第22話 U・MI・NE・KO

「あれ? どうすれば……?」


 体力バーが出現し、カウントが始まった。


「え、ボスどこー!? え」


 上から何か降ってきて死んだ。


「えーっと、今の鳥さんですかねー?」


 画面上から急に鳥が現れたと思ったら、水中に潜り、イワシ子ちゃんにぶつかってきて、ゲームオーバーになった。


「まあ、慣れたものですよね! 次行きましょう!」



\\\



「これ、流れがあって左側に素早く動けないんですよねー」


「おっ! 右になら避けられました! U字型で海面に戻って、なんか引っ張られる!?」


「潜ってきた近くは変な水流が発生して動きがおかしくなるんですねー」


「あれ? ところで、どうやって攻撃すれば?」


「右か下に避ければいい感じですねー。鳥さんの潜ってくる深さは、直前にイワシ子ちゃんのいた所までと」


「攻撃ボタン押しても何にもしてくれないんですよねー」


「これ、ボスは一体だけってことみたいですねー。海面に浮かんでる方の鳥さんは光ってませんし」


「あ、今! 見てました!? あー、なるほどですねー。海面の鳥さんと衝突させろってことみたいですねー。いいところですが、いったん休憩ー!」


一度ゲーム画面を隠し、コメントが見やすいようにする。


「『地面にぶつけるのかと思った』? たしかにー! ありそう!」


「『まさかの仲間割れ』? ねー、お腹にくちばし刺さってますよねー!」


「『テッポウエビちゃん頑張って』? 一面の子は、イワシ子ちゃんのエネルギーとなりました……」


「『現実だったら絶望』? 流石に鳥には勝てないかー。鳥の方逃げ放題ですもんね」


「『あれはウミネコ』? 聞いたことありますねー! ほんとに猫みたいに鳴くんですかー? ……あ、『鳴く』? へー、ほんとなんですねー!」


「さて、最後に水分補給をもう一回して、再開しますよー!」



\\\



「海面のウミネコの真下で待ってればっ! そんなに甘くないみたいですねー!」


「画面の真ん中くらいの高さなら避けられそうですね!」


「お、当たりました! うーん、これも時間との勝負になりそうですねー!」


「帰るときは当たるけど、潜ってくるときは当たらないみたいですねー」


「右斜めの移動が一番避けやすいんですけど、その後がつらくなりますねー」


「残り半分です! ってまたクマノミぃ!? 左半分使えないんですけどー!?」


「なんで隣にクマノミの大群いるのに一匹のイワシ狙うんでしょうねー?」


「イソギンチャク生えてきた!? どんどん画面狭くなるんですけど!?」


「浮いてるウミネコは大人しくしてて!? さっきまでただ浮いてたじゃないですか!? 今更攻撃しないでぇ~」


「いけるいけるいける! あとちょっとあとちょっと!」


「うっわ、今のめちゃくちゃ惜しかったですよね! あと3回くらいで勝てそうでしたよねー? 次で決めたい!」


「っ! 行けました! 有言実行ですよ! はい、フラグとか思ってた人ー、手をあげなさいー! ……『ノ』ばっかりじゃないですか! あ、『へ』の人いた! あなたが天使ですね! って、増えましたよー? 天使の皮をかぶり始めた人いますねー?」


 3面のセーブが終わったところで、ゲームを終了、休憩の時の画面に戻す。


「いやー、今回も見てくださりありがとうございました! 『ナイスファイト』? ありがとうございます! ウミネコにもキャッツファイトって使えるんですかねー? 『うまくなってる』? ありがとー! やっぱり褒めて伸びるタイプですので! 『ウミネコ食べるの?』? 食べません! そもそも食べれるんですかねー? ……たくさんコメントありがとうございまーす! さて! ではでは、今日も! おつかれさまでしたー!」

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