第85話 せんせー、ぼくたちわたしたちは――
「さあ、始まりました、Vsom主催の『ばか×ろわ』のVBCを開催いたします! 私、実況を務めさせていただきます、稲村孝之と申します。よろしくお願いいたします。そして、解説にはハッタカさんにお越しいただいています。よろしくお願いいたします」
「はい、紹介にあずかりました、ハッタカです。本日はよろしくお願いします――」
ついに開幕の挨拶が始まった。
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今大会のルール説明などが挟まり、出番が回ってきた。
「では、参加者の紹介です。まずはこの方。『ばか×ろわ』を世界で初めてプレイしたプレイヤーであり、失敗にくじけず何度も成功するまでプレイすることで有名な、『山幸うみ』さんです。山幸さーん?」
「……はーい! ご紹介にあずかりました! 山幸うみです!」
「本日はよろしくお願いします」
「よろしくお願いしまーす!」
「はい、えー……山幸うみさんはペアが銀河水玉さんということで、いらっしゃいますかー?」
「は、はい! よろしくお願いします!」
「お二人のなれそめを聞かせていただいても?」
事前に教えられていたとはいえ、この質問はどうなのだろうか。
「私のことをエゴサをしていたら、たまたま切り抜きを見つけまして。私のことを結構褒めてくれてたので、嬉しくなった勢いでタイミングが合ったので誘ってしまいましたー! 水玉さん、急になってごめんなさい!」
「い、いえ、大丈夫です!」
「緊張せずに頑張りましょう!」
「はい!」
「では、プレイヤーとして意気込みをどうぞ!」
「このような場に呼んでもらえたことは初めてなので、銀河さんと精いっぱい頑張りたいと思います」
「が、がんばります!」
「はい、ありがとうございました! 続いて、Vtuberでありながら、Solk主催のJBBオンライン大会の関東地区ベスト4に輝いた――」
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司会の人とも銀河さんとも通話がつながっていない。
まずはソロの試合。
「聞こえてますか? コメント見えてないので確認できませんけど、できてたら『ノ』をあげておいてくださいねー。今回は、ニホンオオカミ使っていきますね。デュオでは暗殺者使います。……ネタなんて言う人いませんよね? あとで確認しますからねー? では、始まります。良かったら楽しんでくださいね!」
フィールドは雪原。
木や積まれた雪など比較的障害物が多いため、隠れやすい。
また、雪が舞っているおかげで視界が悪いのため、ニホンオオカミのような脚の速いキャラクターも戦いやすい。
また、ニホンオオカミは攻撃手段が『かみつき』と『ひっかき』しかないため、脚の速さを活かして相手に近づいて攻撃するだけなので、初心者でも使いやすいキャラクターだ。
「どこまでできるかわかりませんが、頑張りますねー!」
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