第7話 試験内容と・・・学園の実力
ビーーーーーーーーーーーーっと大きな音が鳴り響く
飛行系の能力者だろう何人かが飛び出した。
「こんなもん上飛べば楽勝じゃん」
と勢い良く加速するがすぐさま真っ逆さまに落ちていった。
魔法の効果消す結界か何かがあるようだ
「そんな楽なわけがないでしょう?」
髭が呆れたように言う
下手なことしないほうがいいとまた何人かがスタートする。
するとその様子を見ていた生徒たちが一斉に我先にとコースを走っていった。
「おいお前ら魔法オッケーだ。個々の強化系は切らすな、二人で切り抜けてこい。なるべく上位でだぞ!」
俺は2人に声をかける。
「ちょっと待てよ。お前はどうすんだよ。俺らを守るんじゃないのか?」
「悪いがここでの生活のため俺は全力で行く」
そう何事も優秀な方が待遇が良い、先生や生徒からもだ
パチンと指を鳴らす
30秒ほどしてゴールの音が鳴り響く
一着にゴールしたのは俺だ
こんなに早くクリアできるのかとコースを走っていたものすべてが足を止める
それと髭も驚いたように見ている。
原理は簡単だ。全力で防御魔法使い、全力で走ってくるだけ。
この程度の攻撃ならただ走ってるだけでダメージや障害物は効かない。
(コースの長さや細工。見た感じだとここの生徒レベルじゃ早くても5分で到着がいいとこだろう。)
さらに1分ほど経っただろうまたゴールの音が鳴り響く
「スザク様やはり2着のようです」
ゴールした一人が言う
「誰だ貴様…なぜ私より早い?」
こいつがスザクか?真っ赤な髪に鋭い目つき、いかにも俺様キャラだな。
「お前より優秀だったんだろ?」
嫌味を言った
(こんなに早くクリアできるやつが他にも…この学園舐めてたぜ)
「お前覚えておけ」
すぐさまどっかに行ってしまった
(にしてもさっきのやつらこの試験を2分か…取り巻き含め4人がクリアか早いな)
その後は予想通り早いもので5分前後だった。ロロ達はは7分上出来だ。この部屋の中では15番目ざっと4会場に分けられたとして60番目上々だ。
「やればできるじゃないか」
「ふざけんな死ぬかと思ったわ」
「試験で死ぬかよ」
「本当にやばかったです。少しおしゃべりな親切な人がいまして助けられました」
(ん?たまたまか…それとも…まぁいいか)
20分ほど過ぎ
「それでは次の試験にいたしましょう」
パンパンと手を叩く
次に出てきたのは机、多分筆記試験だろう
「休憩を兼ねて筆記試験です。カンニングはいけませんので魔法が使えないエリアになっていますのでくれぐれもずるはしないように」
と俺の顔を見ながら言う
(こんな魔障壁、壊してしまうのは簡単だがルール上するなと言われているからここはおとなしくしとくかな)
と余裕ぶったはいいがあの髭おやじめ!
まさかの問題で苦労する…なんてものじゃない、わからん!全然わからん!!なんで魔法学校の試験に歴史を入れてやがる、しかもここ500年ほどの歴史ばかり…
時間でーす
終了の合図が響く
3割は歴史問題だったと思う…あの髭殺す…と殺意むき出しで髭を睨んだ。
知らん顔をする髭を見て殴ってやろうかと思った。
落ち込んでいる裏腹にこの二人は
「満点だな」
めっちゃ余裕そうな笑顔をみせるロロ
「そうですね思ったより簡単でした。ルーシュ様に魔法学叩き込まれましたが3割程度も歴史とかラッキーでしたね」
「ラッキーだと?」
今にもキレそうだった
「何だルーシュ? もしかして1500年も寝てたのに歴史勉強してなかったとか?」
笑いをこらえている
「寝てたとか言うな、4,5日前まで1500年前だわ」
ヴィニーももにやけだして言う
「嘘ですよね?」
しまいに2人して大笑いしていた
(こいつらいつまでもネタにされそうなくらい笑ってやがる)
「ハイ一息ついでの試験でしたのですぐさま次に移りますよ」
髭の声が響く
また床が光る。
次は最初の広場に集められた。
「次の試験は魔力です。そこに見える素晴らしき私の石像と同じ物質……世界で最高の強度を誇るダニマイト石それをこちらに用意しましたので、それの破壊レベルで点数つける簡単なものです。ちゃんと囲ってありますので攻撃は本気でいいですからね」
試験内容は5mはあろう髭の石像と同じ物質の2m×2mの大きさの厚み50cmの板に傷をつける、といったものみたいだ。
適当な順番で試験を行っている。前衛は剣や格闘での攻撃、魔法を付与しているものそうでないもの、実力がはっきりと出る試験だ。最高の強度というだけあって未だに壊れたり真っ二つどころか目に見える傷にすらなっていなかった。
「なかなか硬い鉱石みたいだな、俺もこんな物質見たことないぞ」
俺が知らないものが多々あるこの時代は少し不便だなとつくづく思う
「はい、魔王の結晶とも言われていて魔王がいなくなった後に魔王の痕跡のある場所から発掘された物質と言われています。大変貴重でこんなことには使って良いはず無いのですが……」
ヴィニーが教えてくれる。
「傷が付けられない=また使えるってことなんだろ?それにヴィニーお前も敬語じゃなくていいからな早く慣れろよ」
「そ、そんな事不可能です。私がロロ様とルーシュ様にタメ口とか」
あわてて手を降って無理だと言わんばかりの仕草とするヴィニー
「そうだぞヴィニー敬語一回につき罰金にするからな」
笑ってロロが話す。
「そんなっぁ」
その時会場が大いに沸く
「なんだ?」
ロロが不思議そうに周りを見渡す。
(あいつだ…体力試験の時に2番だった赤い髪の男)
「お前ら見に行くぞ」
パチンと指を鳴らすと近くに飛んでいく
それに気づいたのか
「よく見とけ」
と、つぶやいたのが聞こえた
近くの女の子にこいつのことを聞いてみた。
「知らないんですか?16歳にして学園歴代最高と言われている魔術師スザク・アズナブル様です」
「ほうアズナブル家か、それに学園一の実力者か少し気になってたからな、面白いお手並み拝見といこうか」
スザクが詠唱を始める。周囲の空気が変わる。
(なかなか威圧感のある魔法だな)
ピリピリする空気に思わず魅入ってしまう
「フレイマ・レディー……アインス、ツヴァイ、ドライ、フィアー、フュンフ!」
(5段階上級魔法、やはりこいつも上位魔法者……炎)
「ロロ見とけおまえと同じ炎使いだ」
(詠唱時間20秒…早い)
ダニマイト石周囲が赤く光り魔法が発動し大きな音ともに爆発する
思った以上の実力に驚きが隠せなかった。
「この学園面白い」
声に出していた
魔法の粉塵が収まっていく
2m×2mもあった板が粉砕されていた。
髭も思った以上に衝撃を受けていた。
フンッっと鼻を鳴らして去っていくスザク
「すごいな、良い魔法見せてくれた」
すれ違いざまに声をかけた
目も合わさず通っていく
「アズナブル家は知っている。勇者の家系だ」
スザクの足が止まる
「お前、なぜそれを?」
「ちょっとね」
(やはり誰も知らないみたいだ)
「その話はするな、殺すぞ」
振り向きはしなかったが睨むような視線が感じられた。
知られたくない話みたいだ。
「怖い怖い」
少し笑って返すとそのまま消えていった
その後もスザクほどの実力者はいなかったが半分程度壊す強者は何人かいた。スザクの取り巻きもそうだ。変わった魔法使いもいれば、きれいな魔法を使うものも
(なるほどあいつらバランスも取れているってことか、めんどくさいメンバーになりそうだな。それに全員後衛か……後衛が7割占めるほど重宝される時代、一曲ありそうだな)
現状で実際に実力があると思われたのは50人程度で9割が後衛職だ。面白い前衛も居れば王道の前衛もいる、それにしても少なすぎる。
「次は《ヴィンセント・アインシュタイン》5番会場へ」
アナウンスが流れる
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