第33話 北海道知床半島沖の観光船「KAZUⅠ」沈没事故 運航会社の桂田精一社長(61)を業務上過失致死などの容疑で逮捕

【速報】北海道知床半島沖の観光船「KAZUⅠ」沈没事故 運航会社の桂田精一社長(61)を業務上過失致死などの容疑で逮捕 海上保安庁

     ーーーーーHBC北海道放送ーーーーー



 この報道を見て「おやっ」と思った。何故なら既に逮捕されていると勝手に思い込んでいたからだ。逮捕容疑は業務上過失致死である。事故発生当時、マスコミなどが「業務上過失致死を視野に操作を進めるものと見られる」と報じていたように記憶していたが、2年以上経過してやっと逮捕となった。

 国の運輸安全委員会は、「沈没の原因は確実に閉まっていなかった甲板のハッチから海水が流入したため」としているが、これは当初から報道されていた。そして「桂田容疑者が運航に必要な注意を怠るなどして事故を起こした」とも報道されていたと記憶している。逮捕するためには、証拠集め、裏付けが必要であるが随分と遅い逮捕と感じられる。

 でも容疑否認を主張すると考えている。「甲板のハッチが閉まってなかった」を検察がどうやって証明するのか。でも、警察が逮捕するに踏み切った訳だからそこら辺は大丈夫だと思うが、問題なのは、桂田社長が船の運航について知識がないにも関わらず、「安全統括管理者」の立場に就いていたと言うこと。知識無いのに安全統括管理者やって良いのかと言う疑問が湧く。知識がないからこそ、他の人が躊躇う状況でも安全統括管理者の立場で「安全」と判断した為に事故が発生したと推察できる訳だが、そもそも安全統括管理者を知識不足の人が名乗って良いものなのだろうか。調べてみると、「安全に関する業務の経験の期間が通算して3年以上である者又は地方運輸局長がこれと同等以上の能力を有すると認めた者」とある。と言うことは、この桂木容疑者は、地方運輸局長に認められ安全統括責任者になったと言うことになる。知識がないのにだ。これは安全統括責任者の在り方に問題があるようにも感じる。法律に問題があるかは置いといて、知識不足と思われる人物に安全統括責任者として認めた地方運輸局にも問題があると感じる。

 さて、この事故で今年7月、乗客14人の家族など29人は運航会社「知床遊覧船」と桂田精一社長に対し、慰謝料など合わせて15億円の賠償を求め札幌地裁に提訴している。容疑者が逮捕され、被害者家族からすればやっと事故解決に向けて動き出した。そして、まだ行方不明者が6名いる。一刻も早く発見されることを祈るほかない。

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