第17話 ぼっちは視線に敏感ですよ?

 挨拶運動(海菜命名)を終えて、登校する。その道中、スマホを見ていると、今日の昼頃に『ばか×ろわ』のアプデが行われるようなので、今日か明日か、配信をしよう。


 ……なんか、視線集まってない?

 最近たまにそう感じることがあって、自意識過剰かとも思ったけど気のせいじゃないっぽい。

 え、なんか変?

 ちゃんと制服着てるし、寝ぐせも直したし……もしかして、鳥の糞とか?


 よくわからないのでいつも以上の早歩きで学校へと向かった。



 教室に入っても視線を感じる。なんで?


「はよ! なんかあった?」

「おはようございます」

「あー、私の肩もみ気に入った?」

「違います」

「しかたないなー」

「ほんとに違いますから!」

「また絡んで……」

「あ、初華もはよー!」

「おはよう。海斗くんもおはようございます」

「おはようございます」

「なんかー、カイト元気なくてー」

「海斗くんそうなんですか?」

「そんなことないです」

「そういってるけど? というか、星那は課題やってきたの?」

「課題?」

「古文訳してくるようにって言ってたでしょ。今日星那当たるんじゃない?」

「わすれてた!?」


 鞄をごそごそしながら離れていった。


「じゃあ、私も戻りますね」

「……はい」


 薄々感じてたけど、絶対原因じゃん。



\\\



「はい、配信始まりますよー。今日は『ばか×ろわ』! もう知ってる人もいますねー。そう、すっごい久しぶりですよねー。4か月振りくらいですかね? 今日はアップデートがあったそうなので、やっていきましょう!」


 今回は新しいキャラクターとマップが一つずつ追加されたそうなので、それをやっていく。



「今回は追加された『暗殺者』、マップは『宇宙』でやっていきますよー!」


「『暗殺者』はですね、えっと、300秒に1回『即死攻撃』ができるみたいです。大丈夫ですかね? 壊れてませんよね? まーそこは信頼していきましょう!」

 

「一回くらい当てたいですよね! 他の発動条件は、『相手からダメージを食らわずに背後に回り込む』みたいです。……え、このマップと相性悪くない?」


「全然隠れる場所ないですよ!? え、え!? しかも足遅いし! 見つかってるから! あ゛……」


「ま、まあ? 『即死攻撃』なんてあるんだから普段は弱いのは想定内ですよ。はい」


「隕石動かないで!?」


「あ゛あ゛ぁ! 逆に即死させられた!?」


「おねがい、終われないから! 一回だけ殺させてー!」


「いける! え、ニホンオオカミには効かないの!?」



\\\



 「はい、そろそろおわりますかー。何とか一回成功しましたねー。皆さんもぜひやってみてくださいねー? ダウンロードページも載せてありますよー。ではでは、皆さんも、おつかれさまでしたー!」


 エンディング、スペチャ読みを終える。その中にあった『胡桃 初華』の文字のことが頭から離れなかった。結局今日の昼ごはんは一緒に食べず、俺は教室で一人で食べた。少し、悪いことしたかもしれない……


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