11月16日 午後10時10分 明日の予定

 今日は何もない1日だった。明日の朝は早い。もう寝ようと思ったとき、ひな板が鈴に向かって言った。


「あっ、そうそう。明日、転校生がいるから校長室に迎えに来てね」

「何でうちやねん!」


「みんな忙しいのよ。暇なのはあんただけでしょう」

「うーっ。それを言われると、辛い……」


 俺とはるかと白布は、朝からはるかの仕事がある。ドラマの撮影だ。最近、鈴の仕事がないのは俺のせいでもある。はるかを鈴に変えるより、はるかの相手の男性俳優を俺に変えた方が、いい画が撮れる、らしい。


「兎に角、1限の前に来ること。良いわね」

「分かりました。行けばええんやろ! 行けば!」


 鈴は何の抵抗も示さない。


 1限がはじまるのは朝の8時20分。その前に何かが起こるのかもしれない。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る