「あぁぁああああああーーー!!」
「あぁぁああああああーーー!!」
紗奈はベッドの上で両手を挙げて叫んだ。
「ああ〜〜〜!」
ついでに姫奈もマネして両手を挙げて叫んだ。
「姫奈は9時を過ぎたから寝るのよー!」
「マァァー!」
紗奈がそう言うと姫奈は嬉しそうに再度両手を挙げて叫ぶ。
ママと言っているのだ。
1歳を越えてカタコトだが、姫奈も喋れるようになってきた。
この娘は天才だ。
姫奈は興奮状態でベッドの上をハイハイで逃げ回りつつ、紗奈にあっさり捕獲される。
「捕獲〜」
「きゃあー」
姫奈を抱えて紗奈がコロンと寝転がる。
2人が寝転んだ横に僕もコロンと横になり川の字でトントンと姫奈をあやす。
しばらく興奮状態できゃーきゃー言っていた姫奈だが、しばらくするとすぴすぴと眠りについた。
素直なよく寝る子である。
姫奈をベビーベッドに移動させてから、再度2人でベッドに横になる。
紗奈も僕も何も言わずにお互いを見る沈黙がほんの少し。
おもむろに互いにしがみつくようにしながら口を重ねた。
もきゅもきゅもきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅ……。
……。
…………。
………………。
疲れてぐて〜としている紗奈の髪を撫でながら僕は尋ねる。
「それで突然、叫んでどうしたんだ?」
まあ、紗奈が唐突に変なことをするのは普通かもしれないけど。
「今日、水曜日でしょ? なんか疲れたというか、何か書きたいなーと思うんだけど」
「思うんだけど?」
「最近、書いてないでしょ? なんというか……ちょっと書くモードにならないのよねぇ〜。書く訓練を怠ると随分書けなくなるのよ。あとブレイク物語が爆死したから、そういうのあるとやっぱりモチベーションが下がるというか……」
「ああ、そうかぁ」
紗奈は星や応援を食べるハートモンスターみたいなものだ。
応援がない→モチベーションが上がらない→書く量が減る→さらに応援が減る→書けなくなる悪循環である。
「あとカクヨムコン直前でしょ? 面白い話も更新が減るからさぁー」
コレも例年のあるあるである。
「まー、今年はもう特にメイン作品もないからカクヨムコンの嵐も評価気にせず、イベント狙いするだけだからいいんだけど、それでもねー。描きたいものを書くのが1番楽しいのであって、そこはやっぱり頑張りたいなぁ〜と思うわけよ」
「そうかそうか」
ままならないものである。
「でも応援がほしー」
紗奈は両手を挙げて転がりながら僕にぶつかってくる。
「でもこの作品に星がついてなかった?」
「コレじゃない! コレじゃないのよ! コレは黒歴史! 暴走と暴走がコラボレーションしたただの黒歴史なんだから、ひっそりこっそり、なんとなく更新してしまうだけなの!」
暴走なのはわかってるんだね……。
とりあえず暴走した紗奈を大人しくさせるために、口を口で塞いだ。
いつも通り。
もきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅ……。
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