7月16日
突然刑事が二人訪ねてきた。
どうも近所の人たちが数名行方不明となっているようだ。
どうやらその人たちは先日我が家に行くと言っていたらしい。
その人たちなら確かに我が家を訪れたが、昼にはもう帰ったはずだと話した。
そう、娘が昼食だと呼びに来た時にはもう誰もいなかったのだ。
それを話すと刑事は家へ上がってもいいかと尋ねた。もちろんだと私は返したが、妻はあまり良い感情を抱いていないようだった。
まるで私たち家族が疑われているようで良い心地がしなかったのだろう。
嫌がる妻に刑事をもてなしてもらうわけにもいかないので刑事は私が居間へと案内した。
するとどうしたことだろう、居間へ足を一歩踏み入れた瞬間刑事たちは悲鳴を上げてその場に座り込んでしまった。
驚いて居間を見るが何も変わったものはない。
いやだが……ああ、なるほど。
居間には人形がたくさん置いてあったのを忘れていた。
きっと刑事はそれを見て驚いたのだろう。
「よくできているでしょう? ご存じかもしれませんが、私は人形師なのですよ」
そう言って笑うと彼らはカチカチと歯を鳴らしながら私を見上げた。
そんなに人形が怖かったのだろうか……?
震える刑事を前に娘が楽しそうに私に笑いかける。
どうやら彼らと遊びたいらしい。
この子は人形遊びがとても好きなのだ。
さすが人形師の娘といったところだ。
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