第88話 ぎっくり腰のことを魔女の一撃って言うそうですね

「銀河さん、即死攻撃当てたくないですか?」

「いきなりですね……」

「私、まだ即死攻撃成功してないんですよねー」

「私もです……」

「条件が厳しすぎますもんねー」

「あ、来ました!」

「魔女とニホンオオカミですね」

「バランスいいですね、近距離ニホンオオカミで遠距離は魔女」

「魔女にどうにか即死攻撃当てましょうか」

「煙幕で、ですか?」


 デュオ、2人で行動してるときが多いと、片方に気づかれた時点で即死攻撃の条件を満たせなくなるので、煙幕を使ってリセットしたい。

 そのためには、即死攻撃の効かないニホンオオカミを先に倒しておく必要がある。


「ニホンオオカミに攻撃した後、魔女の攻撃を避けつつ、ニホンオオカミが近づいてくるのを待ちましょうか。そのあとは障害物で魔女の攻撃受けない動きで」

「そのあとはニホンオオカミ倒した後で次は魔女ってことですね!」

「銀河さんはそれでもいいですか?」

「はい! やりましょう!」


 息を合わせ、ニホンオオカミに攻撃を加えていく。

 位置がバレ、ニホンオオカミが駆けてくる。


「逃げましょう!」

「はい!」


 障害物を使いつつ、ニホンオオカミをさらに引き付ける。

 魔女も身を隠しながら近づいてきているけれど、スピードが全然違うため、ニホンオオカミとの間が大きくなる。


「山幸さん、魔女の視線から外れたと思います!」

「了解です!」


 後ろを振り返り、ニホンオオカミと対峙する。

 近距離特化のニホンオオカミといえども、2対1ならそこまで不利ということもない。

 そして、銃弾のダメージ受けている。



\\\



「私が突っ込んで煙幕投げてきますね!」

「え、私じゃないんですか?」

「銀河さんは私が向かってる間は近づきつつ、できたら拳銃で援護してくれると嬉しいです」

「わ、わかりました」

「では、いきます!」


 遮蔽物から体を出し、魔女に向かって走る。

 拳銃を撃ちながらだと、速度が遅くなってしまうので、相手からすればただ向かってくる的でしかないけれど、そこは銀河さんに頑張ってもらう。


「あっ!」

「銀河さん、射線入っちゃってごめんなさい!」

「だ、大丈夫です!」


 煙幕を投げたと同時に、魔女の攻撃がヒット。

 ダウン状態になった。


「銀河さん、お願いします!」

「はい!」


 煙幕の中へと潜り込んでいく。


「いけます!」


 ドクロのマークが魔女の頭上に浮かんだ瞬間、首から血のようなものが周りにまき散らされ、魔女が倒れた。


「や、やりました!」

「やりましたね!」


 喜びを分かち合いつつ、銀河さんに復活させてもらって、


「「あ」」


 飛んできた魔法に銀河さんがやられ、『11位』の文字が画面に映し出された。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る