202011 ジャパロボ 54

渋谷かな

第1話 ジャパロボ54

「結構です! 嫌です! パス!」

 麻衣は断り続ける。

「久美ちゃんは?」

「今日は久美チャンネルの生動画配信の日なので無理です!」

 久美も断る。

「ええ~ん!? 誰も私と女子会に行ってくれないよ!?」

 祐奈は第2回女子会がやりたかった。しかし第1回のチーム祐奈の女子会が散々であったので誰も祐奈とは女子会に行きたくなかった。

「当然です! あの後、私は各家訓系部署に頭を下げに行き、反大日本帝国同盟ジャパカイダをチーム祐奈直属の部隊にすることで丸く収めたんですから! 私の苦労が分かりますか!?」

「そうだ! そうだ!」

「久美! あんたは何もしてないでしょうが!?」

「したよ。私の久美チャンネルで日本からテロリストはいなくなりましたって放送したもん。」

 久美チャンネルのチャンネル登録者数は国内外に10億人以上。久美は絶対的な影響力を持つている。

「zzz。」

「大切な話をしている時に寝ないでください!」

「遂。私は地上では3分しか起きれないので。アハッ!」

 ウルトラマンチックな祐奈。

「寂しい。どうせ隊長なんて中間管理職。上官の綾幕僚長には裸逆さ刷りで防衛省に吊るされたり、部下には寝るなと怒られて、私は孤独な生き物さ。」

 哀愁が漂いながら一人で帰ろうとする祐奈。

「お母さん。」

「イリス! さとみ!」

 防衛省の出口に祐奈の娘のイリスとさとみが待っていた。

「たまたま、こっちに用があったのよ。」

「お姉ちゃん、素直にお母さんを迎えに来たって言おうよ。」

(ああ~! 私には愛する娘たちがいる! 最後に残るのはお金でも地位でも名声でもない! 家族だ! 私は幸せです!)

「イリス! さとみ! ありがとう!」

 笑顔で祐奈は娘二人に抱き着くのであった。

 つづく。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

202011 ジャパロボ 54 渋谷かな @yahoogle

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る