第364話 情報伝達
【第三者視点です】
「へぇ~、賢者の
エリアスがニヤニヤしながらアイルの顔を覗き込んだ、ブラウリオは最初アイルが娼館にお勉強をしに行った事を他の同居人達に話していなかった。
アイルが自分に相談してくれた事も嬉しかったし、自分には理解出来ないがビビアナに聞く事すら恥ずかしいと言っていたので黙っておいた方が良いと判断したのだ。
その後、アイルの娼館での目撃情報や転職の噂が広まったせいで不本意ながら勉強しに行った事を暴露する事になった。
そして転職疑惑が収まった頃に
目の前には絶望的な顔をしたエドガルド、隣にはニヤニヤしたエリアス、左右の離れた1人掛けのソファには胡乱げな表情のおじいちゃんと好奇心で話の続きを聴きたがってるエンリケ、そんな状況でアイルは素早く計算する。
(何でエドがショックを受けた顔してるのかわからないけど、ここで取り乱してビビアナに助けを求めに行ったら負けだ、
「ふふん、エリアスは私の以前の年齢知ってるでしょ? これでもちゃんと恋人もいたんだから色々知ってるのは当然じゃないの」
「まぁそうだけどさ」
アイルはニヤリと笑うと腕組みをして足を組み替え、胸を張って流し目でエリアスを見た。
「以前の年齢!?」
アイルの言葉にブラウリオが反応した。
エドガルドとエンリケは一緒に過ごしている間に何度か聞いた事があったが、ブラウリオの前では話題にした事が無かった。
「あ、そっか。おじいちゃんは知らなかったっけ、私この世界に来る前は27歳だったの。若返ったこの身体は女神様が作った身体なんだよ、だから本当ならリカルドより年上なんだよね」
既に賢者である事がバレているので、あっさりと年齢の事を話すアイル。
そしてふと、ある事に気付く。
「ねぇエリアス、あんな事やこんな事って…どんな事か知ってる様な口ぶりだったんだけど? どうして知ってるの?」
アイルがジトリとした目を向けるのと同時に全員の視線がエリアスに集中し、エリアスは数秒目を泳がせた後ニッコリ微笑んだ。
「アイルが色々教えた娼婦…ナタリアは今や売れっ子なワケ。また予約をしたいと思っても予約が取れない、そうすると客は他の娼婦のところへ行くでしょ? そしてそこで客がナタリアにしてもらったのを『こういう事をして欲しい』と要求するじゃない? 当然娼婦はどうしてこんな事知ってるのかって話になったりその娼婦が他の客に対して同じ事をして客が増えたり…って事になってるんだけど、アイル知ってた? ナタリアが誰から教えて貰ったって言わなくても、アイルの目撃情報のある娼館の娼婦って時点で皆わかっちゃうよね~! あははは」
エリアスの説明を聞いてアイルは顔面蒼白になった。
「ちょ、ちょっと待って、娼館の客がその…新しいテクニックが…私が教えた事って…」
「うん、色街ではすっごく有名になってるよ!」
ゴニョゴニョと言いづらそうにしているアイルにエリアスは凄く
(嘘…っ、まさか漫画やR18なBL小説なんかで知ったマニアックにも程がある事まで実践してるって事は無いよね!? 調子に乗って話した私が悪いんだけれども!! 特にBLはファンタジーって言われているというのに実践されてたらどうしよう! あの時私は試した事無いってハッキリ言ったから大丈夫だよね!? 確認したいけど怖くて出来ないよ!!)
「ち、違うの、アレはあくまで知識として知ってる事を調子に乗って喋っただけで、私はそんなマニアックな事はしてないの…! 確かに日本は変態大国って言われてるみたいだけど、色んな種類のマニアックな変態が少しずつ居るだけで全員がそうって訳じゃないもん! そう、資源と同じだよ、日本には自国を
「アイルアイル、ちょっと落ち着こうか?」
一気に
エドガルドは両手で顔を覆い俯き、エリアスとブラウリオはポカーンと口を開けていた。
「な、何か聞いた事無い言葉が色々出て来た様な…、娼館でそんな事はされなかったしね? アイルの口からここまで衝撃的な言葉が出るとは思わなかったよ、あとエドガルドの変態さに対して寛容な理由もわかったかな」
先程とは違い引き攣った笑みを浮かべるエリアス。
ちなみに前立腺
「あ……、う、そんな…、違…っ」
アイルはアイルで余計な事を口走ったと気付き、羞恥に震えた。
涙目で首を振るが、上手く言い訳が出てこない、そんなアイルの様子はただエドガルドを復活させただけだった。
「大丈夫だよ、アイルが変態でも僕達は変わらずアイルの仲間だからね」
「うわ~ん!! ビビアナぁ~!!」
菩薩の様なエリアスの微笑みがトドメとなってアイルはリビングを飛び出してビビアナの元へと走った。
男性陣より興味を持ち容赦無く聞き出す相手の居る場所へと。
◇◇◇
次回はリビングでの男子トーーク!?
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