第11話 氷穴(2) 人間姿

(な、なんて変わり果てた姿に……)


 折れた杖を前に、開いた口が塞がらない。


 だけど、いくら壊れてるからって、こんな扱いはあんまりだ。

 やったヤツ、価値を知らなさすぎだろう?


 俺が何年も何年も、身を削るようにお金を貯めて、必死で商人を探し、頼み込んだ末ようやく数年越しで【中央大陸】から取り寄せた特別な杖が……こんな姿見せられるなんて、耐えられん。


 慌ててガラクタ山の上から杖を拾い出す。


 不幸中の幸いか、折れているのは杖の上部分。本体に大きな影響は出ていない。


(これなら使えるかもしれない)


 すがるような気持ちで、折れた部分を腰布で巻き止め持ってみる。


 あれ? こんなに長かったっけ。

 なんか杖の先が身長より高い?


 …………。

 エトールは、これから毎日、牛乳だな。


(何とか使えてくれよ……)


 祈るような気持ちでドキドキしながら、試しに魔力を流し込む。

 と、押し返してくるような抵抗を感じた。


(んん?)


 初めての感覚だ。


(もしかして、杖が反発してる?)


 もう一度、ゆっくりと魔力を送り込む。

 今度こそ、杖が激しく拒否したのをありありと感じた。


(ええっ、ご機嫌斜め? 長い間放置してたから、拗ねてるのか?)


 それとも折れた事により、やさぐれちゃったとか?


 あらかじめ杖に組み込んでいる術を起動しようとしても、さっぱり反応がない。

 魔力の受け取り拒否という意思表示をしてきているから、”折れて壊れている”ことが原因ではないらしい。「おまえには協力しない」、そんな態度を感じる。


 何度魔力で呼びかけても、返ってくるのは「すんっ」とした空気。

 たまりかねて、声に出して呼びかけてみた。


「あ、あの、アーレムさん? どうした?」


 し――ん……。


 そりゃそうだ。

 別れる前から名前をつけてたわけでもないし、無機物だし、当然返事はない。

 あったら怖い。


 再び、がっくりと項垂うなだれた。


 もしかしたら、これはもう使えないかもしれない。

 仮に杖の機嫌が直ったとしても、どのくらい問題なく動くかも不明だ。

 先の方とはいえ、折れてるせいで、強度だってダダ下がりしている。武器としての使用も怪しい。

 剣に移行する前は、棒術派だった。

 アーレムの杖を傷めたくないがために、接近戦には剣を持つ、と趣旨替えしたくらい大切にしてきたんだが……。

 その杖からの、この塩対応。


(いやいやいや、それはない。それはないだろう。なんなの? 昨日から俺を打ちのめす大会でも開催されてるとか? 誰得でもないのに)


 けど、そうとしか思えないほど、へこむ事だらけだ。

 杖が無反応では、埋め込んでいるデータすら取り出せない。

 素材が折れたこともがっかりだが、長年作り込んだ仕掛けの数々を別の杖に移行することさえ不可能だなんて。


 肩を落としながら、杖のことはひとまず置き、すぐ脇にある小物入れの箱を見やった。騎士の階級章や冒険者の身分証プレートなどは、ここにまとめて放り込まれている。


 身分証があれば、街に入るのが楽だ。

 人間としては空から忍び込むより、門から普通に入りたい、やっぱり。


(厄日続きだからなぁ。存分に心の予防線をはってから挑まないと立ち直れなくなるぞ)


 すでに十分致命傷だ。

 これ以上何かあっても動じないよう自分に言い聞かせながら、小物が納められた手前の箱を漁る。 


 自分の名前を探す。

 同時に、仲間の品も探した。

 もしかしたら遺品として、遺族に届けることが出来るかもしれない。


 箱をかき混ぜながら、涙がにじんで来た。


 何やってるんだろう、俺。


 皆を裏切るようなかたちで、生きながらえてしまっている。

 いや、真っ先に殺されていながら”生きながらえている”というのはおかしいけれど、敵方の王子としておさまっていたなんて、仲間に対して、どんな申し開きも出来ない。


 そのうえ、こんな目に遭わされながら、憎しみや恨みがどうしても一定量以上に沸き上がらないことが何より情けなくて、腹立たしい。

 一度受け入れてしまったエトールの感情が、思いのほか大きな影響を及ぼしてしまっている。最低だ。


 これじゃあ、あんなに昵懇じっこんだった杖に愛想尽かされて、そっぽ向かれても仕方がないのかも知れない。



 箱の中の身分証プレートたちはそれぞれに傷み破損していて、常に凄惨な戦いがあったことを伝えてきていた。

 皆、どんなにか無念だったろうな……。


 身分証の中から、職業欄に【勇者】と明記されたアルワード・クルトアズのプレートを見つけ、握りしめた時には涙がこぼれ落ちていた。


(ここにこれがあると言うことは、やはり命を落としたんだ……。アルがもういないとか、信じられない。……きつい……)


 子どもの頃から知っている友達の死は、到底現実感がなかった。

 直接遺体を見たわけでもない。

 身分証を落としただけで、実は生きてたりとか……。


 ……していて欲しいが、尋ねた時に魔王が言っていた。

「とっくの昔に死んでいる」と。


 アイツが、適当な嘘をつくタイプの奴だったら良かったのに。


 いや、しれっとついてたか? 毒菓子だとか養子がどうとか。

 きらいだ、あんなやつ。アルまで手にかけやがって。


 暗澹あんたんたる思いに駆られながら、続けて箱を探る。


 次に見つけた仲間の身分証は、【修道僧モンク】ジーヴ・レーヴ。

(……ジーヴもか……)


 そして、俺。【魔術師】セレム・ソイレイ。

 ところが。


(ん……? あれ、これだけ?)


 それ以上、どう探しても見つからない。うちの仲間パーティーメンバーは6人。

 何度見直しても、箱の中身をすべて出して並べてみても、あと3人分足りなかった。


 【神官戦士】クラヴァット・アルゼル。

 【盗賊シーフ】サーキス・ユラン。

 【狩人レンジャー】リュティス・アナフタル。


 え、もしかして……。

 無事に逃げのびることが出来たんだろうか?

 あの魔王相手に?

 そんなの、ヤツが故意にでも見逃さない限り、有り得ないだろう。


 魔王に勇者のことを問いただし、死んだと聞いた時、俺はてっきり全員のことだと解釈して、深く聞き出さなかった。

 決定的な最期なんて聞きたくなかった。けど。


(もっとちゃんと聞いておけばよかった!!)


 あの後何があったのか。どうなったのか。

 全滅は免れているのか?

 ひょっとしたら、3人は生きてる?


(期待しすぎちゃダメだ)


 そう自分に言い聞かせながらも、かすかに生まれた望みを消し去ることはできない。


 アトレーゼだ。アトレーゼに行けば、何かしらの答えがあるはず。


 身分証があれば問題なく街にも入れる。

 いま一度、自分の名前を見た。


 セレム・ソイレイと名前が刻み込まれた身分証は一部が損壊していて、冒険者等級ランクと苗字が正確に読めなくなっている。


 誰なんだか、はっきりしない。


 今の自分と重なって、自嘲気味な嘲笑わらいが漏れた。


 冒険者ギルドに持ち込めば身分証の再発行はして貰えると思うが。


(急ごう。アトレーゼに)


 “氷穴”での目的は果たした。

 杖は回収し、身分証も見つけた。


 他にも気になる品が残ってないか簡単に調べた後、実用品として手ごろな短剣も持ち出す。迎えに来た杖は当然一緒だ。

 アルワードとジーヴ、それに俺自身の身分証を胸元に大切に仕舞い込み、ほんのりと抱いた希望を温かく感じながら、洞窟を後に、外の光を目指した。





(げっ、太陽がもうあんなに高い)


 “氷穴”から出て、中空近くに座す太陽を見るなり驚いた。

 早朝だったはずが、思いのほか長い時間を洞窟内で過ごしてしまっていた。


 厄介だなぁ。

 温まった地表の熱で上昇気流が乱れたりしたら、飛行初心者にはハードルが高い。

 それに。


(腹が減った)


 壮絶に。心が折れる程に。空腹だった。

 何食抜いたか数えたら、きっとすぐ倒れる。


(……やれやれ)


 とにかく魔術を駆使して飛行速度を出し、最速で人里まで飛びぬけるしかない。キプロティアからアトレーゼへは西に進めばいいだけ。今日中に辿り着ければ良し、無理なら途中で森に降りて、何か食料を探す。それでいこう。


 方針を定めると、思い切り翼を開いて、空へと踏み出した。





 ……話し相手は鳴る腹だけという実に切ない状況に耐えながら、数時間ほど飛び続けた結果、眼下にマーデンの森を認めて、自分の頑張りを称たたえた。予定よりずっと早くキプロティアを抜けれそうだ。

 まだ日は落ちてない。

 木々の中に魔族が所有する館が見える。14年前、命を落とした場所で、嫌な思い出が頭をよぎる。建物は結構ガバガバ壊したけど、修繕してまた使ってたりするんだろうか。わりとれてるように見えるけど。


 ここまでくればアトレーゼ領の東端はすぐ近く。


 しかし、国境砦も近い。

 当然アトレーゼのいち砦だが、白い翼が視認される恐れがあった。


 里帰りなのに、警戒しなきゃなんないなんて、どんな因果だよ。


 検査が厳しい砦に降りるより、普通の村の方が有難い。何より、主要砦には”セレイラの鉱石いし”が置いてあるはず。効果のほどは知らないが、”魔族除け”と称して設置されているそれは、聖剣を打ち出した素材と同一のもの。用心しとくに限る。


 ”セレイラの鉱石いし”は天から降ってきた、とされている。

 高位の女神であるセレイラと通じている鉱石いしから、剣ふた振り分をとった後、残りの欠片はアトレーゼ各地の城や砦に分けて収められていた。


 アトレーゼは、頑丈な高い外壁に囲まれた王都を中心に、支配下の町や村が領地に点在して、国という形を成している。


 地方の城や砦は魔物や他国に対するのが主な役割で、魔族の侵攻に関してはいち早い発見が最大目的。

 地上から来る魔物たちは城や砦でき止めることが出来ても、空から来襲する魔族に関しては、上空を通過されてしまえば、せいぜい矢を射かけるか魔術で狙う以外、手も足も出せない。

 従って常駐の見張りという意味合いが強く、異変があればすぐさま狼煙のろしをつなげて急報を伝え、近隣から援軍を出し、連携して、魔族が降りた場所で撃退するという方式をとっていた。

 ちなみに人間の国同士での小競り合いは現在のところ滅多になく、魔族という共通の大敵に対し、同盟を結び、助け合う関係を維持。

 隣が滅ぼされたら、次は自国が標的。と、なると互いに生かし合うしかないわけで、少なくとも14年前はそうだった。おそらくこの仕組みはそう変わってないと思うが……。


 もし自分が、故郷から「魔族襲来」なんて見られたら、泣きれるしかない。

 アトレーゼ上空に入り、砦と街道を大きく逸れるよう移動した結果、視線の先に小さな村を発見した。

 冒険者として訪れたことのなかった村だ。辺鄙な場所だし、多分、あまり知られてない。


(今日の夜はあそこで泊めて貰おう)


 手ごろな村を見つけたことにホッとする。


(そのためにも、この姿はマズイ)


 いまの俺はどっからどう見ても魔族。早々に姿を改める必要があった。


 村の手前に湖とそれを取り巻く林、そして湖のほとりにまるで目印のように垂直に立つ大岩を認めて下降する。

 背に翼を入れながら、ゆるやかに着地すると、さっそく湖を覗き込んだ。

 姿を映して、初めて挑戦する幻術の鏡がわりにするつもりだった。


 が。


(太陽位置、悪すぎ……)


 軽く波立つ湖に映る人影は、黒かった。

 顔や服の細部が全く判別できない。


 う――ん。


 辺りを見回すと、すぐ隣にそそり立つ大岩が目に入る。


(こっちでいいんじゃないか? 大きさといい、黒っぽい色といい。凸凹もしていないし)


 鏡候補の対象を素早く切り替えると、おもむろに術を使い、岩全体を濡らした後、ひといきに凍らせた。

 岩表面に張った膜状の氷を、風魔術で研磨して平らにすると。

 即席、大鏡の完成ってわけだ!


 さっそく自分の姿を映し込む。

 着の身着のまま出て来てしまったが……。


(普段着って感じじゃないんだよなぁ、これ)


 エトールの格好を改めて見ると。

 アトレーゼの貴族が祭典用に張り切って仕立てた衣装すら足元に及ばないような、質の高いきぬまとってる。

 これで普通です、とか言われたら、もうのけぞるしかない。

 高級品とは縁遠かった俺が見ても分かる。

 布にしろ、糸にしろ、最上級の素材をふんだんに使用してるって感じ。

 輝かしい光沢を持ち、染めも素晴らしい絹織物を、これまた見事な縫製で仕上げている袖の長い内衣イチ・カフタン

 その上に羽織っているのは、植物を模した連続文様を全面に織り出した丈長の外衣ドゥシュ・カフタン。金糸銀糸を巧みに使っていて、華やかなのに派手ではなく、優美で上品だ。

 内衣も外衣も共にボタン付きの前開きだが、外衣の方は更に服の左右を、鳩尾付近につけた緑柱石エメラルドの装身具でもって留めていた。

 深く鮮やかなみどり緑柱石エメラルドは馬の瞳程も大きく、その周囲を小さな金剛石ダイヤが縁どり、繊細な金細工の台座と揃って煌めく様は、とにかく美しい。

 売り払えばきっと一生遊んで暮らせておつりがくる。……人間の寿命なら。


 その宝石が、つけていると自然に馴染んでいてあまり目立たないのだから、どんだけ服がすごいんだ、という話になってくる。


 カフタンの下でほぼ隠れて見えない下穿きや靴までこだわりの逸品ぽい。

 杖の補修に使った腰布だって、見せ部分の手刺繍はすごかった。隠すように巻き込んだけど。


(……絶対汚しちゃうと思う)


 どうしたものか。

 大雑把に幻術を被せようと考えていたけれど、日常生活してると結構傷みやすいよな、服って。

 しかも絹地なんて高価な品、扱い方を知らん。

 繊細過ぎて大変だと聞いたことはある。間違いなく手に負えない。

 丈夫な生地の服に買い換えないと、この手の込んだ品々があっという間に無残なことになりそうだ。


 ……現在いまの身体の大きさと、これから使おうと思っている幻術との差異が面倒だが。


(当面、フード付きのローブかマントでも買って上から羽織っておけば、傷み方もマシかな?)


 そんな打開策を打ち立てる。


 で、残る大問題が、一級品たる服に平然と身を包んで、全く衣装負けしていない美貌の少年魔族。こいつがまたやたら高品質なんだが、王子と知って納得した。

 そんな奴が俺の思う通りに動き、望むままの表情を作る。


 何度見ても、ずば抜けた美形。でも、子どもだし、魔族だし、何より魔王に激似だし、突然これが俺、と言われても、「いえ、他人でお願いします」と言いたくなる。

 ごめんな、エトール。

 いろんな意味ですごく目立ちそうなんだ、この姿。

 白い翼なんて、出来ることなら一生しまっておきたい。想像以上に便利で楽しかったけど。


 そういうわけで、さっさと我が身に幻術を掛けることにした。

 被せる姿は当然人間だった頃の俺。


 魔王に教えて貰った呪文を唱える。魔族の古代語らしいが、意味はこんな感じ。


――”我は鏡となりて望むまま 仮初かりそめの姿を映し出さん 泡沫うたかたの幻よ 我が身をおおえ”


 術の完成と共に、エトールの少年姿は消え、長年見知った青年が岩鏡に映った。


(おお、成功だ! く――っ、安心する)


 幻術の錯覚効果で視点が高くなる、この身長が有難い。

 そして密かに気に入っていた髪と瞳の色に戻り、嬉しさに口元がほころぶ。


 ホクホクした焼き栗ケスターネを思い出すげ茶色の暗い髪、ほろ苦い焦がし砂糖液カラメルリ・ソスのような茶褐色の瞳。

 ああやっぱりこっちだよなぁ。


 金の髪や瞳は……まあ異国の淡い酒みたいで、キレイはキレイだったけど、酒じゃ腹は納得しないし。見慣れてない上に、魔族の色って認識が強い。


 服も冒険者時代に着ていたものに戻した。

 安価ながら強い生地で出来た、丈の短いチュニックにシンプルなズボン。

 これが本物だったら、変に気を揉まなくて済むのに。

 あくまで幻。現実はかなり丈長の服なので、足さばきに気を付けないと。


 とにかく、見た目的には問題なくなったはずだ。


 身体をひねって後ろ半身はんみも確認しつつ。

 はた、と気づいた。


(ちょっと待て。14年、ってるんだったか?)


 思い出した自分を褒めてやりたい。


(そうだよ、14年経過しているとしたら、23歳のセレムのままじゃ不味まずいだろう? 14+23で……。ええぇぇぇぇ? 37???)


 外見を37相当にしておかないと、知人に会った場合、不自然なのか??

 特に養父母には絶対会う。だってそれが目的だし。


 硬直してしまった。


 37の自分。どうしよう、容貌が想像出来ない。

 あとそんないきなり老けるのも、なんか辛い。

 エトールの年齢としからだと四半世紀も上乗せだ。さすがにやりすぎ感がある。


(何とか誤魔化せないものだろうか)


 しかし23の当時でさえ童顔と言われていた。このままで37を通すには無理がある。

 なんてこった。見た目的にまだ問題があった。


「…………」


 しばらく腕組みして考えた結果、

(凍らされてた、と言ってしまうとか?)


 安易な言い訳が頭をよぎる。


 そんな馬鹿な。カエルや小魚じゃあるまいし。

 でかい体だ。冷凍・解凍のタイムラグで体組織が破壊され、絶命する。氷が解けたところで復活したりはしない。


 でも、魔術の氷だ。

 強力な”氷結”なら一瞬で全細胞が凍るし、治癒魔法とかで元に戻るとかも……理論上、有る、かな。

 養父母はそれで誤魔化すとして。

 俺が殺されたことを知っているリュティス達に会えた時は……。

 まあ状況にあわせて話をしよう。


 うん、行き当たりばったり感が強いけど、かっちり決めても世の中は想定外の連続だからな。ゆるゆるくらいがちょうどいい。


 心を決めて頷くと、さっと手を一振りして岩の鏡面を消し去った。


 単なる氷だし、放っておいてもいずれけただろうけど、人里に近い。うっかり通りかかった人に見られて「なんだこれ」ってことになるのも、どうかと思うし。後片づけは念入りに。


(じゃあ、行くか! 飯食いに)


 ちょっと主旨がズレてないでもないが、いまの最大案件はこれだからな。間違ってない。


 空から見た村は、この場所からはすぐの距離だった。

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