第16話 お姫様
ユウトとレオは、帰りを急ぐ、
何故なら、日が沈み、遅くなると、
ジルの『デコピン』が待ち受けているからだ、
日が沈む前に、何とか、小屋へと、たどり着く。
ーーーーーーーはぁはぁ。
レオ「ま、間に合ったね」
ユウト「うん、良かった」
2人は、息を整え扉を開くと、
ジルが、晩ご飯の準備をしていた所だった。
ジル「あ、おかえり〜
あんた達、遅いから、ちょうど
探しに行こうかと、思ってたんだよ」
ユウトは、胸に手を当て、ホッと安心していると、
サーシャが、ユウトに近づき、耳元で呟く。
サーシャ「良かったわね、お仕置き、免れて」
ユウト「う、うんギリギリセーフだったよ…」
そうして話していると、レオが、サーシャに、
頼み事をしようと話しかける。
レオ「そ〜いえば、サーシャ
お願いがあるんだけど、良いかな?」
サーシャ「え?な、何よ!」
レオ「実は、ユウトは、この世界の、
字が分からないみたいだから、
お風呂の後にでも、
毎日、先生になってあげてよ」
レオは、ニヤリとしながら言うと、
ベルが、その話を聞くと、
レオにグッドサインをおくり、口パクで言う。
(ナイス〜レオ〜)
サーシャは、腕を組み、照れ隠しで強気に言う。
サーシャ「そ、そ〜なんだ、
別に、教えてあげても良いわよ」
ユウト「え、良いの?」
サーシャ「え、ええ、良いわよ」
その時、話を聞いていたシィーロがサーシャに、
しがみつきお願いする。
シィーロ「え〜、サーシャお姉ちゃん〜、
シィーロにも、教えてよ〜」
それを聞いたベルが、慌ててシィーロに言う。
ベル「シィーロ、ベルお姉ちゃんが、
教えてあげるね!」
シィーロ「うん、わかった〜♪」
ベル「ジルさん、
ここの机借りても良いですか?」
ジルは、ご飯を運びながら答える。
ジル「別に、構わないよ〜」
ベル「じゃあ、シィーロ、私と一緒に、
お勉強しましょう♪」
そう言うとベルは、シィーロの頭を撫でる。
シィーロ「お、べんきょ〜う♪」
シィーロは、
尻尾を、振りながら飛び跳ねると、
ご飯を、運び終わりジルが呼びかける。
ジル「さぁ、ご飯だよ!!
座って、早く食べな〜」
ーーーーーーーはぁ〜い。
ビル「よぉ〜し、酒だぁぁ〜」
ジル「はいはい」
そして、ユウト達は。
食事を済ませると、食器を片付け
お風呂へ入るのだった。
レオ「ユウトそろそろ、小屋に戻って
奥の部屋で、
サーシャを、待ってあげて」
ユウト「うん!じゃあ先に出てるね」
レオ「うん、また後でね」
レオは考えるのだった、
これからの事を考えるのだった。
(さぁ、これからどうしよう…
魔法の修行も少しずつ、していかないと、
いつ奴らが、気付くか分からない、
備えておかないと……)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その頃、
ユウトは、身体を拭き、着替えて、小屋へ戻り、
奥の部屋の扉に、手をかけると緊張する。
(き…緊張する……)
誰かと一緒に、勉強を、した事がなく、
その為、緊張していたのだった。
そして、部屋へと入ると、
綺麗に整頓された机、本棚、
ベッドには、ぬいぐるみが、いくつか並んでいた。
椅子に座り、サーシャを待っていると、
扉が開き、サーシャが部屋の中に入る。
サーシャ「ふぅ〜、ユウトお待たせ♪」
サーシャは、ユウトの隣に座り、
本を開き、羊皮紙と羽根ペンを、準備する。
ーーーーーーよいしょっと。
サーシャの髪から、石鹸のほのかな香りに、
ユウトは、思うのだった。
(サーシャ、良い匂い……)
サーシャ「ん?どうしたの?」
ユウトは、いつの間にか、
サーシャに、顔を近づけてしまっていた。
ユウト「ご、ごめんサーシャから、
良い香りがして……」
サーシャ「へっ?」
サーシャは顔を赤くし、照れながらいう。
サーシャ「あ、ありがとう……」
サーシャは、手で顔を仰ぎ、恥ずかしさを
誤魔化す様に、勉強を始める。
サーシャ「そ、そんな事より、始めましょうか」
ユウト「う、うん、お願いします…」
そうすると、サーシャは、羽根ペンを持ち、
羊皮紙に、一通り文字を書いていく。
サーシャ「よしっ書けた♪
まずはこの羊皮紙の文字を、読み書き、
そして、少しずつ、
本を読めるようになりましょう!」
ユウト「うん!」
ユウトは、この世界の文字を書き、
その隣に、
ひらがなを書いて、読み書きをしていく。
サーシャ「この文字は、なに?」
ユウト「これはね、僕の世界の文字なんだけど」
サーシャ「へぇ〜、これが、
ユウトの世界の文字なんだ〜」
ユウト「うん!この方が覚えやすいと思って」
サーシャ「そうね、でも、無理せずに、
少しずつ覚えていきましょう」
ユウト「うん!」
そして、
サーシャは、一つ一つ、ユウトの事を褒めていく。
サーシャ「そうそう、中々、覚えが早いわね!」
ユウトが、何度か文字を書き終え、
サーシャに声を掛けると。
ユウト「サーシャ……?」
サーシャは、気持ち良さそうに、
眠っていたのだった。
サーシャ「……むにゃ…むにゃ」
ユウト「ありがとう」
小声で言うと、サーシャをベッドに、運び
布団を掛ける。
(サーシャ、ありがとう、お休みなさい)
そして、羊皮紙、羽根ペン、本を
片付けていると
ベルと、シィーロが勉強を終え、
部屋に戻ってくる。
シィーロ「ユウトお兄ちゃん〜♪」
シィーロは、ユウトに、抱きつくと、
ユウトは口に人差し指を、当て、小声で話す。
ユウト「シィーロ、ごめん、サーシャが、
眠ってるから」
サーシャを見て、目を擦りながら、
シィーロも小声で、言う。
シィーロ「ごめんなさい……シィーロも
疲れたから寝るね、お休みなさい…」
ユウト「うん、大丈夫だよ、お休み、シィーロ」
そう言うと、シィーロは、ベッドの中に入り眠る。
ベル「ユウトさん、お姉ちゃん
を運んで下さったんですね」
ユウト「うん、凄く気持ち良さそうに、
眠ってたから」
(お姉ちゃん、お姫様抱っこされて
この事、知ったら喜ぶだろうなぁ)
ユウト「ベル、そろそろ戻るね」
ベル「はい、ありがとうございます
お休みなさい」
ユウト「お休みなさい」
ユウトは、部屋へと戻る。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その時
レオが、考え事をしながら、
ユウトの、戻りを待っていた。
レオ「ユウト、お帰り
勉強は、どうだった?」
ユウト「凄く分かりやすく教えてくれたよ!」
レオ「それは良かった!ユウト、
実は、明日からなんだけど」
ーーーーーうん、どうしたの?
ユウト「畑仕事の後に、トレーニング、剣技
の修行をやるよね?」
ーーーーーうん。
レオ「その後、なんだけど
少し魔法の修行もしてみないかい?」
ユウト「魔法の修行?」
レオ「そう、ユウト、ゲート全部を、
上手く、使える様にした方が
良いと思うんだ」
ユウト「確かに、そうだね……」
レオ「それじゃあ、明日から、
一緒に頑張ろう!」
ーーーーーーうん!
レオ「じゃあ、今日は、
もう遅いから寝ようか……」
ユウト「うん、レオ、また明日頑張ろう、
お休みなさい……」
ーーーーーーーふぁー。
大きなアクビをしながら、
布に入ると、眠りにつく。
その頃、ある所で、
悪巧みを企んでいるものがいたのだった。
『ぶひゃ、ぶひゃ、あのガキ覚えてろよ
絶対に、絶対に、殺してやる…ぶひゃひゃ』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
それから、ユウトとレオは、
畑仕事、トレーニング、剣技の練習
魔法の修行、休日には、レノのところに行き。
修行をつけてもらい、
修行の後には、皆んなで出掛けたり、
お風呂の後に、サーシャにこの世界の文字を
教えて貰ったり、
ユウトは、忙しいが、楽しい時間を過ごした。
それから、
2ヶ月ほど過ぎた、ある日の休日に、
レノの所で、ユウトとレオは、模擬戦をしていた。
レノ「なかなかやるじゃね〜の、坊主達が、
こんなに早く上達するとは、
思ってなかったなぁ〜」
ユウトとレオは、
激しく木刀をぶつけ合う。
レオ「ユウト、やっぱり君は強いね、
でも、負けないよ!!」
ユウト「レオ!僕も負けられないよ!!」
何度も何度も、木刀をぶつけ合い
お互い、一歩も譲らない状況が続く。
そして、木刀がぶつかる時、
レノが両手で手を叩く。
ーーーーーパン。
レノ「よしっ、今日は、ここまでだ、
朝早くから、よく頑張ったな」
ーーーありがとうございます!!
レノは、ユウトと、レオに、水とタオルを渡す。
ーーーーーーほらよっ。
レノ「汗拭いて、早く行ってやりな、
嬢ちゃん達が、街で待ってるんだろ?」
ーーーはいっ!!ありがとうございました!!
ユウトと、レオは頭を下げお礼を言うと、
レノは、家の中に入っていく。
そして、ユウト達は、木刀を片付け、
待ち合わせ場所の、噴水広場へ、大急ぎで向かう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その頃、噴水広場では、
サーシャ、ベル、シィーロが
噴水の腰掛けに座り、ユウト達を、待っていた。
シィーロ「サーシャお姉ちゃん、今日は、
どこに行くの〜?」
サーシャ「ん〜〜、今日は、まず、
ツツミップに行きましょう!」
ベル「ツツミップ!丁度甘いのが食べたい〜
思ってた!!」
そうして、話しているとユウトと、レオが、
息を切らしながら、噴水広場へたどり着く。
ーーーーーーーーーーはぁはぁ。
ユウト「ご、ごめん」
サーシャ「おそ〜い!!」
ーーーーーーーーはぁはぁはぁ。
レオ「ごめん、ごめん、
全力で走ったんだけど……はぁはぁ」
ベル「全然大丈夫ですよ!
実は、レオ、私達も
さっき来たばかりなので」
サーシャ「ベル〜、言ったらダメよ〜
せっかくレオに、ツツミップを、
奢らせようと思ったのに〜」
レオ「大丈夫だよ、
待たせたのには変わりないから、僕達で、
3人に、ツツミップをご馳走するよ!」
サーシャ「やったぁ〜♪ツツミップ〜〜♪」
ベル「良いんですか?レオ、ユウト?」
ユウト「うん!」
レオ「大丈夫だよ」
その時、シィーロが、ユウトの服を、
ちょんちょんと、引っ張り言う。
シィーロ「ユウトお兄ちゃん〜、行こうよ〜」
ユウトは、シィーロの頭を撫でて、
優しい顔をして言う。
ユウト「よしっ、行こうかシィーロ」
シィーロ「うんっ♪」
そして、5人は、市場にある
『ツツップ』へと向かう。
だが、ユウト達の後ろに、3人の怪しい影が、
後を、ついていくのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます