第4話 ギルドと・・・現在の魔物たち

「さてと、なんかギルドマスターどもが呼んでいたな」


 AM9:00一段落しふと昨日呼ばれたことを思い出す。


「めんどくさいがまぁこの時代を知るにはいいか」








 部屋を離れギルドに向かう


 もともとあったギルドは学校に改築され、ギルド自体は城内に移り活動しているようだ。王国との連携を取りつ王室からの依頼で動く形になっているので住民から直接依頼等は受けないと言っていた。


(効率が悪い気もするが魔物の頻度からするとこの方が安定して生活できるのだろうか?)


 ブツブツ考えているうちにたどり着いた。




「やっときましたか賢者様」


 昨日のいけ好かない髭だ。


 髭を無視して話す。


「考えたんだが入学もある、俺が賢者と知っているものは昨日の者だけにしてほしい。それが条件で今日の話は聞こう」


「別に構いませんが逆に目立たないようにお願いしますよ」


 昨日のニヤリ野郎が言う。


「わかっている。で? 話とは?」




 一応ギルドマスターは5人全員いるようだ。昨日話しにでてきたグランドマスターのガルという者はいなさそうだ。




 話を聞くと


 ・髭がアリゾナ。今回件で王国1の学校の面倒見る


 ・ニヤリ野郎がバージニア、参謀と言ったところで政治や外交担当


 ・代々ギルドマスターの家系のカロライナ、魔法の使えない者の騎士軍をまとめる


 ・魔法やスキルに特化したマスターでアラバマ、ギルドの総指揮をする


 ・唯一の女性でミズーリ、預言者と巫女様の率いる宗教レイラン教との連携


 グランドマスター(総指揮官)としてガルがいると言った構図になっているらしい。




「本日はギルドの手伝いをお願いしたい。急で申し訳ないのだが人手不足なもので」


 ギルド指揮官アラバマが話しかけてくる。


「俺の利点は?」


「金銭面、王国への出入りの自由、外出の許可等、不便のない生活をこちらで保証します。居住は学校の寮になりますが今の部屋はあなたのご自由に」


「いいだろう。あとは物資の支給、俺の武器がどっかにあるだろ?探してくれ」


 レイラン教連絡係ミズーリが話しかけてくる。


「それはレイラン教の方で賢者様と崇められております。持ち出しできるかは不明ですが話はしておきます」


「よろしく頼むよ。では本題と行こうか」










 場所は変わってギルド指揮官室にてアラバマと話す。




「最初に言っておきますがまだ私達はあなたを本物とは思っていません。しかし使えるものは使えとガル様もそう言っておられました。気に入らないとは思いますが、今回はあなたを賢者だと思って話しさせていただきます。西のハズレに小さな村と人を寄せ付けない森があります。魔物も多いのですが何故か森からでてこなかった不思議な森です」


 アラバマは身長が高く後衛職らしき身なりをしている。ノッポとでもしておく。




「ヴァージュの森だな、俺が封印してある。めんどくさいのがいるぞ」


「これはこれは、そういうことなら話が早い、その封印が解かれたようなのです。小さな村が焼け野原となっているとの報告を受け昨日派遣部隊を送りました。その部隊からの連絡も途絶え、また部隊を向かわせるつもりをしているのですがそれに同行してもらいたいのです」


「この程度に俺を使うとは、だいぶ慎重だな?」


「高ランクメンバーはガル様と大きな魔物退治で空けており、他のメンバーもあの闇夜からあちこちで問題がおこっており、その対処に追われていて最高で現在Bランクしか残っておらず、昨日の部隊にはAランクもいたのですがこうなってしまったので困ってます」


「今回の件も闇夜からか?」


「はい、そうです」


「まぁなんにも変わってなければAランクパーティーでも倒せる相手のはずだ。それが連絡つかないなら少し気にはなるな、仕方ない手伝ってやる」


 腰を上げ立とうとする




「もう一つお願いが」


 足を止め聞く




「何だ?」


「今のギルド状況を見てください。あなたの知っている時代に比べ、強いのか弱いのか……教えてほしい」


「と言うが時代が進んで弱くなんのかな? 城に配備してある武器等はよく考えられている大型化も成功しているみたいだし結構ワクワクしてるんだけどな」


 と一言告げ、今回の部隊の待合室に向かった。










 入室すると


「なんだ? Eクラスが遅刻だと? さっさと来いのろま」


 早速喧嘩を売られた…それにEクラス(最低)だとあのノッポめ!




「すいませんね」


「今回のリーダーのダンだ。Bクラス、戦士、アックス使いだ。BだがAクラス昇格が決まっているのでほぼAだからな」


(まだなっていないのに偉そうに脳筋タイプか)




 あとはC聖職者キキ、B格闘家ハル、C魔法使いデールとチップの2人、に俺。俺以外は20代といったところか


 バランスはいいが個々の能力で差が出るな。


 それに後衛がCしかいないが




「すいませんあんなまり事情を知らなくて、後衛はB以上はいないのです?」


 とギルド状況を聞く


 聖職者キキが答える




「後衛職は人数が多くなかなかランクが上がりません、それに高ランク者ほど忙しく、こういう時はCしかいません」


「前衛と後衛の割合は?」


「なんにも知らんのだなEクラスは。前衛2割だ。だから私のようなものは重宝される!」


 偉そうにダンが言う




(2割!? いくらなんでも偏り過ぎではないのか?)


「魔物退治といった依頼は多くはありません。人助け的な依頼が多く魔法使いのほうが任務率が高いのと討伐任務でも後衛のほうが危なくないという理由で少しでも魔力があれば後衛希望者が多いのです。常識ですけど……」


(私もずっと守られていたしかし守られているのは前の奴らが……戦いが少なくなって気にもならないのか?)


「そ、そうなんだがこのメンバーが気になってね」


 なにか聞くのも不便だな、バカみたいだ




「実力なくてもランク上がっていくから前衛は楽でいいよな」


 笑いながら魔法使いチップが言う




「お前!後ろで杖振ってるだけのくせに!」


 ダンが威圧するが




「おい、お前らが攻撃する時間、詠唱する時間、誰が守る!? なぜ自分が一番だと勘違いする? 前も後ろも関係ないそのためのパーティーじゃないのか?」


 この程度の任務に声を荒げてしまった




「お、おう、よくいった」




 俺は荷物もちみたいな形で参加ということになっているらしい。魔法で浮かせばなんともないから気にはならんが職もまだ決まっていないということで村までの同行、その後はこっそりつけろとノッポに言われた。




「村って焼け野原になってるんじゃなかったのか?」


 魔法使いデールが言う




「建物自体は残っているみたいなので雨風凌ぐ拠点としては使えるみたいです」


 聖職者キキが言う


 こいつが一番状況把握しているなダンとも仲が良さそうだ。




 それに比べてダンは


「スライムめっ」


 害のさそうなのを見つけては片っ端から倒している。


「そんなのにかまってたら疲れますよ」


 魔法使いチップが言う




 そして言い返してちょい喧嘩が起きてキキが止める


 そんなやり取りを何度かしながら村に着く




「では作戦を伝える」


 ダンが拠点から話をすすめる。




「先遣隊の荷物がここにあるようにおそらく森に進入後に行方不明になっていると思われる」


 先程、拠点に良さそうな建物を見つけたら昨日の部隊の荷物が残っていた。




「目的は先遣隊の捜索と森の状況把握、無理に奥には進まず。毎日少しずつ進み随時本部に報告する」


「そうしてる間に先遣隊の人がやられちゃったら?」


 格闘家ハルが言う




「先遣隊のほうが強かった。それは指揮官にはっきり言われた。目的を倒して動けない状況なら多分森に入ったらキキが気配でわかる。」


「はい、私の能力で一定の範囲の魔物や人の行動が把握できます。後ある程度の能力も」


 聖職者キキが言う




「まずは入ってみないとわからん、ここはEクラスに任せて先を急ぐ」


 少しの休憩をはさみパーティーは森へと向かっていった








 それを見送って思う。


「ではでは評価と行きますか。ダンは突っ込むタイプだと思ったが意外と冷静だな、メンバーの能力も把握し的確に作戦を考えている。では何がダメか」




 指をパチンと鳴らす。


 すると周りの景色が変わって森になっていく




「空間系の幻影か。こういう魔物じゃなかったんだが思った以上に問題が起ってそうだ」


 村と思われる場所はすでに森の中だった。


「かと言って勝手に任務終わらすのも問題だな」


 少し考え動く


「まぁ序盤だしあいつらは問題ないだろ先に先遣隊助けに行くか」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る