第13話 帰り道



 日が沈み、

 帰り道を歩いていると、遠くで光が見える。


サーシャ「すっかり、遅くなっちゃったわね…」


ユウト「サーシャ、ごめんよ……」


サーシャ「もう、謝らないの!ユウトは、

正しい事をしたんだから」



ユウト「ありがとう、サーシャ……」


そうして歩いていると、4つのランプを持った、

人影が近づき、1人の人影が、

ユウト達に、呼びかける。



ジル「あんた達!!心配したんだから!!」


ユウト「ジ、ジルさん……!」


4人の人影は、ビル、ジル、レオ、ベルだった、

ユウトと、サーシャを心配した、ジル達が、

ランプを、持ってユウトと、サーシャを

探しに来ていたのだ。


レオ、ベル「良かった……」


ビル「ほら、無事だっただろ

   ジルは、心配し過ぎだ!」


ジル「心配するに決まってるだろ

  こんな遅くまで、帰ってこないんだから!!」


そう言うと、ジルは、右手の人差し指を、

ユウトの、おでこに当てる。


ジル「全く、2人には、お仕置きだね…フフフ」


ユウト「えっ!?」


そう言った瞬間、ジルは指を弾き、

音が、響き渡る。


ーーーーーーーーーーーーーーパァァァン。


ユウトは、額を抑え悶えるのだった。


ユウト「あぅぅぅーーーーーー」


そして、ジルは、ジロリとサーシャの方を向くと、手を構え、近づいて行く。



ジル「フフフ〜、次は……サーシャだね〜〜〜〜」



サーシャは、怯え、必死に、両手を振り

後退りする。



サーシャ「ちょっ、ちょっと、待ってぇぇ」


その時、ユウトは、額を押さえながら叫ぶ。


ユウト「ジルさんごめんなさい!!

    僕が悪いんです!!」


ジル「ん?」


ジルは、ユウトの話を聞く為、

歩みを止める、そして、ジルに、

今日の出来事を話す。



ジル「全く、そんな無茶して……

   シィーロちゃんかい?おいで……」


シィーロ「うん!!」


ジル「ほら、ユウト、サーシャも……」


手を広げ、3人を強く抱きしめると、

3人は、ジルの温もりに、涙をながす。


シィーロ「うっ、うぅぅ……」


ユウト、サーシャ

「ジルさん…ごめんなさいぃぃ……」


ジル「はいよ、でも、もう無茶だけは、

   しないように、凄く心配したんだから」


「はいっ……」


ジル「さぁ!帰ってご飯を食べようか!!」


ユウト「うん……」


ビル「さぁ!帰ってめしだぁ!!」


ジル「よしっ!帰ろうか!!」


ジルは、3人の頭をポンポンと、優しく触る。

 

「うんっ」


帰り道を、歩いている時だった、

レオが、シィーロに、自己紹介をしようと近づく。


レオ「シィーロちゃん、宜しくね!!

   僕は、レオ=アイモア宜しくね」


シィーロは、恥ずかしがり、

サーシャに、隠れながらレオに、挨拶をする。


シィーロ「レオお兄ちゃん……お願いします…」


そして、ベルも、近づき自己紹介する。


ベル「私は、ベル=ミューネ、

   シィーロ!宜しくね!!」


シィーロ「サーシャお姉ちゃんと、同じ?」


サーシャ「そう、ベルは、私の、妹なのよ♪」


サーシャが、そう言うと、シィーロは、

ベルに笑顔を見せる。


シィーロ「そうなんだ!!ベルお姉ちゃん!」


ベル「うんっ!宜しくね!!」


シィーロ「うんっ!」


シィーロは、ベルと、サーシャと、手を繋ぎ歩く。


レオが、ユウトを心配して、声をかける。


レオ「ユウト、別れた後、

   色々あった、みたいだね……」


ユウト「うんっ…そうなんだ……

    レオ、後で聴きたい事が、

    あるんだけど、良いかな?」


レオ「うん、また、お風呂で話そうか!」


ユウト「ありがとう、レオ」


ユウトと、レオが話していると、

サーシャが、レオに凄い剣幕で言う。


サーシャ「そ.う.い.え.ば.レ.オ.

     また、同じ事したら、

     覚悟はしておきなさい!ベルもよ!」


ベル「う……うん……」


レオ「わっ、悪かったよ……」


ユウト「え?何かあったの?」


レオ「い、いや何でもないんだ…」


ユウト「わ、分かった……」


サーシャが、すごい剣幕で睨んでいて

ユウトは、何かを察して

深くは、聞かない様にするのだった。


そして、古屋に着くと、ジルが、準備してあった、

料理を運ぶ。


ジル「さぁ、あんた達!手を洗って来な〜」


ユウト達は、手を洗い、席に着き、

手を合わせる。


ーーーーーーーーーいただきまぁす。


ビル「さぁ、メシだ酒だぁ!!!」


そして、シィーロが、ご飯を口に入れると、

涙を流す。


シィーロ「おいしいぃぃ……うっ、うっ…」


シィーロは、感動し、

涙を流しながら食べ進めていく。


ジル「本当かい?良かったよ、

   こんなにも喜んでもらえて」


シィーロ「うんッ!!すっごく美味しいよ!」


ジルは、優しい顔をして、シィーロの頭を撫でる。


ジル「おかわりもあるからね、いっぱい食べな」


シィーロ「いっぱいだべるぅ〜〜!!」


ユウト「ジルさん!おかわりぃ!」


ジル「はいはい♪あんたもう一杯飲むかい?」


ビル「おう!!」



そして、ユウト達は、ご飯を食べ終わると、

食器を片付け、お風呂に入る。


レオ「ふぅ〜、今日は色々大変だったね…」


ユウト「うん……

    レオさっきの話なんだけど……」


レオ「どうしたの?」


ユウト「肩の刻印を、見て欲しいんだけど…」


そういうと、ユウトは、レオに肩を見せる。


レオ「え!?刻印が無い!?」


ユウト「うん、必死に魔法を、出そうとしたら、

    肩が熱くなって……

    何が何だか分からないけど……」



レオ「そうか……もしかしてって、

   思ってたんだけど、ユウトは、

   7つの魔法が、使えるんじゃないかな?」


ユウト「そ、そうなの?」


レオ「うん!この世界にはね、1人だけ

   7つのゲートを持つ、人が居るんだけど、

   その人も、使う魔法によって、

   瞳の色が、変化するんだ」


ユウト「自分じゃ分からないけど

    僕の瞳の色、変わってるの?」


レオ「うん、今日の朝、地のゲートを開いた時、

   ユウトの瞳が、茶色に変化してたし、

   後、この封印の刻印は、光の魔法でしか、

   破れないはずだから」


ユウト「そ、そうなんだ、じゃあ、

    皆んなの刻印も、消す事が出来るかな?」


レオ「うん、出来ると思う、

   あの道具は、闇の魔法が、込められてる、

   厄介なのが、

   例え、光の魔法を使えたとしても

   上位のゲートを持つ人にしか、あの刻印は、

   消す事が出来ないんだ……

   だから、ユウト、君は各それぞれの、

   強いゲートを、持っているのかもしれない」


ユウト「そうなんだ……光の魔法……

    レオ、君の刻印を、消してもいいかな?」


レオ「うん、お願い!」



ユウトは、レオの肩に手を置くと、

イメージをする。


(刻印が闇って事は、闇を祓う、

           光をイメージしよう)


光のゲートが開かれる

瞳は、透明になり、瞳が光を放つと、

レオの、肩の刻印が消えていく。


ユウト「ふぅ〜〜、レオ、ど、どうかな?」


レオは、試しに、炎のゲートを開き、

手から炎を出すと、驚く。


レオ「す、凄いユウト!封印の刻印は、

   アテナ王国に行かないと、解けないって、

   諦めてたんだ!!ありがとうユウト!!」


そう言うと、レオは、ユウトに抱きつく。



ーーーーーーーーーーーーーバシャン。



ユウト「うん!!良かった!!」

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