいはいまた、後でね〜」


その様子を見た、ユウトは、

皆んなが、無事だった事に、安心する。


ユウト「あはは、皆んな無事だったみたいだね」


ーーーーーうん。


ユウト「良かった……ごめんねサーシャ、

    来るのが、遅くなっちゃった……」


サーシャ「うんうん、そんな事ない、

     ありがとうユウト………」


そう言うと、ユウトの、顔にポツポツと

涙がこぼれ落ちる。


ーーーーーーサーシャ?


サーシャ「ご、ごめんなさい」



ーーーーー大丈夫だよ。


そう言うと、サーシャの、頬に触れる。


ユウト「本当に、サーシャが、無事で安心したよ」


サーシャは、ユウトの手を握り、

更に大粒の涙を流す。


ーーーーねぇ、ユウト。


ーーーどうしたの?


「ユウト、貴方なら、

 きっとベルを、守ってくれるから、

 私は、どうなっても良いと思っていたの……」


ーーーーーうん。


「でもね、でもね……

 私は、心の何処かで、ユウト、助けてって、

 助けを求めていたの……」


ーーーーーうん。



「どうなっても良いって思ってたのに、

 ユウトが、助けに来てくれたって聞いた時、

 わたしは………」


ーーーーうっ、うっ……凄く嬉しかったの。


ユウトは、起き上がると、サーシャに、

優しい顔をして言う。


「うん、良かった、

 サーシャ、僕はね、どんな事があろうと、

 必ず君を守るよ」



ーーー何故なら、君は、僕を救ってくれたから。


「私は、ユウトに、何もしてあげれてないよ?」


「そんな事ないよ、僕は、

 君に命を救われたんだ、だから、

 僕は、君を救う為に、何だってするよ」



ーーーーもう、バカッ。


そう言うと、サーシャが、ユウトに飛び付き、

押し倒すと、

ユウトの体の上に乗り、しがみつく。


ーーーーーサ、サーシャ!?


サーシャは、顔を赤くして言う。


ーーーーー抱きしめて。


「う、うん……」


ユウトも、顔を赤らめながら、

サーシャを、抱きしめると、サーシャが、

ユウトの、胸に耳を当てる。


「少しこのままで居させて……」


ーーーーう、うん。


サーシャは、ユウトの心臓の音を聞くと。


ーーーーーーふふふ。


「ドクドク言ってる」


サーシャの言葉に、ユウトは、更に顔を

真っ赤にする。


ーーーーーーう、うん。


そして、しばらくすると、サーシャは、

ユウトの温もりに安心して、

眠りについていたのだった。


ーーーーサーシャ。


ユウトは、サーシャの、頭を撫でると、

抱き抱え、奥の、王の寝室に寝かせる。


「サーシャ、お休み」


ーーーーームニャムニャ。


そして、サーシャの、頭を撫で、

寝室から出ると、レオが待っていた。


「ユウトお疲れ様」


ーーーーーありがとうレオ。



ユウト「僕は、途中で、意識が無くなってた?」


レオ「うん、黒い炎が渦巻いたと同時に、

   精霊とユウトが意識を、

   失ってた様に見えたよ」

   


ユウト「そっか、レオが止めてくれたの?」


レオ「僕じゃないよ、ビルさんが、

   魔法で動きを止めて、

   サーシャが、必死にユウトに呼びかけて、

   そして、あつ〜いキスをね」


ーーーーえっ、そうなの!?


ユウトは、キスをされた事を、

聞いて、顔を赤らめる。


レオ「そうだよ〜、

   後で、お礼を言ってあげてね〜」


ーーーーーうん……。



レオ「それじゃあ、ユウト、みんなが待ってる、

   行こうか?」


ーーーうん!



そして、広間に行くと、一同が、

ユウトの事を待っていたのだった。



ジオ「ユウト様ぁぁぁーー」


シィーロ「ユウトお兄ちゃんーー」


ジオとシィーロが、ユウトに抱きつく。


ユウト「ジオ、シィーロ、無事で良かった」


ジル「ユウト、よく頑張ったね」


ユウト「父さん、母さん!ありがとう、

    来てくれたんだね」


ビル「あぁ、息子の勇士を見届けにな!」


そう言うと、ビルと、ジルは

ユウト達を、強く抱きしめる。


ビル「本当に、やり遂げるとは、

   流石、俺達の自慢の子供達だ!!」


シィーロ「く、くるしぃ〜よ〜」


ジル「あら、良いじゃないの〜〜」


ジオ「ユウト様ァァァァ〜〜」


ユウト「ジ、ジオ、く、くるしぃ〜」



ーーーーーーーーー


ビルス「レオ様、ベル様、これからですな」


レオ「そうだね、問題が山積みだね……」


ーーーーーーええ。

    

 

「話し合いの場はどうされますか?」


ーーーーーーーーーーーいや。


「今日は、皆んな疲れてると思うから、

 休ませてあげよう」


ーーーーーーーーそうですな。


「ビルスさん、例の件だけは、

 お願い出来るかな?」


ーーーーーーーーはっ。



「反乱が起きる前に、迅速に対処しておきます」


ーーーありがとう、疲れてるのにごめんね。


ベル「ビルスさん、お願い致します」


「いえ、それでは、レオ様、ベル様、

 行って参ります」


ーーーーうん、お願い。


そして、一同は、疲れて、

すぐに眠りにつくのだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


夜が明け、日が昇る。


目を覚ますと、隣で

サーシャが、椅子に座って、ユウトを見ていた。



「おはよう、ユウト〜♪」


ユウトは、目を擦りながら、

大きなアクビをする。


ーーーーーーーふぁ〜〜。


「おはよう、サーシャ」


「よく眠れた?」



ーーーーーーーーーうん!


レオの言葉を思い出すと、

ユウトは、顔を赤らめ、サーシャに、聞く。


「あ、あの、サーシャ………」


ーーーーーーどうしたの?



「僕が、意識を失ってる時に、

 必死に呼びかけてくれて、

 そ、その、キ、キスをしてくれたって……」


途端に、サーシャの顔が、真っ赤になり、

慌てて誤魔化してしまう。


「え、ええ、そ、そうなの、

 あ、あの時は、ひ、ひひ、必死でね」


「そ、そうなんだ、あ、ありがとう、サーシャ」


「だだだだ、大丈夫よ、ききき、気にしないで」


「う、うん、ありがとう………」


ユウトと、サーシャは、恥ずかしさのあまり

下を向き、顔を真っ赤にする。


「あああ、あのねユウト………」


「ど、どうしたの?」


その時だった、扉が開き、

サーシャは、驚き声を上げる。


ーーーーガチャッ。


ーーーーヒャッッ。


レオ「2人ともおはよう!

   ごめん、取り込み中だった?」


サーシャ「べべべ別に、大丈夫よ!!」


ユウト「う、うんっ!!」



レオは、真剣な顔をして、話をする。



ーーーーーーそれじゃあ。


「ユウト、急ぎで悪いんだけど……」


ーーーーーどうしたの?



レオ「君が、意識を失っている時、

   起こった事を、話しても良いかな?」


ーーーーーーーうん、お願いレオ。


ーーーーそれじゃあ、昨日………


   



























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