第6話 7つの国

 


サーシャの話が、終わると、

ユウトの目から涙が、流れ出ていた。


サーシャ「な、なんであんたが、泣いてるのよ!」


ユウト「ご、ごめんいつの間にか涙が……」


ユウトは、涙を拭う。


ユウト「2人に、そんな

    辛い事があったんだね……」



サーシャは、大きなため息をつく。


ーーーーーーーはぁ〜。



サーシャ「この世界はね、人を、

       物の様に扱う世界よ……」


ユウト「奴隷の事?」


サーシャ「それも、そうだけど、他にも、

     色々あるのよ……」

  


(この世界で、皆んな辛い思いを、経験しているのに、僕は、あの時、飛び降りようなんて……)


レオ「実は、僕が2人を逃す時、

   ヘマをしたせいで

   2人とも……捕まってしまったんだ…」


ーーーーー本当よ!レオのドジ!


ベル「お姉ちゃん、レオは悪くないよ…

     私が見つかったせいだから……」


ベルは、そう言うと、涙目になり、

悲しげな顔をする。


サーシャ「もう、この話はお終い、

     私達は、もう寝るわ!休みなさい!!」


サーシャは、そう言うと、

奥の部屋へと、向かっていった。


ーーーーーーーお休みなさい。


ベルは、頭をペコペコと下げ、

サーシャの、後をついて行く。


ーーーーーーーお休み。


サーシャ達が、居なくなった後、

レオがユウトに問いかける。


レオ「ユウト、まだ、他にも話が

    あるんだけど良いかな?」


ーーーーーうん、大丈夫だよ。


レオ「この世界の、国の名前を、

   説明していこうと、思うんだけど

   ちょっと、待ってて……」


ーーーーーーうん、ありがとう。


そう言うと、レオは近くの棚に手をかけ、

棚から、紙を取り出して、

床に広げ、一つ、一つ

指を差して、国の名前を説明していく。


 



レオ「この世界には、7つの国があるんだ、

   テオドラ、アテナ、クロノス、ドール、

   イスパニア、フィーネ、ガリア

   そして、僕達がいる国、テオドラ、

   リューネ王が、治めている国だよ」


ーーーーーー7つの国……?


ユウトは、地図を見つめ、

一つ一つ確認していく。



(テオドラ、アテナ、クロノス、ドール

 イスパニア、フィーネ、ガリア、テオドラ……)


レオ「ユウト、大丈夫そうかな?」



ユウト「うん!ありがとう!

      何とか大丈夫だと思う」


レオ「じゃあ、後は、ユウトの世界にも、

   使われているか、

   分からないけど、これかな」


レオは、手のひらを前に出し、

その手のひらから小さな炎が出る。


ユウトは、手の平から出た、炎に驚き声を出す。


ーーーーーーうわぁ!


レオ「ごめん、ごめん、驚かしちゃったね」


ユウト「う、うん、びっくりしたよ」


レオ「この世界には、魔法があるんだけど

     ユウトの世界にはあるかな?」


ユウト「僕の世界には、無いかな……

     魔法なんて、初めて見たよ……」



レオ「そうなんだ、それじゃあ魔法ことを

     説明するね!」


ーーーーーーうん、ありがとう。


レオ「魔法なんだけど、他に

   地、水、火、風、雷、闇、光の

   7つの、魔法があるんだ、魔法は、

   体のゲートを、通して使えるんだけど」


ーーーーーーー体のゲート……。



レオ「そう、それと、どの、ゲートが、

   使えるかは、

   瞳に強く色が、出るから

   瞳の色を見れば、一目瞭然さ!」


(レオは、赤色だから、炎、

         サーシャと、ベルは………)


ユウトは、サーシャと、ベルの、

瞳の色を思い出し、答える。 



ユウト「それじゃあ、サーシャとベルは、

    水と風って事?」」


ーーーーーーうんっ、正解!



レオ「それと、もう一つだけ、

   誰も見た事のない、魔法があるんだけど

   この世界で、1人だけ、時を操る魔法を

   持って生まれるって、言われてるけど、

   誰も見た事がないから、

   神話の魔法って、

   言われてる魔法があるんだ」


ユウト「と、時を操るなんて……す、凄い」



 レオ「うん、まぁ誰も、見た事がないって、

    言われてるから、本当かどうかは、

    分からないんだけどね♪」



ユウト「そうなんだ…レオ一つ、

    聞きたい事があるんだけど良いかな?」


ーーーーーーうん、大丈夫だよ。


ユウト「皆んな、魔法が、

    使えるんだったら、ここから、

    逃げ出す事が、出来るんじゃないの?」



レオ「うん、確かに、魔法が全力で使えれば

   逃げ出す事もできると思う……

   だけど、逃げ出す事が、出来ないように、

   皆んな、捕まった後に、肩に、魔法を

   封印する刻印が、押されるんだ……」


ユウト「そういえば、僕も、ここに来る前に、

    肩に、押し当てられたけど、

    あれが、そうなのかな?」


レオ「うん、あの道具で、肩に刻印を、

   押されたら最後、奴隷として、

   一生を、終えると思う、

   酷い、主人だと、鎖に繋がれ、

   逃げ出そうと、考えないように、

   調教されるらしい……」


ユウト「この世界では、そんな事が

    行われてるんだ………」



レオ「そうなんだ……

   だから、封印の刻印がある限り

   魔法は、ほんの小さな魔法しか、

   使うことが、出来ないんだ」



ユウトは、封印の刻印の話を聞き終わると、

残念そうに肩を落とす。


ーーーーーそうだよね……。


レオ「でもユウト、そんなに落ち込まないで、

   僕達の主人なんだけど、

   悪い人ってわけでも無いんだ」


ーーーーーーーそうなの?


レオ「うん、5日間、畑仕事をした後に、

   2日間休みをくれるんだ、

   後、美味しいご飯も出してくれるし、

   奥さんのジルさんも、優しい人だよ」


レオは、落ち込むユウトの肩に手を置き励ます。


レオ「まぁでも、ビルさんの容姿を見る限り

     悪人だけどね♪アハハ」


ユウト「た、確かに……怖かったよ…」


レオは、ユウトの、瞳を見て

真剣な顔をする。


レオ「ユウト、君の瞳は、あの人と、同じだね」


ーーーーーーえっ、あの人…?


レオ「ユウト、君からは何か不思議な力を感じる、

   君が、ここに来た事が、

   運命の様な、気がするよ!」



ユウト「でもレオ、僕には、

     そんな力はないよ……」


レオ「ユウト……君は、

   まだ自分の力に、気付いて無いだけさ!

   よし、今日はもう寝ようか?」


ーーーーーうん、お休み、レオ。


レオ「お休み、ユウト」


レオは、ろうそくの火を消すと、

部屋の明かりが消える。



ユウト達は、布を被り、眠りにつく。

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