第8話

「あの…?」

返事すらしてくれないんだけど…

何か失礼なこと言ったかな


「…え?あ、初めまして、透李殿。アリアです。」

…疲れてるんかな


「アリアさん…ですか。珍しい名前ですね。」


「ああ…それは二次氏名ですからね。」

二次氏名って…やっぱり相当なお偉いさん。

ああ、ちなみに二次氏名って言うのは貴族とかが貰う栄光に近いもう一つの名前のことね。


「二次氏名ですか?貴女も持っているんですね、僕も持ってますよ。トール・リンスターです。」


「トール…隣国の司教に貰ったのですね。」

⁈なんでわかったん!?


「どっ…どうしてそれを!?」


「トール・リンスターは隣国に昔いたとされる軍師の名から取ったものでしょう。…全くあいつがつけそうな名前だわ。」

やっぱり記憶力化け物だよこの人。にしても、


「あいつ?」


「いえ、なんでも。因みに私の隊にいる部下も全員二次氏名は持ってますよ。身分が低くとも戦果が認められれば官位と共に自然とついてくるものですから。」


「教えてもらえますか?」


「?ええ。ユラン・カイラシス、ユアン・カイラビス、カイト・リンスター、リリアーナ・フランチェスカ、カメリア・サテリジアス、とか?まぁまだいろいろあるけど。」


「アリアさんの二次氏名はアリア、だけじゃないですよね。」


「…んー私のは長いのよ。短縮すると

アリア・シャーロットなんだけど

そのままだとアレクリディア・マレウス・ヴィル・シャーロット・ハイト・ロバエルン…ってなるから」


…なが

司教でもそんな名前そうそういないよ


「本当に長いんですね。」

でも、これが二次氏名なら元の名はなんだろう


「あの、アリアさんの本名って…」


「陛下、エスティア司教猊下がお見えです。」

は?司教?


「ん、司教か?連絡は来てないがまぁいいか。通せ。」


「…司教かとはなんだよ玲月さんよぉ?」


「何用だエスティア?」


「あーそうそうちと大事な話があってね。

悪いがトールは席を外してくれ。」


「やっぱりあんただったのねぇ。」


「なんだよ」


「いいやなんでも?」


「あの、じゃあ俺はこれで。失礼します。」

-また、あの時みたいに聞けなかった。







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