「ああぁぁぁーーーーーーーーー!!」
「ああぁぁぁーーーーーーーーー!!」
その日、試験が終わった紗奈は部屋に戻ってくるなりそう叫んだ。
「ふぇ……」
声にびっくりした姫奈が泣き出したので、紗奈は慌てて駆け寄る。
「ああ! ごめんごめん姫奈!」
姫奈をあやしながら揺れる紗奈。
「試験お疲れ」
僕と紗奈は一緒に資格試験を勉強していて今日それが終わったのだ。
「疲れたぁ〜」
姫奈ごとゆっくりとベッドにゴロンとしながら紗奈は訴える。
僕は持っていた荷物を紗奈の分ごと片付けつつ、それが終わるとベッドの上の紗奈と姫奈を撫でる。
「頑張った、頑張った」
自分もだが、自分よりグデーンとしている紗奈を見ると不思議と落ち着く。
「もう勉強しない!」
大学の課題もあるからそういうわけにはいかないだろうとは思うが、今日ぐらいはそんな心持ちでいいだろう。
僕らは結局、推薦で大学に行っているからここまでの緊張感はなかったが、受験で大学に行った人はこの緊張を味わっていたのだろう。
紗奈は引き続き、撫でろと要求しつつベッドに転がっている。
「明日から執筆頑張るわ」
「まるで明日から本気出す、みたいな言い方だね」
「意識したもん」
なるほどである。
おもむろに紗奈の隙だらけの唇を奪う。
「ちょっ、姫奈見てる!」
「おっと」
反省したフリをしながら、姫奈を抱っこする。
そして姫奈の背中をぽんぽんしながら、姫奈が後ろを向いている隙に片手で紗奈を起こし、そのまま口を重ねた。
しょうがないなぁという顔をしながら、紗奈もそれを受け入れる。
もきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅ……。
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